古→キョン/何も
突然始まって突然終わる話。
ちと病んでる(?)。
古泉くんがグルグルしてて、それに巻き込まれるキョンくん。
- 何も -
「何も無いじゃないですか」
夕日が沈んで、電気も付けない状態じゃ部室も暗い。
オレンジと藍色のグラデーションをバックに古泉が静かにいった。
するりと撫でるように輪郭をなぞった光。
眩しくもないのに目を細めた。
古泉は窓の冊子に手をついて俺を多分睨んでる。
声は静かな物だったが、押し込める想いがある声だった。
そこに何が隠されているのかは俺にはわからないが、あいつは何かスゴく苦しんでいるんだろうことはわかった。
声をかける事も憚られ、俺はただジッとその場で手を握りしめた。
ハルヒたちは片付けを俺たちに押し付けてサッサと帰っていった。
俺とこいつの重苦しい時間を壁掛けの時計がポイントを付けるように刻んだ。
「あなたは、ごく平凡なのに特別なんです」
俺はただ黙って古泉の話を聞いた。
「あなたは何も持ってないのに、凉宮さんに好かれて、そのせいで沢山の監視の目にさらされています。朝比奈さん、長門さん、そして僕。それだけじゃない、他の方々も凉宮さんの存在に気づき、マークしているかもしれない。あなたは、・・・・何も無いのにっ・・・。」
古泉の俺を見つめる視線の温度が変わったように感じた。
でも、それも気のせいだ、だって俺はこいつや、その他大勢の人が認める平凡で何も無い人間なのだ。
普通で居たい、普通でありたい、普通が一番。普通が美徳であると考えている。
平坦で平凡な単調な日常生活。
安全で、安定。明日には何が起こるかわからないなんて事は無い。
それで良いと思ってるから。それから古泉は更に続けた。
「何も無いのに、あなたは好意を寄せられている。知らない所では憎まれたりもしているかもしれませんが、僕の知る限りでは皆に好かれている。凉宮さんに取ってあなたが特別なのも魅力があるから。そして、他二人もあなたに信頼を寄せている」
自分が魅力的とは初めて言われた。なんと返すのが正解なのかわからない。
日は完全に沈み、空が黒一色になった。トロリと落ちてきそうな濃い色に包まれて消えてしまいそうだ。
何かが特別だと言うなら古泉だって機関から選ばれてハルヒを見張ってる。
頭も良くて、顔も良い・・・・いや、俺は好きな顔じゃないがな、なんか笑顔が嘘くさいからな。
「おい、古泉。ハルヒが、ハルヒのため、ハルヒの機嫌を損ねるなとか、ハルヒばかりに気を取られてお前も参っちまってるんだろ、でもな、考えてみろよ。ハルヒは今の世界が好きだと思うぜ。お前も居て、長門や朝比奈さんもいる。そんな世界を好きだと。あいつは天の邪鬼だから”つまらないわ!”っとかなんとか行ってくるけど、お前らの居る世界が好きなんだよ。文句たれながらも一緒に無茶やってついてくる仲間が好きだし、無理だと思った事を可能にする力を持ってる。あ、力ってのは神様的な力じゃねーぞ、想像力だ。ハルヒだって成長する。勉強もするだろうし興味好奇心も有る、進んでいくんだよ。だから、そんな追いつめるなよ。俺が何も持ってないのに注目されてるのがムカつくのか?まぁ、そういう風に考えるのも有りかな。矛先が何処かに向いていれば楽だもんな」
最後の方は茶化すように言ったが、これは俺の本心だ。
ハルヒだって気分だけで世界丸っとはかえちまわねぇはずだ。
俺は信じてないけど、もし、変えるとしたら、それは俺たちの気づかない所で変わっていて。その変わったってのが当たり前になった世界だろうしな。
古泉の方を見やると、俺の方に近寄ってきた。
お、気が済んだか?俺は腹が減ったからな、早く帰りたいんだ。
友達が・・・・まだ古泉とは友達じゃないが、部活の仲間として、いやいや、まだ仲間とも認めてないからな、そうだな人としてだ。
人として相談にのっただけだ、あー、古泉に対してちゃんと良心が出せた俺すげぇ。
ふっと、近づく気配に顔を上げると・・・・・・・・・・は?
なななん、なんなんだ、この状態は!?
憎たらしい古泉の顔だけじゃない、身体が近いっ・・・!だ、抱きつくな!!
「ちょっ、お前なにすんだ!?」
「すみません、僕、あなたの事が好きです」
「は?」
「何も無く平凡なあなたに引かれているのは僕も同じようです。これで何かあったらあなたが責任とって下さいね」
ななな、なんでだよっ、俺が責任取る意味が全くわかんネェよ・・・・・!
俺にどうしろってんだ、バカ泉めっ
end.
尻切れで終わる、これぞ私の18番!
この後、運悪くハルヒ帰ってきて修羅場みたいになる話とか考えると滾る!
キョンくん置いてけぼり。(ハルヒ→キョン←古泉の板挟み!)
