跡日/特別
日吉くん誕生日話です。
誕生日おめでとう。ありがとう。
誕生日おめでとう。ありがとう。
- 特別 -
「跡部さん、誕生日って特別なんですか?」
数日前に聞かれた質問がグルグルと頭の中を回る、目の前の数式なんて少しも入ってこない
11月から付き合い始めた俺たちの初めての特別な日の到来だと思っていたのに……
サプライズ好きな俺としては日吉を十分に甘やかして喜ぶプレゼントを渡したい
確かに恋人になる前だったが10月の自分の誕生日の時の日吉の態度は……?
「おい、今日は俺の誕生日だ」
「そのようですね」
テニスコートの周りを取り囲むほどの女子生徒たちを見た日吉はため息をついた
スポーツドリンクを飲み、意を決した俺は
「プレゼントにお前が欲しい」
と、言ったのに即刻「却下」と切り捨てられた
あの時は自分が日吉に好かれているっと信じて疑いもしなかったので、
断られたことでだいぶ悩んだなぁ
思い出しただけでため息が零れる、大半が持ち上がりの高等部だが受験シーズンでそれなりにピリピリしている生徒たちが居る中
自分は素っ気ない恋人のことばかり考えている
「なぁ、誕生日は特別な日だろ?」
「特別じゃない誕生日なんて、有る訳ないやろ」
俺の問いかけに、何を分かり切ったことをっと口にはしないが顔に出ている忍足が答えた
「だよな、特別だよ。特別なんだよ……」
「なんや、珍しいな。跡部がそんな悩むなんて。お前を悩ます日吉は相当スゴいな」
感心した声さえ煩わしい
教室の机にプレゼントっとシャーペンで落書きした
「うるさいメガネ野郎」
メガネ野郎はなんだか嬉しそうに俺の前の席に座った
「知っとるか、日吉も実はメガネかけるんよ?」
「………知ってる、お前のメガネと日吉のメガネを一緒にするな」
「はいはい。惚れてますな、旦那」
いつもなら簡単にあしらえれる会話なのに……
睨みつけるとにやりとイヤな顔を向けてくる、水みたいな奴だ
なんでも交わしやがって
「日吉になんて言われたんや?誕生日の催しが派手なのはイヤとかか?」
「違う、誕生日は特別じゃないって言われた。あいつは俺に祝われたく無いのか?」
「んー、ちゃうんやないかなぁ?なんか理由が有るん、自分で聞いてみぃ。それに祝われてイヤな奴なんざおらんよ、好きな奴に祝われてみ?」
「……そう、たな。お前、珠には良いこと言うな」
「一言余計や」
「と、言うわけで4日の夜泊まりに来い。二人でささやかなお祝いをしたい」
部活終わりの日吉を生徒会室に呼びつけ、開口一番いった
「すみませんが、その日は予定があるのでお断りします」
え?っと間抜けな声があがりそうになったのを何とか押さえ、目の前にいる日吉を見た
「おい、それは外せない予定なのか?」
「はい、誕生日ですから」
「…折角の誕生日をお前と祝いたいと思うのは間違ってるか?」
「そういう訳じゃ…俺の家の誕生日は母親に感謝を伝える日なんです。産んでくれてありがとうって、だから、跡部さんの申し出はお断りします」
ゆっくりと頭を下げて申し訳なさそうな表情をされると……
「では、俺もそれにお邪魔しよう」
「は?……ちょっ!?」
驚いて顔を上げた日吉を抱きしめた
「だから、俺も日吉のお母さんにありがとうが言いたいんだ。お前がココにいて俺が抱きしめることができるのも……感謝しても、し足りないほどだ」
ほんのりと赤く染まった頬にキスをした
「でもな、日吉」
「はい…」
「俺はお前が喜ぶ顔が見たいからプレゼントを贈りたいと思う、それだけは受け取ってくれよ?」
答えは聞けなかったが背に回った手がギュッと抱きしめ返したのを返事としておこう
end.
