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緑火/避暑地

一日一火神くん。
緑火で、避暑地に行く二人。
場所名は書いてませんが、土地の感覚とかないので、自分の行ったことのあるところです。
7/20分。




- 避暑地 -


緑間が暑すぎるのだよっと、電話をしてきた。
『明日、朝6時10分に××駅集合なのだよ』
急な約束の取付け方に、驚いた。折角の夏休みに入ったというのに、連日の猛暑で、部活は休みが続く。涼しい室内で筋トレぐらいしかできない。ストバスなんて行っても、熱中症で倒れてしまいそうだし、とても怖い状態。
体調を悪くして長くバスケが出来ないことや、自分でもこんな暑い中に集中して運動すればぶっ倒れるだろうことは、容易に想像がついた。
そろそろ、身体も鈍ってくるだろうなぁっと、考えているところに、恋人である緑間からの電話だった。

俺たちは、付き合っている割に、お互いに一番はバスケという考えで、あまり恋人らしい時間はそう過ごしていない。一緒に居る時も殆どが、他の連中を交えてのバスケの時間が多い。
そもそも、恋人とはどういったものなのか、俺には想像もつかないし、緑間からの告白も「お前のことが気になってムカつくのだよ」っと、喧嘩したいのか?っと思うような言葉で、最初は告白とは思ってもみなかったぐらいだ。
とりあえずは、俺も、ストイックな緑間の事が、好きだし、もともと、物静かで落ち着きがあり、一緒に居て楽なので、一緒に過ごすの気に入ってる。何より、顔もキレイだ。
黒子に言われたけど、俺は結構面食いらしい。
「氷室さんも、アレックスさんも顔立ちがとてもキレイですよね。君、面食いですよね」
「・・・?そうか?おれ、お前の顔も好きだぜ?」
「・・・っ、火神くん、君って人は・・・」
頬を少し染めて、ジロリと見あげられた顔は、綺麗だった。
「黒子って、目が真ん丸だし、イケメンじゃね?」
「・・・・そうですか、ありがとうございます。緑間君も大変でしょうね」
はぁっと、ワザとらしく溜息をついてみせた黒子に、俺は一言も緑間と恋人になったなんて報告してないのに、こいつには何故かバレていた。そして、旧来からの友人である緑間をたいそう憐れんで、俺によくわからない忠告をした。

「緑間君の顔を褒めない事」

なんでだろうなぁ・・・。忠告を受けてから初めて緑間と顔を合わせる。
ほぼ始発の電車に乗り、約束の場所をめざし、俺は電車に乗っている。電話が切れた後、注意事項と持ち物の書いたメールが届いたので、俺は、いそいそと、準備をし、風呂に入りストレッチをし、明日の早起きの為に、すぐに眠りについた。
目覚ましの鳴る時間に、キッチリ眼を覚まし、朝ごはんもしっかりと食べて、緑間に言われた通りに、キャップをかぶり、靴を履いて家を出た。
この所、バスケの時以外は、暑いのでサンダルで出歩くことが多かったので、靴と指定しているということは、歩き回るか、何か運動みたいなことが予定されているのかもしれない。
背負ったリュックの中には、連絡された通り、タオルと、着替えも入っていたので、何があるかわからないが、とても楽しみだ。久々に緑間の顔も見れる事だ。朝早く眠いよりも、ワクワクが勝って、俺の足取りは軽い。
早朝なのに、すでに日差しは熱く、汗をかいていても、気にならない。
時間より、少し早く集合場所についたが、緑間は既に待っていた。
「おはよう、待たせたか?わりぃ」と、声をかけると、「いや、時間通りだ。行くぞ」と、歩き始めたので、遅れないように後を付いていく。
迷いなく進んでいく緑間も、小ぶりのリュックを背負い、日除けの帽子をかぶっている。
普段あまり乗らないホームへの改札で、先に手配してあったのか、財布から硬い切符を取り出し、手渡された。
「今日も熱いな、どこ行くんだ?」
チケットの上部には、向かう先の駅名が書いてあるが、見たことのない所だった。得と印刷されているので、セット割りみたいな感じかな?っと考えていると、「往復分と、向こうでのバス料金がセットになっているから、無くさずに管理するのだよ」
「わぁってるよ、チケットありがとな。あとでお金払う」
「行くのだよ」
スッと、改札をくぐり、ホームを下りていくと、ちょうど乗る電車が停車していた。この駅がスタートだと教えてくれて、早朝と言うこともあるのか、夏休みにしては人もまばらで、椅子も空いていたので、二人並んで座ることができた。
隣り合ったお互いのあいた距離感。
「今から、一時間半ほど電車に乗って、乗り換えをして、そのあと、バスに乗って目的地に着く。お前は寝ていてもいいぞ」
と、言われた。「お前は行ったことあるのか?」と、問うと、「ないのだよ」と、返ってきた。
ふーんっと、返事をしたら、ちょうど、電車が動き出し、揺られ揺られ、外の景色を見たり、外を見るふりをして緑間の顔を盗み見た。もともと、お互い口数の多い方じゃないので、黙って電車での時間を過ごした。途中の駅で人が乗り込んできて、椅子が埋まってきたので、初め開いていた距離感が埋まったのには、少しドキドキした。
「もう少しこっちへ来るのだよ」と、引き寄せられて、ぶつかる肩が冷房が効いている車内で少し熱く感じた。

