青火/花火
一日一火神くん。
青火で、花火見に行く二人。
7/21分。
- 花火 -
「火神くん、青峰君と花火見に行くらしいですね」
なんでこいつが、俺と青峰の行くところを知ってるんだろう?と、考えて、言葉が出てこなかった。
部活に向かう途中の道で黒子を見かけたから「おはよう」と、声をかけて、挨拶の返事でなく、開口一番に言われた。
「あー、まぁ、花火行くよ。今夜××で祭りあるだろ。本当は暑いし、露天の飯って祭りって感じで美味しいけど、ちょっと高いから沢山食べれないから、俺ん家で飯食ってから行く」
なんで知ってんだ?っと、一緒に疑問も投げると、黒子は「僕には優秀な情報口がありましてね。それに、浮かれた青峰君からも直接言われました。”今夜は花火の前に火神ん家で飯食ってから行くから、バスケしたいって、ダダ捏ねても家に帰すように”と」
「なんだ、直接聞いたんなら、わざわざ俺に聞かなくても」
「いえ、僕は、君に一言言っておこうと思いまして」
「・・・?なんだよ?」
海外と日本で花火の作法でも違いがあるのだろうか?打ち上げられた花火を見てキレイって、感じるぐらいしか花火の楽しみ方は知らない。首をかしげて、黒子との次の言葉を待つ。
「オオカミには気をつけろ、ですよ」
「は?オオカミ?」
「・・・君に例えは通じませんでしたかね。直球で言うなら、帰り道の青峰君ですよ。送り狼ってやつです」
「花火終ったら青峰も俺ん家に帰るんだけど?」
「じゃぁ、帰り狼でイイです。君は、オオカミ青峰を家に招くということを十分に注意してくださいね」
黒子の言うことは、時々すごく難しい。俺は、オオカミ・・・・っと、重々しく口にし、言われたことをよくわからないなりに呑みこんでみた。
青峰って、オオカミだったんだな。どうやったら人間がオオカミになれるんだろうなぁ。っと、考えても答えは出てこないし、今夜本人に聞いてみればいいかっと、俺は、すぐに、今からやる部活の事に頭を切り替えた。
夕方になり、青峰も部活を終え、いったん家に帰り、着替え等を済ませた後に、俺の家にやってきた。慣れたもので、迎え入れた俺の家の住人みたいに、普通に手洗いうがいをして、キッチンにやってきた。
「旨そうな匂い・・・今日、何食わしてくれんの?」と、俺の肩越しに、火にかけている鍋の中を覗いてくる。「夏野菜のスープと、焼きそば。お祭りで食べれないから、祭りっぽいの食べようと思って、焼きそばだぞ。あと、サラダ冷蔵庫に冷えてるから持ってって。お茶も。」
「へいへい」と、俺の指示通りに、青峰がキッチンとリビングを行き来する。よそったスープ皿も持って行き、最後に俺が焼きそばを持って、リビングへ。
指示の無いグラスや、箸もキチッと並んでいる。「ありがとな」「ん、」と、やり取りをして、ご飯を食べる。
「おかわり有るぞ」と、言えば、「ん、おかわり」と、皿が寄せられるので、「暑さで食欲とかやられてないな、よしよし」と、言うと「親か!」と、言われた。
俺の飯をうまいうまいと食べてくれる姿は、とても嬉しいし、誰かと一緒に食べるのも楽しい。うまいなっと、焼きそばを口に入れた時に、黒子の言葉を思い出した。ごくりと飲み込んでから、
「なぁ、お前ってオオカミになれんの?」
それとも、オオカミの物まねが得意とか??、遠吠えを真似る青峰を想像する。まぁ、野性っぽい雰囲気のこいつには似合ってるかも。
「は?なれるわけねぇだろ。俺は人間だぞ」
「だよな。そうだよなぁー」
頭の中に、まだ、あおーんっと、遠吠えをする青峰が居るが、おかしな考えに自分でも笑ってしまう。だよなぁっと、話題はすぐに別のものに変わっていった。
