氷火/指輪
一日一火神くん。
氷火で、ベタベタする二人。
7/26分。
- 指輪 -
新しい指輪をもらった。
子供の時にもらったものと、明らかにグレードの高いものだ。
手の中に納まる、自分には不釣り合いに感じるほど、繊細なラインで表現された一生。
表からは見えない裏側に小さな石がさり気なくはめ込まれてる。相手を連想するような涼しげな透明。きらりと輝いて、眩しく感じ、何度も瞬きをした。
バスケでこじれた関係を、またバスケが直してくれた。どことなく歪なカタチではあるにせよ、只管にタツヤの事が大好きで憧れ。
もう、曖昧な態度をとらなくてもイイ、また兄弟のようになれたと喜んでいた。
タツヤはかっこよくて、最高だな。俺の欲しいものを与えてくれる。
そう思っていたら、指輪をもらった。
鈍感な俺にもわかる。これは、友情や兄弟の証でない存在の指輪。
タツヤが悪戯に買ってくるような性格ではない。
夏休みを利用してコチラに遊びに来るというので、駅で待ち合わせした夕方。俺は部活があるから迎えに行くのは、夕方になりそうだと事前に知らせていたので、カフェで時間をつぶしていたタツヤを見つけた時は、いつも通りに見えた。
帰り道にココ最近あった出来事、主にバスケだが、を、話しながら家に到着した。
疲れたし、日中は運動しなくても暑いだろっと、風呂に入るように勧め、その間に夕食の準備をして、二人で夕食を食べ、泊めてもらうからと皿洗いを買って出てくれた彼に甘えて俺も風呂に入った。
サッパリとした状態でリビングに足を向けると、鞄を整理していたタツヤが、真剣な顔で俺に手渡してくれたのが指輪だった。
「あれ、コレ、高級そうだな」
学生の平均的な財布事情はよくわからないけど、手の中に納まる儚い指輪を眺めた。物をプレゼントされて、金額の事を突っ込むのは失礼だと思いつつも、自分なんかに、こんな高価な贈り物をするなんて考えたこともなかった。
「大我、ちょっと失礼。金額は、考えないでくれ、自分が渡したくて選んだんだ」
「あっ、ご、ごめん。自分なんかに、こんな、高そうなもの貰っちゃって、動揺してるというか・・・」
恋人でもない二人の間に、好きな相手に送るような指輪。ファッションとかでなく、愛の印のような。つるりとした柔らかなカーブなのに、込められた物は強そうだなっと感じた。
「何言ってるの、自分なんかに、じゃなくて、大我だからだよ。恋人になろう」
「えっ!?」
驚いた。驚きすぎて、パチパチと瞬きを繰り返していると、クスリと小さく笑い声を零したタツヤが、「じゃぁ、恋人の練習してみて、いけそうだったらで、イイよ」
練習っと、噛みしめても、上手く飲み込めなかった。
タツヤの滞在は二泊三日。明日はデートしようよと、言われたが、デートって何するんだろう。
寝る前に「おやすみ」の挨拶と一緒に髪を撫でられた。ベット横に敷いた客用の布団から寝息が聞こえる。なんか、ドキドキするな。
目をつむり、綺麗な顔を見る。タツヤ、モテそうなのに俺を選んでくれるんだなっと、サイドボードに置いた指輪へ視線を向けた。
翌朝、練習は始まった。買い物でも行こうよっと、近くのショッピングモールへ出かけた。スポーツ用品店中心に冷かして歩く。どことなく距離が近いように感じる。
店の中を歩いていると、すれ違う女の子がタツヤの方を盗み見ること数回。少しだけ、胸が苦しい。今練習してるだけだけど、自分の恋人らしいから。
関係性に名前が付けられると、自分の気持ちも、名づけられた事で意識するのかな。チラリと、横を歩く彼を見ると、周りの見ていた女の子には向けない笑顔を俺に向けてくれる。
「タツヤって、前からかっけぇと思ってたけど、モテるんだな」
「ふふふっ、そんなことないよ。周りからより、大我からモテたい」
柔らかな笑みをこぼすタツヤは、なんかズルいなっと思った。そのタイミングで手を繋がれた。
