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跡日/散歩

雪降ってるので雪の話。
未来設定で高3と高2の二人。


- 散歩 -


「雪、降ってますよ」と、短いメールを送った。
大学進学と卒業前で忙しい跡部さんに。
きっと、部屋にこもりきってると思ったから。
自分からのメールなんてすごく久しぶりだ。
邪魔とは言われないが、少しでも邪魔になりたくなかった。
集中してる時にちょっかいを出しちゃ駄目だって、自分の中でラインを引いて踏み込まないようにしてたけど、
こんなにも降る雪を見て欲しかった。
大きく柔らかな雪が顔に降り掛かる、肌に触れ、ぬくもりで溶けた雪はジワリと溶けて滑って行った。
その感触がなんだか、キスみたいだ、と思ってバカだなーっと自分を笑った。
既につもった雪道をザクザクと言わせながら歩く。
少し凍って薄くはった氷の上を柔らかい雪が包む。
ザクザクっと。
マフラーに顔を埋めるようにしてるのに冷気が少しの隙間を見つけて入り込んでくる。
寒いなって言葉は寒々しい白い息に形を変えた。
睫毛の先が少し白くなってるように感じる。

家にたどり着くと、玄関の所に誰かが立っていた。
誰だろうっと細めた目に、ちらちらと降る雪が邪魔をする。
俺の存在に気づいた人がコチラを向いて笑った。
名前を久しぶりに口にするのが気恥ずかしくて頭を下げた。
「何処いってたんだ?」
「雪が降ったので散歩に」
「そうか」
「・・・・どう、したんですか?」
「お前に会いたくなったんだ」
「そうですか・・・・」
嬉しくなって下を向いて笑った。
「跡部さん、少し散歩しましょうか」
「今いって来たんだろ?」
「あなたと歩きたいんです」

この柔らかな雪の中を。



end.
雰囲気〜><!
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