食事が終わり、片付けも終わったので、そろそろ祭りへ向かうかっということになった。陽は落ち着いて、日差しも少しだけ暑さを緩めたころ、サンダルをひっかけて近くの祭りへ歩く。
自然と、「今日も暑かったなぁー」っと、先ほどまでクーラーのついた部屋に居たのを恋しく思った。
青峰も首に掛けたタオルで汗をぬぐいながら、「夏だしな。ついたら冷たいものでも買おうぜ。それぐらいは入るだろ?」
「バカだな。入るに決まってる。逆にお前の方が、入んないんじゃねぇの?焼きそばメチャクチャ食ってたし」
「大丈夫だよ、別腹、別腹。なんなら、焼きとうもろこしとか食いたいけど、そんな小遣いもないしなぁ」
尻ポケットに入っている財布の中身を考えると、確かにっと、思った。夕食を食べてきたので、飯分は浮いたとしても、色々買い食いしていたら、なかなか高くつく。
「まぁ、冷たいの食べて、綺麗な花火見てクーラーある部屋に帰ろうぜ」
「だなー」
会場に到着し、かき氷を買った。赤色と青色の。食べながら、花火を見る場所を探す、暑いから溶けるのも早い。このあたりかなっと、腰を下ろし、プラスチックの容器の中を見ると、結構溶けてしまっていた。慌てて食べると、頭が痛く、しかめられた顔にお互いに笑い合って、涼んだところで花火がドーンっと打ちあがった。
夜空にパッと明るく咲く火の花。周りの観客も、キレイー!っと、空を見上げる。
「キレイだな」っと、横目に見ると、何故か、俺を見ていた青峰と目が合う。
「花火見ろよ」
「バカ、お前なんか見てないわ」
「へー」っと、返して、次々に上がる花火を見上げた。
派手に打ちあがった花火も、儚く消えていき、最後の花火がゆらゆらと消えて行った。
「終わったなぁ」と、周りも一斉にぞろぞろと、再度出店の方へ向かうもの、帰り道をたどるものと道がごった返し、波に乗るように、俺たちは帰り道へと、足を向けた。
「キレイだったな」ポツリと、青峰が言った。
「おう」
「来年は、浴衣とか着て来いよ」
「面倒だし、着かたもわかんねぇ」
「俺も」
歩いていくうちに、まばらに人が減っていき、もう、角を曲がれば俺の家の所に来たところで、引き留められた。
「青峰?」と、声をかけ、どうしたんだ?と、声をかけると、「目、つぶって」と言われたので、目をつぶると、近づく気配に、キスされるのかなっと、考えていると、汗をかいた前髪にされた。
いくら待っても、唇にされることはなく。
「えっ」と、思い、目を開けると、俺の手を握ったまま、ひどく照れている青峰を目にした。ウソだろこの流れで。そう思って、自分の手を握ったままの青峰を、手を引いて引き寄せ、空いた手で青峰の顔を固定し、チュッと、唇のキスを落としてやった。
「なっ!?」っと、驚いて状況が読めていない青峰が、目を真ん丸にあけて、呆けている。遅れて照れ始めた。今ここが明るい場所だったら、赤くなった顔が見えたのかなぁっと、考えて、「家に帰ろう。シャワー浴びたい」と、言った。
「えっ、えっ、しゃ、シャワー?!」
「お前も汗かいただろ」
あわあわと、変に照れている青峰を引っ張り、家に帰った。
翌日、また部活へ行く途中で黒子にあった。
「おはよ、黒子!」
「おはようございます、昨日は大丈夫でしたか?」と、聞かれたので、
「花火見て、でこにキスされたから、口にキスしてやった」
「そうですか、無事で何よりです。しかし、オオカミどころか、子犬でしたか」
「へー、青峰、子犬にはなれんのか?オオカミは無理って言ってたけど」
「・・・・いえ、大丈夫です。オオカミとか子犬とかは無視していただいて」
「・・・?そうか?」
「それより、今日も部活暑そうですね、水分しっかり取らなくちゃ、ですね」
「だな、頑張ろうぜ」っと、黒子と、手を合わせた。
end.