「恋人だから、周りじゃなくて、こっちに集中して」と、注意を受ける。
ズルい。ズルいが積み重なるけど、嫌いになれない。それから、恥ずかしいのに、ショッピングモールを男二人で手を繋いで歩いた。案外周りは気にしないもんなんだな。
帰りに、食品売り場で、食材を購入し、夕食と風呂を済ませ、寝るまでの少しの時間をテレビを見ながら過ごした。
普段テレビを見る生活をしてないので、興味がわかないでなく、ソファで横並びに座ったタツヤが、手を繋いで来たり、肩にすり寄ってきたりして、なんだか落ち着かない。
「キスしようよ」
「え」
「練習中だろ。はい」と、目を閉じて俺からのアクションを待つ。
「えっ、タツヤからしてくれないの?」
「大我の好きなタイミングでさせてあげようと思ったのに、こっちからしても良いんだ?」
問いに答える前に唇をかすめる柔らかさに、驚く。アレックスがしてくるみたいな物と全く違う。
驚いて、相手を見つめると、「もう一回」と、また柔らかな唇がふれた。
「・・・な、なんか、ドキドキする」
「そ?良かった。意識してくれて嬉しいよ」
「・・・タツヤは俺の憧れで、兄貴みたいな存在。前から、カッコいいけど」
「うん、それで?」
髪を撫でられ、続きを促される。恥ずかしくて、視線が向けられない。黙っていると、
「練習してよかった。これからもドンドン意識させるから」
「・・・」
「兄貴的存在じゃ、満足できないよ」
笑って、惚れさせるから、それまで指輪は大事にしろよっと、言われた。
今夜寝る前に「おやすみ」の挨拶と一緒に髪を撫でられた。
ベット横の客用布団に寝てるタツヤの寝顔を見る。なんか、やっぱドキドキするな。
昨日から同じ所に置きっぱなしの指輪を見て、やっぱり彼は、俺の欲しいものをくれるのかもしれないなっと、考えながら、目を閉じた。
end.
氷火で、ベタベタする二人。
7/26分。
- 指輪 -
新しい指輪をもらった。
子供の時にもらったものと、明らかにグレードの高いものだ。
手の中に納まる、自分には不釣り合いに感じるほど、繊細なラインで表現された一生。
表からは見えない裏側に小さな石がさり気なくはめ込まれてる。相手を連想するような涼しげな透明。きらりと輝いて、眩しく感じ、何度も瞬きをした。
バスケでこじれた関係を、またバスケが直してくれた。どことなく歪なカタチではあるにせよ、只管にタツヤの事が大好きで憧れ。
もう、曖昧な態度をとらなくてもイイ、また兄弟のようになれたと喜んでいた。
タツヤはかっこよくて、最高だな。俺の欲しいものを与えてくれる。
そう思っていたら、指輪をもらった。
鈍感な俺にもわかる。これは、友情や兄弟の証でない存在の指輪。
タツヤが悪戯に買ってくるような性格ではない。
夏休みを利用してコチラに遊びに来るというので、駅で待ち合わせした夕方。俺は部活があるから迎えに行くのは、夕方になりそうだと事前に知らせていたので、カフェで時間をつぶしていたタツヤを見つけた時は、いつも通りに見えた。
帰り道にココ最近あった出来事、主にバスケだが、を、話しながら家に到着した。
疲れたし、日中は運動しなくても暑いだろっと、風呂に入るように勧め、その間に夕食の準備をして、二人で夕食を食べ、泊めてもらうからと皿洗いを買って出てくれた彼に甘えて俺も風呂に入った。
サッパリとした状態でリビングに足を向けると、鞄を整理していたタツヤが、真剣な顔で俺に手渡してくれたのが指輪だった。
「あれ、コレ、高級そうだな」
学生の平均的な財布事情はよくわからないけど、手の中に納まる儚い指輪を眺めた。物をプレゼントされて、金額の事を突っ込むのは失礼だと思いつつも、自分なんかに、こんな高価な贈り物をするなんて考えたこともなかった。
「大我、ちょっと失礼。金額は、考えないでくれ、自分が渡したくて選んだんだ」