ちと病んでる(?)。
古泉くんがグルグルしてて、それに巻き込まれるキョンくん。
- 何も -
「何も無いじゃないですか」
夕日が沈んで、電気も付けない状態じゃ部室も暗い。
オレンジと藍色のグラデーションをバックに古泉が静かにいった。
するりと撫でるように輪郭をなぞった光。
眩しくもないのに目を細めた。
古泉は窓の冊子に手をついて俺を多分睨んでる。
声は静かな物だったが、押し込める想いがある声だった。
そこに何が隠されているのかは俺にはわからないが、あいつは何かスゴく苦しんでいるんだろうことはわかった。
声をかける事も憚られ、俺はただジッとその場で手を握りしめた。
ハルヒたちは片付けを俺たちに押し付けてサッサと帰っていった。
俺とこいつの重苦しい時間を壁掛けの時計がポイントを付けるように刻んだ。
「あなたは、ごく平凡なのに特別なんです」
俺はただ黙って古泉の話を聞いた。
「あなたは何も持ってないのに、凉宮さんに好かれて、そのせいで沢山の監視の目にさらされています。朝比奈さん、長門さん、そして僕。それだけじゃない、他の方々も凉宮さんの存在に気づき、マークしているかもしれない。あなたは、・・・・何も無いのにっ・・・。」
古泉の俺を見つめる視線の温度が変わったように感じた。
でも、それも気のせいだ、だって俺はこいつや、その他大勢の人が認める平凡で何も無い人間なのだ。
普通で居たい、普通でありたい、普通が一番。普通が美徳であると考えている。
平坦で平凡な単調な日常生活。
安全で、安定。明日には何が起こるかわからないなんて事は無い。
それで良いと思ってるから。それから古泉は更に続けた。
「何も無いのに、あなたは好意を寄せられている。知らない所では憎まれたりもしているかもしれませんが、僕の知る限りでは皆に好かれている。凉宮さんに取ってあなたが特別なのも魅力があるから。そして、他二人もあなたに信頼を寄せている」
自分が魅力的とは初めて言われた。なんと返すのが正解なのかわからない。
日は完全に沈み、空が黒一色になった。トロリと落ちてきそうな濃い色に包まれて消えてしまいそうだ。
何かが特別だと言うなら古泉だって機関から選ばれてハルヒを見張ってる。
頭も良くて、顔も良い・・・・いや、俺は好きな顔じゃないがな、なんか笑顔が嘘くさいからな。
「おい、古泉。ハルヒが、ハルヒのため、ハルヒの機嫌を損ねるなとか、ハルヒばかりに気を取られてお前も参っちまってるんだろ、でもな、考えてみろよ。ハルヒは今の世界が好きだと思うぜ。お前も居て、長門や朝比奈さんもいる。そんな世界を好きだと。あいつは天の邪鬼だから”つまらないわ!”っとかなんとか行ってくるけど、お前らの居る世界が好きなんだよ。文句たれながらも一緒に無茶やってついてくる仲間が好きだし、無理だと思った事を可能にする力を持ってる。あ、力ってのは神様的な力じゃねーぞ、想像力だ。ハルヒだって成長する。勉強もするだろうし興味好奇心も有る、進んでいくんだよ。だから、そんな追いつめるなよ。俺が何も持ってないのに注目されてるのがムカつくのか?まぁ、そういう風に考えるのも有りかな。矛先が何処かに向いていれば楽だもんな」
最後の方は茶化すように言ったが、これは俺の本心だ。
ハルヒだって気分だけで世界丸っとはかえちまわねぇはずだ。
俺は信じてないけど、もし、変えるとしたら、それは俺たちの気づかない所で変わっていて。その変わったってのが当たり前になった世界だろうしな。
古泉の方を見やると、俺の方に近寄ってきた。
お、気が済んだか?俺は腹が減ったからな、早く帰りたいんだ。
友達が・・・・まだ古泉とは友達じゃないが、部活の仲間として、いやいや、まだ仲間とも認めてないからな、そうだな人としてだ。
人として相談にのっただけだ、あー、古泉に対してちゃんと良心が出せた俺すげぇ。
ふっと、近づく気配に顔を上げると・・・・・・・・・・は?
なななん、なんなんだ、この状態は!?
憎たらしい古泉の顔だけじゃない、身体が近いっ・・・!だ、抱きつくな!!
「ちょっ、お前なにすんだ!?」
「すみません、僕、あなたの事が好きです」
「は?」
「何も無く平凡なあなたに引かれているのは僕も同じようです。これで何かあったらあなたが責任とって下さいね」
ななな、なんでだよっ、俺が責任取る意味が全くわかんネェよ・・・・・!
俺にどうしろってんだ、バカ泉めっ
end.
尻切れで終わる、これぞ私の18番!
この後、運悪くハルヒ帰ってきて修羅場みたいになる話とか考えると滾る!
キョンくん置いてけぼり。(ハルヒ→キョン←古泉の板挟み!)
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