初心峰
青火で、花火見に行く二人。
7/21分。
- 花火 -
「火神くん、青峰君と花火見に行くらしいですね」
なんでこいつが、俺と青峰の行くところを知ってるんだろう?と、考えて、言葉が出てこなかった。
部活に向かう途中の道で黒子を見かけたから「おはよう」と、声をかけて、挨拶の返事でなく、開口一番に言われた。
「あー、まぁ、花火行くよ。今夜××で祭りあるだろ。本当は暑いし、露天の飯って祭りって感じで美味しいけど、ちょっと高いから沢山食べれないから、俺ん家で飯食ってから行く」
なんで知ってんだ?っと、一緒に疑問も投げると、黒子は「僕には優秀な情報口がありましてね。それに、浮かれた青峰君からも直接言われました。”今夜は花火の前に火神ん家で飯食ってから行くから、バスケしたいって、ダダ捏ねても家に帰すように”と」
「なんだ、直接聞いたんなら、わざわざ俺に聞かなくても」
「いえ、僕は、君に一言言っておこうと思いまして」
「・・・?なんだよ?」
海外と日本で花火の作法でも違いがあるのだろうか?打ち上げられた花火を見てキレイって、感じるぐらいしか花火の楽しみ方は知らない。首をかしげて、黒子との次の言葉を待つ。
「オオカミには気をつけろ、ですよ」
「は?オオカミ?」
「・・・君に例えは通じませんでしたかね。直球で言うなら、帰り道の青峰君ですよ。送り狼ってやつです」
「花火終ったら青峰も俺ん家に帰るんだけど?」
「じゃぁ、帰り狼でイイです。君は、オオカミ青峰を家に招くということを十分に注意してくださいね」
黒子の言うことは、時々すごく難しい。俺は、オオカミ・・・・っと、重々しく口にし、言われたことをよくわからないなりに呑みこんでみた。
青峰って、オオカミだったんだな。どうやったら人間がオオカミになれるんだろうなぁ。っと、考えても答えは出てこないし、今夜本人に聞いてみればいいかっと、俺は、すぐに、今からやる部活の事に頭を切り替えた。
夕方になり、青峰も部活を終え、いったん家に帰り、着替え等を済ませた後に、俺の家にやってきた。慣れたもので、迎え入れた俺の家の住人みたいに、普通に手洗いうがいをして、キッチンにやってきた。
「旨そうな匂い・・・今日、何食わしてくれんの?」と、俺の肩越しに、火にかけている鍋の中を覗いてくる。「夏野菜のスープと、焼きそば。お祭りで食べれないから、祭りっぽいの食べようと思って、焼きそばだぞ。あと、サラダ冷蔵庫に冷えてるから持ってって。お茶も。」
「へいへい」と、俺の指示通りに、青峰がキッチンとリビングを行き来する。よそったスープ皿も持って行き、最後に俺が焼きそばを持って、リビングへ。
指示の無いグラスや、箸もキチッと並んでいる。「ありがとな」「ん、」と、やり取りをして、ご飯を食べる。
「おかわり有るぞ」と、言えば、「ん、おかわり」と、皿が寄せられるので、「暑さで食欲とかやられてないな、よしよし」と、言うと「親か!」と、言われた。
俺の飯をうまいうまいと食べてくれる姿は、とても嬉しいし、誰かと一緒に食べるのも楽しい。うまいなっと、焼きそばを口に入れた時に、黒子の言葉を思い出した。ごくりと飲み込んでから、
「なぁ、お前ってオオカミになれんの?」
それとも、オオカミの物まねが得意とか??、遠吠えを真似る青峰を想像する。まぁ、野性っぽい雰囲気のこいつには似合ってるかも。
「は?なれるわけねぇだろ。俺は人間だぞ」
「だよな。そうだよなぁー」
頭の中に、まだ、あおーんっと、遠吠えをする青峰が居るが、おかしな考えに自分でも笑ってしまう。だよなぁっと、話題はすぐに別のものに変わっていった。
食事が終わり、片付けも終わったので、そろそろ祭りへ向かうかっということになった。陽は落ち着いて、日差しも少しだけ暑さを緩めたころ、サンダルをひっかけて近くの祭りへ歩く。
