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古キョン/太陽と月。

キョンくん視点。
死にネタ、大学生の未来設定、古←キョンの片思い。
苦手な人はスルーしてください。

- 太陽と月 -


古泉は泣いていた
俺の冷たくなった頬にふれて、
愛してる、なんて陳腐な言葉を受け取れもしない俺に投げた
俺もおまえも本当にバカだよ


最近では、大学環境でできた恋人との噂が囁かれるイケメン担当(俺にはちょっと顔がキレイなだけのヘタレにしか見えないが)の古泉
俺の昔好きだった人

酔った勢いで口づけたことがある
大学がバラバラになったけど(長門とハルヒは同じ大学だが)SOS団のメンツが20歳を越えたときだったか、
久しぶりに5人集まり飲み会を開いた
無鉄砲で自己中担当(黙ってれば可愛いけど話し出したら爆弾だ)のハルヒに言いつけられ嫌々全員の予定をとりつけ、いそいそと飲み屋に予約をしたはずだった
高校生の時から俺は古泉にぼんやりとだが恋心を抱いていたので少なからず浮かれてたんだ
浮かれてたんだと信じて欲しい…
普通なら同姓と触れ合うのなんて気持ち悪いと思っていた
でも、こいつに対しては違った
きしょいー、無口不思議少女担当(宇宙人みたいだけど頼りになる)の長門以外の4人で声を上げて笑ったが自分は全く気持ち悪くなかったから困った
余計に物欲しくなって自分の浅ましさに幻滅したぐらいだ
淡い恋心はこのとき、はっきりとした恋心になった
飲みの席で急に無口になった俺を気にして癒しアイドル担当(可愛くって繊細、まさにエンジェル)の朝比奈さんが声をかけてくれた
「キョンくん…?あのっ、大丈夫ですか?」
「えぇ、大丈夫ですよ」と笑みを浮かべながら流し込んだビールは酷く苦かった


鞄の中身がひっくり返った、弾かれたCDケースが道路の上を転がって耳障りな音を立てたのを俺は耳にしたのだろうか
今日古泉と会う約束をしていた、あいつにCDを貸す予定だった
お気に入りの青いマフラーを巻いて歩道を歩いていただけだったのに
雪が降っていて寒いな、なんて少し前までのんきに考えてたはず
まさか自分がこんな死に方をするなんて思ってもみなかった
車が背後から突っ込んできたから一瞬でも恐怖を感じなかったのはラッキーなのか
跳ねられて驚いたぐらいか。いや、驚く余地があったのかは今じゃわからない
何かの罰が当たったんだろうか
たとえば、古泉を友達と偽ったり
本当は好きで好きでたまらないのに嘘を突き続けた事


俺はまだ救いようのあるバカだったかな
目の前で整った顔をグシャグシャにして泣くこいつに比べれば
こいつは俺が居なくなって俺のことが心から好きだと気づいたらしい
さっき言ってたから

なんだそれは。やはりバカなのは俺だ

彼はどこかで俺の気持ちに気づいていたんだろう
だから優しいこいつは最後に俺を喜ばせるつもりでその言葉を口にしたのかもしれない
優しく触れ合った唇の温度差に目を見開いて頭を抱えてうずくまるこいつは目一杯優しくて真っ直ぐな奴
そして、残酷
「キョンくん…」
呼んだって届きゃしないんだ
横たわる身体と一緒で冷めた心が傍観
何も感じない
目の前で泣くのを見ても悲しいとも虚しいとも
生きてるときの俺はもう少しだけ熱い男だったと思ってたのに

違う結末も描けず徐々に意識が白霞んでいく
肉体が死んで、次は漂う精神も死ぬのだろう
「じゃぁな」といつもと同じ挨拶をした、次なんて無いのに

あいつが、こっちを見た気がするけどあり得ないよ
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