目的の駅で乗り換えをして、バスに乗ってと、順調に進んでいく。全く見たことのない駅名と、周りの風景。緑が多く、家よりも気の方が多いようだ。同じ所へ向かう人たちも、同じような格好をしている。
持ってきたペットボトルのお茶を飲み、車内から出た時の熱風と、移動中に上がった日差しが暑く肌を焼く。でも、都会よりは、暑くないように感じる。バスに乗っている間、目的地の紹介がされる。どうやら滝がある所らしい。
バス停で、ぞろぞろと人がおり、数件のお土産屋と、食事処、それから、奥に宿泊施設が一軒と、他は自然ばかりの所、子供が遊べる自然教室なんかもあると、看板が立ててある。年期が入っていて色あせた看板や、旗が立っている。
緑間は、帰りのバスの時間を見て、「15時には戻りのバス乗るぞ」と、教えてくれた。
日差しが茂った葉で仄かにやさしく、日陰も多い。何より、横に流れる川があるせいか、涼しく感じる。ハイキングして風景を楽しみながらいくつもの滝を見て、マイナスイオンを浴びる人気の場所らしい。
バス停から10分ほど歩くと土産屋の横でサツマイモのタイヤキみたいなものを販売していたので、上る前に軽く腹に入れ、入山料を払う。入口にこの川に生息するオオサンショウウオのちょっとした施設があり、水の中にゆったりと動くそいつ等を見た。
水槽を覗き込みながら「何処に目がついてんのかわかんねぇな」と、言うと、笑われた。
案内板を見て、水分は多くとるように言われて、歩き出す。
整備された道の横に川が流れていて、大小のさまざまな滝を見る。もはや滝なのか?っと思うような小さなものもあったが、どれも、キラキラと綺麗で、涼しい。30分も歩いてないが幾つも滝を見て、特に大きな滝で足を止めて涼む。何人かも足を止めて涼んでいる。
見上げていると、水しぶきがかかったと、緑間がメガネをふいている。横に並んでみていた俺は、「お前顔綺麗だよな」と、声に出していた。
少しムッとした表情が俺を見る。「見るな」と、大きな手が顔を覆うように伸ばされて、実際ボールみたいに掴まれた。照れている顔も見たいのに。それと、いくら涼しいとはいえ、汗をかいているのを掴まれている。「やめろよ」と、払いのけると、「行くぞ」と、歩き出す。
もっと、顔が見たいなぁっと、思いながら、目の前の背中を見る。

沢山の人と擦れ違い挨拶をして登って行く。途中、休憩所で、持ってきたおにぎりを食べる。ゴミをキッチリカバンに詰めて、脇に設置された川の水が出る水道で顔を洗う。とても冷たくて気持ちいい。
また眼鏡を外し、タオルで顔をふいている緑間を見る。水分もこまめに取り、風景を楽しみながら登って行く。バスケとは違う満足感。登りきったことから達成感。
下るのは、上るときより少し早足になった。基本的にずっと、緑間の背中を見て過ごしたし、会話も少なかった。山を下り、バス停近くの宿泊施設が、泊まらなくても、温泉に入れるらしいので、汗を流しに入った。
眼鏡を外し、目が見えない緑間を先導し、見えないのをイイことに、じっくりと相手の顔を見た。
「やっぱ、いい顔してんな」
「・・・お前は、俺の顔だけが好きなのか?」と、不満なのか、それとも、見えなくて目を細めているからなのか、睨むように俺を見てくるの。
「いや、顔も好きだけど、お前自体好きだぞ」
「・・・そうか」
温泉だからじゃなく、赤くなった顔を隠すように、「熱いのだ、冷たい所に連れていけ」と、伸ばされた手を握り、水ぶろまで誘導した。

とてもイイ夏の思い出が出来た。




end.
ダラダラと、意味なく長くなって、最後駆け足で端折りまくって、変な感じになっちゃいましたが、緑間君の顔が好きな火神くん好きです。
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