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紫火/食事の後で

一日一火神くん。
紫火で、デザート食べる二人。
7/25分。



- 食事の後 -


紫原が泊まりに来た。本当は、タツヤも一緒に来る予定だったけど、紫原だけ。
タツヤは急に都合がつかなくなって、来れなくなったとの事。夏休み中にキセキのメンバーとプラスしてバスケ好きが集まり、ストバスをする約束で、「室ちん行くって言ってたし、俺も行く」と、発言したらしいが、タツヤが居ない今、何故奴が、俺の家に泊まりに来ているのか、理解に苦しむ。
「明日、朝、ちゃんと起こしてよねぇ」っという発言に、相手は俺のことを、目覚ましと、飯炊きの機会とでも思っているのかもしれない。
あと、集合場所から、俺の家が近いことか・・・?
あまり会話のはずまないなか、とりあえず、出来ることで歓迎してやろうと、「飯は何がイイ?」と、尋ねてみる。
「あー、甘いもの食べたいんだけど、なんか作れる?」
「あ、甘いもの?かぼちゃ甘く煮た奴とかか・・・?」
「違う違う、デザート。ご飯は、それのおまけでイイよ」
「ダメだ、今の時期ちゃんと食事取らないと、夏バテとかするぞ。明日は、また暑いだろうから、ちゃんと食べてもらわないと」
「あー、もう、ご飯はそれなりでイイって、それより、デザートは?」
「あー、なんだろう、ゼリーとか?」
「それも食べたいけど、もうひと押し」
「・・・アイスクレープ」
俺の提案に、パッと顔を上げた紫原は、急にご機嫌に笑い、「イイじゃん、火神のくせに」と、要らん一言まで零した。
別に喧嘩がしたいわけでもないので、文句をぐっと飲み込んで、「じゃぁ、俺今から、夕食作るから、ちょっと、アイス買ってきてくれよ」と、返す。
「いいよぉー、暑いけど、アイスクレープのためぇ」
ご機嫌に語尾を伸ばし、財布と、折りたたんだマイバックを持たせた。保冷のある小ぶりのバックだ。保冷剤も一緒に入れて。
「チョコソースと、バナバは家にあるから、アイス・・・そうだな、二つぐらいカップのやつ」
俺の言葉を聞いているのか、いないのか、「んーっ」と、間延びした返事をして、靴をひっかけて買い物に行ってくれた。

とりあえず、紫原が出て行ったので、普段とは違うが、ぶどうのジュースで簡単にゼリーを作り、透明の器に液を注ぎラップして、冷凍庫に入れた。
次に日常と同じように夕食を作る。簡単に炒め物と、汁物、炊いた飯に、焼き魚は・・・食べるの面倒くさいと買いそうだから、ささみを茹でてサラダの上にたっぷり乗せたものを作った。
とにかく、手早く作ったので、スーパーからそろそろ戻ってきてもいい頃かなっと、チラリと時計を見たタイミングで、インターホンが鳴る。
「はいはい」と返事をすると、「暑いから早く中に入れて」と、言われるまま玄関へ招き入れる。
「おかえり、ありがとな」
「うー、夕方なのに、地獄のような暑さだったよぉ」
「おい、買い物多くないか!?」
小さな保冷バックに、ぎゅうぎゅうに4つもアイスが入っていた。2つは言われた通りカップアイス。もう2つは、もなかアイスと、パピコ。
「うるさいなぁ~、大丈夫だって、カップアイスと、もなかは僕が食べるし、パピコは半分上げてもイイよ」
「全部お前のかよ」
「うそうそ、半分こでイイよ。アイスクレープ、ゼリーも待ってるし」
「・・・・でも、飯食ってからだからな」
「わかってるって」
「キッチリ食べてもらわないと困る。タツヤに言いつけるぞ」
「わっ、マジぃ・・・室ちん怒ると怖いんだよね、お菓子控えろって、今回も荷物に入れてるの目ざとく見つけるし」
「デザートはいいのか?」
「デザートは食事の仲間だよ」
「・・・わかった、とりあえず、飯食え」
「はーい」と、聞き分けの良さそうな返事に、食卓へ着かせる。
グラスにお茶を注ぎ、よそった飯と汁物を並べて、お箸を手渡す。
「火神、料理できるんだ」
「まぁ、それなりに、一人暮らししてるし、体調崩したら面倒見れないからな」
「ふーん、そ。ま、いっただきまーす」

キッチリと、食べきり、「よく食べた」と、腹を撫でる紫原に、「デザートはやめとくか?」
「何言ってるの、別腹!」
別腹を強調するように、一語ずつ区切って言われたので、相当食べたいらしい。
クレープの種を熱してバターの引いたフライパンに垂らす。薄く延ばして、すぐに焼けた皮を皿に乗せた。2皿分焼き、冷蔵庫に入れてる間に、バナナを斜めにスライスし、チョコソースとアイスを取り出した。カップアイスの容器を掌で少し温めて溶かす。
皮の乗った皿を取り出し、バニラアイスとバナナを載せて、チョコソースをトロリとかけた。
布団をかけるように、ぱたんと畳んだだけの、簡単アイスクレープ。
「紫原~」っと、呼ぶと、キッチンに来てくれたので、スプーンと一緒に手渡した。
自分の分も用意し、短時間だが冷凍庫に入れていたからゼリーも固まっていたので、それも一緒に食卓に持って行く。
もうすでに、半分以上減っている紫原の前に、ゼリーを置いてやる。
「おいしぃ~。火神のくせに美味しいよ」っと、言うので、
「一言多いよ」っと、言い自分も冷えたデザートを口に入れた。




end.

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