自然と、「今日も暑かったなぁー」っと、先ほどまでクーラーのついた部屋に居たのを恋しく思った。
青峰も首に掛けたタオルで汗をぬぐいながら、「夏だしな。ついたら冷たいものでも買おうぜ。それぐらいは入るだろ?」
「バカだな。入るに決まってる。逆にお前の方が、入んないんじゃねぇの?焼きそばメチャクチャ食ってたし」
「大丈夫だよ、別腹、別腹。なんなら、焼きとうもろこしとか食いたいけど、そんな小遣いもないしなぁ」
尻ポケットに入っている財布の中身を考えると、確かにっと、思った。夕食を食べてきたので、飯分は浮いたとしても、色々買い食いしていたら、なかなか高くつく。
「まぁ、冷たいの食べて、綺麗な花火見てクーラーある部屋に帰ろうぜ」
「だなー」
会場に到着し、かき氷を買った。赤色と青色の。食べながら、花火を見る場所を探す、暑いから溶けるのも早い。このあたりかなっと、腰を下ろし、プラスチックの容器の中を見ると、結構溶けてしまっていた。慌てて食べると、頭が痛く、しかめられた顔にお互いに笑い合って、涼んだところで花火がドーンっと打ちあがった。
夜空にパッと明るく咲く火の花。周りの観客も、キレイー!っと、空を見上げる。
「キレイだな」っと、横目に見ると、何故か、俺を見ていた青峰と目が合う。
「花火見ろよ」
「バカ、お前なんか見てないわ」
「へー」っと、返して、次々に上がる花火を見上げた。
派手に打ちあがった花火も、儚く消えていき、最後の花火がゆらゆらと消えて行った。
「終わったなぁ」と、周りも一斉にぞろぞろと、再度出店の方へ向かうもの、帰り道をたどるものと道がごった返し、波に乗るように、俺たちは帰り道へと、足を向けた。
「キレイだったな」ポツリと、青峰が言った。
「おう」
「来年は、浴衣とか着て来いよ」
「面倒だし、着かたもわかんねぇ」
「俺も」
歩いていくうちに、まばらに人が減っていき、もう、角を曲がれば俺の家の所に来たところで、引き留められた。
「青峰?」と、声をかけ、どうしたんだ?と、声をかけると、「目、つぶって」と言われたので、目をつぶると、近づく気配に、キスされるのかなっと、考えていると、汗をかいた前髪にされた。
いくら待っても、唇にされることはなく。
「えっ」と、思い、目を開けると、俺の手を握ったまま、ひどく照れている青峰を目にした。ウソだろこの流れで。そう思って、自分の手を握ったままの青峰を、手を引いて引き寄せ、空いた手で青峰の顔を固定し、チュッと、唇のキスを落としてやった。
「なっ!?」っと、驚いて状況が読めていない青峰が、目を真ん丸にあけて、呆けている。遅れて照れ始めた。今ここが明るい場所だったら、赤くなった顔が見えたのかなぁっと、考えて、「家に帰ろう。シャワー浴びたい」と、言った。
「えっ、えっ、しゃ、シャワー?!」
「お前も汗かいただろ」
あわあわと、変に照れている青峰を引っ張り、家に帰った。
翌日、また部活へ行く途中で黒子にあった。
「おはよ、黒子!」
「おはようございます、昨日は大丈夫でしたか?」と、聞かれたので、
「花火見て、でこにキスされたから、口にキスしてやった」
「そうですか、無事で何よりです。しかし、オオカミどころか、子犬でしたか」
「へー、青峰、子犬にはなれんのか?オオカミは無理って言ってたけど」
「・・・・いえ、大丈夫です。オオカミとか子犬とかは無視していただいて」
「・・・?そうか?」
「それより、今日も部活暑そうですね、水分しっかり取らなくちゃ、ですね」
「だな、頑張ろうぜ」っと、黒子と、手を合わせた。
end.
初心峰
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