黒火/動物園
一日一火神くん。
黒火で、動物園に行く二人。
7/29分。
- 動物園 -
火神くんと恋人になった。
恋人になって、何をするのが、恋人なんだろう。生まれてから誰かと付き合ったことも無い。
遊びに行きましょうと誘えば、イコールバスケ。それか、スポーツショップなど。
知らないものは、いくら考えても分からないので、とりあえず、相手に正面きって聞いてみたところ、彼も僕が初めての恋人らしく知らないといわれてしまった。
こんなことでは、恋人になった意味が無い。ひとまず身近な彼女もちの先輩に声をかけたところ、「俺は初デート動物園に行ったよ。ベタだけど、一緒に動物を見て回ったなぁ。何か見るものがあれば、それに対してリアクションすればいいし、相手の好きなものとかも知れるからね」
僕が部室で聞いたからか、回りの人生で一度も恋人のいない先輩らも、なんだなんだと、話に入ってきた。
理想のデートだとか、もしも恋人が出来たら行ってみたいところなど、知恵を得て、ちらりと、同じ部室にいる恋人のほうを振り返ると、相手は、話を聞いてなかったらしく、僕の視線に首をかしげて返してきた。
手始めに、恋人いる人の初デートをなぞるようで、恥ずかしいが手本にし、僕らも動物園に行くことにした。
水族館も涼しくて、良いんじゃないかと考えたが、入園料が少々高かった。今まで、学校の行事でしか、水族館なんて行った事が無かったので、調べてみて驚いた。それに比べ、動物園は良心的だなっと思った。
約束を取り付け、駅で待ち合わせをした。本を読んで待っていると、火神くんが現れた。
「わりぃ、待たせたか?」
「いえ、待ってません」
「そっか、よかった。じゃぁ、行こうぜ」
なんだか、本で読んだみたいな会話の流れ。待った、待ってないよ。監督が貸してくれた少女マンガと同じだ。何事も勉強だな。
日常的に、こんな会話が出てくるんだなぁっと、思いながら、先に歩いていく火神くんの背を追っていく。
動物園のゲート前にたどり着いた僕らは、学生証を提示し、入園料をそれぞれに払った。動物園って、久しぶりに着た。そういえば、中学生のときの遠足以来なのかもしれない。
入るときに手渡されたパンフレットを見ると、沢山の動物名が並んでいる。名前を見ても、どんな動物か浮かんでこないものもいる。
「どこから攻めますか?」
「・・・わかんねぇ、俺、始めてきた」
「えっ、そうなんですか?」
「いや、動物園がって、事じゃなくて、この動物園に。何が目玉とかあるのか?」
「あー、確か、コアラですよ」
「なに、肩とかに乗せてくれるわけ?」
「いえ、さすがにそれは・・・」
「なんだ、じゃぁ、ぐるりと回っていくか」
パンフレットには、迷ったときの道案内ルートが3パターン地図に道順を追うように矢印が書いてあった。
一緒になって覗き込んだ地図を指差して、赤色の矢印をたどることにした。
手前から順番に大きな象を見る。鳥の池と称されたところでは、水鳥がプカプカ浮かんでいるのを眺めた。穏やかに時間をすごしている鳥を見ながら、ハッとした。
「火神くん、もしかして、動物園とかお嫌いでした?」
自分が恋人とのデートを成功することばかりを考えて、相手の意見を組むことを忘れていたのに、今の今気づいたのだ。
横に立つ彼を見ると、眩しいぐらいの笑顔で「お前と居るから楽しい」と、返事をもらった。
眩しすぎて、立ちくらみかと思った。よろめく僕の背に手を伸ばし支えてくれる。火神くん、何処でそんな言葉覚えたんですか。
僕が借りた少女マンガから、出てきたんですかっと、バックにきらきらの星と花を背負ってそうな僕の恋人を見る。
行こうぜっと、実にスムーズに手をつながれて、えっと、声を上げそうになるのを飲み込んで、ぎゅっと握り返すと、彼もまた強く握り返してくれた。
結局、火神くんにスムーズにエスコートされたように感じる。才能なのか。
僕をたらしこむ才能を生まれもって備えているんだろうか?
