box。

- 臆病な手 -
そろりと確かめるように回された手。
肩口に埋められた鼻先がスンッと鳴いた。
図書館の棚に隠れて僕らは。
「綾小路？」
「何、」
「部活行かないのかい？」
うんっと頷いたと同時に胸元に顔をこすりつけられた。


- 意地っ張りな肩 -
さっきまで弱り果てて僕に抱きついてきたのに。
そんな事、無かったようにシャンとした身体。
「すまんな」といつもの顔と声だけど、
僕にはすぐにも崩れそうに見える。
冗談みたいな、言葉しかかけれない天の邪鬼な僕はその肩に軽く平手打ちをした。


- 優柔不断な足 -
引き止めたかった。
廊下を３歩程離れて歩いた。
伸ばした掌はグッと引き戻した。
綾小路が大丈夫だと言うのなら手を出したくなかった。
僕らは助け合う仲じゃないから。
そう、思った途端に足が止まった。
少しずつ距離が広がって、身体だけじゃなく気持ちも離れるように感じた。


- 悩ましげな腰 -
綾小路は疲れたと言った。
昼間抱きついてきた時は持ち直したと思ったのに。
下駄箱で手を掴まれたときはビックリした。
「なに？」
「疲れた、お前と帰りたい」
顔を伏せた綾小路が泣いてるように見えたので連れて帰った。
その後、気づけば僕と繋がってる身体。
触れた肌が、熱いのに冷たく感じた。
僕に乗り上げて涙を流すのはどうして。


- 遠慮がちの唇 -
朝目が覚めて、ぐっすりと眠っている顔を見た。
毒気の抜けたスッキリとした顔、反対に僕は淀んだ気持ちを抱えた。
僕たち、出会いが間違っていたよ。
気持ちよりも先に身体が繋がった事を悔やんだ。
前髪をサラリと撫でておでこにキスを落とした。


- 無言の背中 -
２度寝から目を覚ますと白い背中がこちらを向いていた。
「綾小路？」
名前を呼ぶが反応が返ってこない。
起き上がると素肌を外気が撫でた。
つるりと冷たい朝の冷気、綾小路の肩に触れたらとても冷たかった。



end.
風間くんごめんねー。
つか、お互いに好き好きーって風綾が好きなのにな、どこで間違えた＞＜；