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古キョン/いきなり踏み込んではいけません。

キョンくん視点。
会話文、古泉君の好きな人の話。
部室に二人きり。
「こういったものは、どうでしょうか?」
わざとらしい素振りで唇の前で人差し指を立てて、あいつは簡単に境界線を越えてきた。


- いきなり踏み込んではいけません -


きぃーんっと野球部のボールが空を切る高い音が響いた。時間はまだ3時、太陽(ひ)もそこそこ高く青い空に一つ二つ雲が浮かぶ晴れ。
目の前には、世間一般でのイケメン顔。眉を寄せ、困りましたねっと肩を少し上下させた。
ハルヒ不在の団長席に座り声も出ない俺の代わりに、ぐぅんっとパソコンのファンが小さく唸るような声を上げた。
この異常事態にすがる相手もいない、女子3人はハルヒに連れられ何処かに消えた
困ったのは俺だよ…。
キーボードに置いた手が強ばって無意味な文字を打った、画面にうっすらと二人の影が写る
机に片手をついて眉を下げる男を俺は眉を上げて睨みつけた

「古泉、おまえ、どういうつもりだ?」
「そんな怒らないでください、かわいい顔が台無しですよ」
「バカにしてんのか?」
「いえ、そんな、バカになんて。大真面目ですよ」
「……意図が掴めんな」

古泉は、昔のコメディー映画に出てくる役者みたいに大袈裟に肩を上げて苦笑いを浮かべた

「だから言ったでしょ?」
「何を?」

イライラを隠そうとせず低い声で返す

「好きな人が居ると相談しました。どうしたら相手に僕が好きだと信じてもらえるんでしょう?と聞けば行動を起こせとおっしゃったのはあなたです。そして、怒らないか聞いたら。真面目に伝えれば怒らないだろうと言ったじゃないですか…まったく…」

ふぅっと溜息をついて頭を抱えた古泉。頭を抱えたいのはこっちだ…

「一つ聞くが俺を実験台にするんじゃない…」
「実験台?」
「そうだ、相手を見ろ、俺が何に見える?愛しい想い人か?見えるんだったら眼科に行くことをオススメする。それに、俺の大事なファーストっ……」
「目はイイ方なんですがね、両目ともはっきり見えます。しかし、ファーストキスだったとは、」
「うるさい、黙れ。お前と違って平凡なんだよ俺は…何ニヤケてんだ、おまえ!」
「いや、…顔に出てましたか?」
「出てた!!やっぱ、バカにしてんのか?」
「してませんよ、僕はあなたが好きなので嬉しいんです」
「…………はぁ?」
「だから、あなたが好きなんです」
「…………」

顔中の血液が沸騰したかと想うほど顔が熱い…
こいつは何を言っているんだ?
誰が誰を好きだって? 真顔で俺を見るな、バカ
顔を逸らしても「耳赤いですよ」なんて

「…っ!? う、うるさいっ」
「うるさいなんて、酷いですねぇ。僕が愛の告白を、」
「黙れ!! だいたい、順番がおかしいだろうが」
「そんな、行動しろとおっしゃったのはあなたですよ」
「…普通、あるだろうがっ」
「……あ、告白からでしたか。それは気づかなかったです、すみません」
「すみませんじゃないよ、まったく……」

俺は赤い顔が隠したくて机に肘をついて両手で顔を隠した
動悸が収まらない、なんて事してくれるんだ
俺の平凡ライフを崩すのはハルヒだけじゃないのか!?

「……では、仕切り直しをさせてください」
「は?」

顔を上げた俺の両手を掴み、にっこりと微笑んで
「僕はあなたが好きです」っと言って俺のセカンドキスまでも奪って行きやがった…
離れる形のいい唇を睨み、返事を聞いてからにしろっと思ったのに口を開く前に「ありがとうございます」と言い、握った手を握り返された
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