「跡部さん、誕生日って特別なんですか?」
数日前に聞かれた質問がグルグルと頭の中を回る、目の前の数式なんて少しも入ってこない
11月から付き合い始めた俺たちの初めての特別な日の到来だと思っていたのに……
サプライズ好きな俺としては日吉を十分に甘やかして喜ぶプレゼントを渡したい
確かに恋人になる前だったが10月の自分の誕生日の時の日吉の態度は……?
「おい、今日は俺の誕生日だ」
「そのようですね」
テニスコートの周りを取り囲むほどの女子生徒たちを見た日吉はため息をついた
スポーツドリンクを飲み、意を決した俺は
「プレゼントにお前が欲しい」
と、言ったのに即刻「却下」と切り捨てられた
あの時は自分が日吉に好かれているっと信じて疑いもしなかったので、
断られたことでだいぶ悩んだなぁ
思い出しただけでため息が零れる、大半が持ち上がりの高等部だが受験シーズンでそれなりにピリピリしている生徒たちが居る中
自分は素っ気ない恋人のことばかり考えている
「なぁ、誕生日は特別な日だろ?」
「特別じゃない誕生日なんて、有る訳ないやろ」
俺の問いかけに、何を分かり切ったことをっと口にはしないが顔に出ている忍足が答えた
「だよな、特別だよ。特別なんだよ……」
「なんや、珍しいな。跡部がそんな悩むなんて。お前を悩ます日吉は相当スゴいな」
感心した声さえ煩わしい
教室の机にプレゼントっとシャーペンで落書きした
「うるさいメガネ野郎」
メガネ野郎はなんだか嬉しそうに俺の前の席に座った
「知っとるか、日吉も実はメガネかけるんよ?」
「………知ってる、お前のメガネと日吉のメガネを一緒にするな」
「はいはい。惚れてますな、旦那」
いつもなら簡単にあしらえれる会話なのに……
睨みつけるとにやりとイヤな顔を向けてくる、水みたいな奴だ
なんでも交わしやがって
「日吉になんて言われたんや?誕生日の催しが派手なのはイヤとかか?」
「違う、誕生日は特別じゃないって言われた。あいつは俺に祝われたく無いのか?」
「んー、ちゃうんやないかなぁ?なんか理由が有るん、自分で聞いてみぃ。それに祝われてイヤな奴なんざおらんよ、好きな奴に祝われてみ?」
「……そう、たな。お前、珠には良いこと言うな」
「一言余計や」
「と、言うわけで4日の夜泊まりに来い。二人でささやかなお祝いをしたい」
部活終わりの日吉を生徒会室に呼びつけ、開口一番いった
「すみませんが、その日は予定があるのでお断りします」
え?っと間抜けな声があがりそうになったのを何とか押さえ、目の前にいる日吉を見た
「おい、それは外せない予定なのか?」
「はい、誕生日ですから」
「…折角の誕生日をお前と祝いたいと思うのは間違ってるか?」
「そういう訳じゃ…俺の家の誕生日は母親に感謝を伝える日なんです。産んでくれてありがとうって、だから、跡部さんの申し出はお断りします」
ゆっくりと頭を下げて申し訳なさそうな表情をされると……
「では、俺もそれにお邪魔しよう」
「は?……ちょっ!?」
驚いて顔を上げた日吉を抱きしめた
「だから、俺も日吉のお母さんにありがとうが言いたいんだ。お前がココにいて俺が抱きしめることができるのも……感謝しても、し足りないほどだ」
ほんのりと赤く染まった頬にキスをした
「でもな、日吉」
「はい…」
「俺はお前が喜ぶ顔が見たいからプレゼントを贈りたいと思う、それだけは受け取ってくれよ?」
答えは聞けなかったが背に回った手がギュッと抱きしめ返したのを返事としておこう
end.
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