「あっ、ご、ごめん。自分なんかに、こんな、高そうなもの貰っちゃって、動揺してるというか・・・」
恋人でもない二人の間に、好きな相手に送るような指輪。ファッションとかでなく、愛の印のような。つるりとした柔らかなカーブなのに、込められた物は強そうだなっと感じた。
「何言ってるの、自分なんかに、じゃなくて、大我だからだよ。恋人になろう」
「えっ!?」
驚いた。驚きすぎて、パチパチと瞬きを繰り返していると、クスリと小さく笑い声を零したタツヤが、「じゃぁ、恋人の練習してみて、いけそうだったらで、イイよ」
練習っと、噛みしめても、上手く飲み込めなかった。
タツヤの滞在は二泊三日。明日はデートしようよと、言われたが、デートって何するんだろう。
寝る前に「おやすみ」の挨拶と一緒に髪を撫でられた。ベット横に敷いた客用の布団から寝息が聞こえる。なんか、ドキドキするな。
目をつむり、綺麗な顔を見る。タツヤ、モテそうなのに俺を選んでくれるんだなっと、サイドボードに置いた指輪へ視線を向けた。
翌朝、練習は始まった。買い物でも行こうよっと、近くのショッピングモールへ出かけた。スポーツ用品店中心に冷かして歩く。どことなく距離が近いように感じる。
店の中を歩いていると、すれ違う女の子がタツヤの方を盗み見ること数回。少しだけ、胸が苦しい。今練習してるだけだけど、自分の恋人らしいから。
関係性に名前が付けられると、自分の気持ちも、名づけられた事で意識するのかな。チラリと、横を歩く彼を見ると、周りの見ていた女の子には向けない笑顔を俺に向けてくれる。
「タツヤって、前からかっけぇと思ってたけど、モテるんだな」
「ふふふっ、そんなことないよ。周りからより、大我からモテたい」
柔らかな笑みをこぼすタツヤは、なんかズルいなっと思った。そのタイミングで手を繋がれた。
「恋人だから、周りじゃなくて、こっちに集中して」と、注意を受ける。
ズルい。ズルいが積み重なるけど、嫌いになれない。それから、恥ずかしいのに、ショッピングモールを男二人で手を繋いで歩いた。案外周りは気にしないもんなんだな。
帰りに、食品売り場で、食材を購入し、夕食と風呂を済ませ、寝るまでの少しの時間をテレビを見ながら過ごした。
普段テレビを見る生活をしてないので、興味がわかないでなく、ソファで横並びに座ったタツヤが、手を繋いで来たり、肩にすり寄ってきたりして、なんだか落ち着かない。
「キスしようよ」
「え」
「練習中だろ。はい」と、目を閉じて俺からのアクションを待つ。
「えっ、タツヤからしてくれないの?」
「大我の好きなタイミングでさせてあげようと思ったのに、こっちからしても良いんだ?」
問いに答える前に唇をかすめる柔らかさに、驚く。アレックスがしてくるみたいな物と全く違う。
驚いて、相手を見つめると、「もう一回」と、また柔らかな唇がふれた。
「・・・な、なんか、ドキドキする」
「そ?良かった。意識してくれて嬉しいよ」
「・・・タツヤは俺の憧れで、兄貴みたいな存在。前から、カッコいいけど」
「うん、それで?」
髪を撫でられ、続きを促される。恥ずかしくて、視線が向けられない。黙っていると、
「練習してよかった。これからもドンドン意識させるから」
「・・・」
「兄貴的存在じゃ、満足できないよ」
笑って、惚れさせるから、それまで指輪は大事にしろよっと、言われた。
今夜寝る前に「おやすみ」の挨拶と一緒に髪を撫でられた。
ベット横の客用布団に寝てるタツヤの寝顔を見る。なんか、やっぱドキドキするな。
昨日から同じ所に置きっぱなしの指輪を見て、やっぱり彼は、俺の欲しいものをくれるのかもしれないなっと、考えながら、目を閉じた。
end.
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