ほかの人にも、気遣いをしたり、優しさを見せたりしてないだろうかっと、不安になる。
一通り回り終え、途中、動物をイメージしたパンやアイスも一緒に食べた。
今日も暑いなっと、買ったジュースも味見と称してお互いのもを飲んだ。味なんて到底思い出せない。彼が口をつけたストローに自分も口をつけた事実が胸を跳ねさせた。
一日動物園を満喫し、きっちりと彼に家まで送り届けられた。
自分の思い描いていたものだと、僕が彼を家まで送り届けていたはずなのに。
帰り際、「今日、楽しかったぜ」っと、またきらきらの笑顔を向けて言われたので、またまた僕はよろめいた。
ふらつく僕にソッと手を合わせ、自然に抱き寄せられたと思ったら、近づいてきた彼の顔に驚いて目を閉じてしまった。ふにゅっと柔らかな感触に、これまたびっくりして、放れて行く彼を見た。
「黒子、目、まん丸」っと、笑われても、どうでもいい。僕の理想としては、初キスは、僕からの予定・・・いや、初キスなのは僕だけじゃないか!!!っと、冷静さをどこかにやってしまった僕が、自分へ心の中で突っ込む。
師弟関係にある金髪女性を思い浮かべる。少し嫉妬した。
「お前、表情変わりすぎ。嫌だったか?」
「嫌じゃないです」
ムッとした表情のまま答えてしまった。仲間内のじゃれ愛だろう、師弟のキスが頭を支配する。初デートでこんな終わりで良いのか考える余裕も無い。
「わるい、俺、お前との初デートに浮かれてキスしちまって」
「僕も・・・」
自分もずっと、浮かれていた。隣を見れば、バスケもしてないし、学校でもないのに、彼が居るというのは実に素敵な時間だった。
最後の最後で嫉妬して終わるなんてかっこ悪すぎる。硬くなった表情を包むように火神くんが両手で僕の顔を上向けさせる。
おでことおでこをくっつけられ、「バスケしてないのに、ドキドキしっぱなしだった。俺へんなことしなかったか?」と、聞かれ、ふわりと笑った彼の表情に、醜い嫉妬の心も吹っ飛んでしまった。
衝動に突き動かされて、彼をぎゅうっと抱きしめ、「大好きです」と、口にすると、「答えになってんのか?でも、俺も好きだぜ」っと、抱きしめ返されて、幸せな初デートは何とか形になった。
自分がこんなにも、嫉妬しぃだとは、思いもしなかった。
そして、一番火神くんとキスをしているであろう、金髪女性に、心の中で「あなたよりも沢山彼にキスするのは僕だ」っと、宣戦布告した。
end.
黒火で、動物園に行く二人。
7/29分。
- 動物園 -
火神くんと恋人になった。
恋人になって、何をするのが、恋人なんだろう。生まれてから誰かと付き合ったことも無い。
遊びに行きましょうと誘えば、イコールバスケ。それか、スポーツショップなど。
知らないものは、いくら考えても分からないので、とりあえず、相手に正面きって聞いてみたところ、彼も僕が初めての恋人らしく知らないといわれてしまった。
こんなことでは、恋人になった意味が無い。ひとまず身近な彼女もちの先輩に声をかけたところ、「俺は初デート動物園に行ったよ。ベタだけど、一緒に動物を見て回ったなぁ。何か見るものがあれば、それに対してリアクションすればいいし、相手の好きなものとかも知れるからね」
僕が部室で聞いたからか、回りの人生で一度も恋人のいない先輩らも、なんだなんだと、話に入ってきた。
理想のデートだとか、もしも恋人が出来たら行ってみたいところなど、知恵を得て、ちらりと、同じ部室にいる恋人のほうを振り返ると、相手は、話を聞いてなかったらしく、僕の視線に首をかしげて返してきた。
手始めに、恋人いる人の初デートをなぞるようで、恥ずかしいが手本にし、僕らも動物園に行くことにした。
水族館も涼しくて、良いんじゃないかと考えたが、入園料が少々高かった。今まで、学校の行事でしか、水族館なんて行った事が無かったので、調べてみて驚いた。それに比べ、動物園は良心的だなっと思った。
約束を取り付け、駅で待ち合わせをした。本を読んで待っていると、火神くんが現れた。
「わりぃ、待たせたか?」
「いえ、待ってません」
「そっか、よかった。じゃぁ、行こうぜ」
なんだか、本で読んだみたいな会話の流れ。待った、待ってないよ。監督が貸してくれた少女マンガと同じだ。何事も勉強だな。
日常的に、こんな会話が出てくるんだなぁっと、思いながら、先に歩いていく火神くんの背を追っていく。
