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古キョン/見て見ぬふり

古泉くんの事が割と好きなキョンくんの話。
どの辺りが?って聞かれてもよくわからないですが・・・。
普段のかんじ。意味ないね。


- 見て見ぬふり -


ハルヒがまた何か怒ってる。
朝比奈さんが慌てて泣きそうな顔してる。
古泉がハルヒをなだめるように相づちを打つ。
長門がソレをジッと眺めてる。
その光景を俺はぼんやりと眺める。
部室での役割はだいたい同じ。
毎日同じポジションを守る。

俺は選手ではなくて観戦する客だ。

夕方になり、女性陣は一足先に帰った。
後片付けを俺と古泉に押し付けて。
押し付けるときのハルヒの顔はどこか生き生きとしている。
任せる事に対して朝比奈さんが申し訳無さそうな顔をする。
押し付けられた古泉の顔はどこか嬉しそうだし、
長門は無表情にもよろしくっとでも言うように小さく頭を下げる。
俺は腑に落ちないまま片付けに取りかかる。

俺は外から見ていただけなのに後始末をする。

朝比奈さんの撮影会だ!っと急に思い立ったハルヒのせいで、
演劇部から借りた小道具が床に沢山転がっている。
試合が終わり、観客も選手も一斉に帰ったような寂しさと一緒に
小道具を拾い上げ、明日返すように箱に戻す。
コスチュームはハンガーにかけて部屋の洋服がけにかけた。
畳んであった机を古泉と二人がかりで中央に戻し、パイプ椅子を普段と同じ数だけ並べた。

俺は部外者と関係者の距離を曖昧にした場所に起つ。

「よし」と、古泉が声を上げて普段のポジションにおさまった。
コートとマフラーで防寒をして肩に鞄をかけた。
古泉はショート丈のPコートを着た。
「お前ソレ、寒くないの?」
「靴箱の所でマフラーは巻きますよ?」
「・・・そうか」

関係者も終了につき速やかに退場。

靴箱でマフラーを巻いた古泉が肩を窄めたのを目にした。
ビュウビュウと風が背中を押すように強く吹いたので俺も背を丸めてポケットに手を入れた。
「お前、やっぱ寒くねぇの?」
コートの丈が短くて腰から寒い空気が入り込んできそうだ。
身を縮めているので余計に隙間が空いてる。
左右どちらのポケットにも入っているカイロを取り出して押し付ける。
「ほら、寒いだろ、やるっ」
「・・・あ、りがとうございます」
古泉は手に一つずつ収まった小さめのカイロをチロリと見て笑った。
「とても、可愛らしいカイロですね。あったかい」
カイロはピンクのウサギが描いてある子供用のデザインの物。
「うるさい、妹のだ。寒かったからくれたんだ。俺もお前が寒そうだから、やるよ」

終了後は各自の責任で。

「手、繋ぎますか?」
マフラーに顔を埋めていると古泉が唐突に言った。
「バカか」と一蹴りしてポケットに収まっていた手袋を付けた手を見せてやった。



end.
雰囲気もの好きです。
帰るまでが遠足のノリ。
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