動物園のゲート前にたどり着いた僕らは、学生証を提示し、入園料をそれぞれに払った。動物園って、久しぶりに着た。そういえば、中学生のときの遠足以来なのかもしれない。
入るときに手渡されたパンフレットを見ると、沢山の動物名が並んでいる。名前を見ても、どんな動物か浮かんでこないものもいる。
「どこから攻めますか?」
「・・・わかんねぇ、俺、始めてきた」
「えっ、そうなんですか?」
「いや、動物園がって、事じゃなくて、この動物園に。何が目玉とかあるのか?」
「あー、確か、コアラですよ」
「なに、肩とかに乗せてくれるわけ?」
「いえ、さすがにそれは・・・」
「なんだ、じゃぁ、ぐるりと回っていくか」
パンフレットには、迷ったときの道案内ルートが3パターン地図に道順を追うように矢印が書いてあった。
一緒になって覗き込んだ地図を指差して、赤色の矢印をたどることにした。
手前から順番に大きな象を見る。鳥の池と称されたところでは、水鳥がプカプカ浮かんでいるのを眺めた。穏やかに時間をすごしている鳥を見ながら、ハッとした。
「火神くん、もしかして、動物園とかお嫌いでした?」
自分が恋人とのデートを成功することばかりを考えて、相手の意見を組むことを忘れていたのに、今の今気づいたのだ。
横に立つ彼を見ると、眩しいぐらいの笑顔で「お前と居るから楽しい」と、返事をもらった。
眩しすぎて、立ちくらみかと思った。よろめく僕の背に手を伸ばし支えてくれる。火神くん、何処でそんな言葉覚えたんですか。
僕が借りた少女マンガから、出てきたんですかっと、バックにきらきらの星と花を背負ってそうな僕の恋人を見る。
行こうぜっと、実にスムーズに手をつながれて、えっと、声を上げそうになるのを飲み込んで、ぎゅっと握り返すと、彼もまた強く握り返してくれた。
結局、火神くんにスムーズにエスコートされたように感じる。才能なのか。
僕をたらしこむ才能を生まれもって備えているんだろうか?
ほかの人にも、気遣いをしたり、優しさを見せたりしてないだろうかっと、不安になる。
一通り回り終え、途中、動物をイメージしたパンやアイスも一緒に食べた。
今日も暑いなっと、買ったジュースも味見と称してお互いのもを飲んだ。味なんて到底思い出せない。彼が口をつけたストローに自分も口をつけた事実が胸を跳ねさせた。
一日動物園を満喫し、きっちりと彼に家まで送り届けられた。
自分の思い描いていたものだと、僕が彼を家まで送り届けていたはずなのに。
帰り際、「今日、楽しかったぜ」っと、またきらきらの笑顔を向けて言われたので、またまた僕はよろめいた。
ふらつく僕にソッと手を合わせ、自然に抱き寄せられたと思ったら、近づいてきた彼の顔に驚いて目を閉じてしまった。ふにゅっと柔らかな感触に、これまたびっくりして、放れて行く彼を見た。
「黒子、目、まん丸」っと、笑われても、どうでもいい。僕の理想としては、初キスは、僕からの予定・・・いや、初キスなのは僕だけじゃないか!!!っと、冷静さをどこかにやってしまった僕が、自分へ心の中で突っ込む。
師弟関係にある金髪女性を思い浮かべる。少し嫉妬した。
「お前、表情変わりすぎ。嫌だったか?」
「嫌じゃないです」
ムッとした表情のまま答えてしまった。仲間内のじゃれ愛だろう、師弟のキスが頭を支配する。初デートでこんな終わりで良いのか考える余裕も無い。
「わるい、俺、お前との初デートに浮かれてキスしちまって」
「僕も・・・」
自分もずっと、浮かれていた。隣を見れば、バスケもしてないし、学校でもないのに、彼が居るというのは実に素敵な時間だった。
最後の最後で嫉妬して終わるなんてかっこ悪すぎる。硬くなった表情を包むように火神くんが両手で僕の顔を上向けさせる。
おでことおでこをくっつけられ、「バスケしてないのに、ドキドキしっぱなしだった。俺へんなことしなかったか?」と、聞かれ、ふわりと笑った彼の表情に、醜い嫉妬の心も吹っ飛んでしまった。
衝動に突き動かされて、彼をぎゅうっと抱きしめ、「大好きです」と、口にすると、「答えになってんのか?でも、俺も好きだぜ」っと、抱きしめ返されて、幸せな初デートは何とか形になった。
自分がこんなにも、嫉妬しぃだとは、思いもしなかった。
そして、一番火神くんとキスをしているであろう、金髪女性に、心の中で「あなたよりも沢山彼にキスするのは僕だ」っと、宣戦布告した。
end.
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