黄火/お洒落
一日一火神くん。
黄火で、お買いものデートする二人。
7/19分。
- お洒落 -
火神っちは、持ってるものはイイのに、適当に黒っぽく地味な色の服を選びがちだ。
もっともっと、お洒落をしてほしい。俺の恋人、こんなにも魅力的ですよって、出来る限りのアピールをしていきたい。もっともっと見てほしい。
街を歩いていると、もちろん俺を振り返る人はいるけど、隣に居る彼にだって、振り返っても良いレベルの俺が惚れた人なんだから。
とある情報網から(出所はお察しの通り)、俺は、火神っちが明後日部活の無いフリーの休日という情報を入手したので、早速、電話を入れる。時刻は19時。夏休みに入って一日部活づけだとしても、このぐらいの時間には、家にいるだろう。
コールが続けば続くほど、明後日には会えるんだ!って喜びで胸が幸せで膨らみそうだ。
『もしもし、黄瀬?』
「あっ、もしもし!俺っす。今大丈夫?」
『おう、飯作り終わったところ』
「えー、今日の夕食は?」
『茄子とベーコンのパスタ、サラダと野菜スープ』
「えー、俺も食べたいっす」
『今度な』と、今後のいつか有る話をすると、心がくすぐったい。へへへっと、笑いつつ、『で?用件なに?』
「そだそだ。明後日、お休みなんだって?桃っちが黒子っち誘おうかなって言ってたっす。火神っちもでしょ?!俺と遊ぼうよぉ」
『バスケか?』
「もぉー・・・デートしよ。お買いものデート」
バスケ馬鹿だなぁ。でも、そんな所も可愛くていいっす。真っ直ぐ大好きです!!って感じで。俺もバスケ好きだし、でも、恋人なんだからデートだって、したいでしょ。
OKと返事をもらい、明細は後でまたメールすると、夕食を食べる相手のことを考え、短く切り上げた。約束は取付けた。明後日9時に駅で待ち合わせ楽しみだ。ウキウキと、携帯のスケジュール帳に「デート」と入力し、調子に乗ってハートマークまで付けたぐらいだ。
「楽しみだね」と、絵文字一杯のメールを送ると、「おう」としか、返ってこなかった。温度差ー!っと、思いつつも、それも彼らしい。ニヨニヨ緩む顔を撫でながら、明後日が待ち遠しい。
最後に「デートだからお洒落して来てね」と、送っておいた。
デート当日。約束の時間に集合場所を見れば、すでに彼は来ていた。
普段、無地のTシャツだけだったりするのを考えても、今日はチェックのシャツを上に羽織っている。うーん、もっと華やかな色も彼には会うと思うんだけど、今日も黒っぽい色。季節的にももっと爽やかな色とか良いと思うんだけどなぁ。
「火神っち!」
壁際に立っていた彼に声をかけると、俺の方を見て、ニコッと笑い「黄瀬!時間通りだな」
「待たせちゃいました?」
「いや、今来たとこ」
「そ?・・・じゃぁ、行こっか。俺、この辺よく買い物来るから、火神っちの服一緒に見たい」
「え、俺の服?お前が何か欲しいんじゃねぇの?」
「いいからいいから。ささっ、行きましょ」
とりあえず、学生にも優しい値段設定で、かつ、あまり装飾性はないけど、チャラチャラ着づらいのは好きじゃないだろうしっと、チョイスしたお店に手を引いて連れて行く。
無難だけど、大量生産の無個性なものと違って、やぼったくならないぐらいの所。
一つ二つと手に取り、彼の体に合わせる。バスケ以外では基本無口な彼は、着せ替え人形のように、頼めば頼むだけ試着をしてくれた。背が高いし、筋肉質だから、この色は上に持ってくると重たくなるよなぁっとか、どの色が好き?と、聞いたりしながら。
試着室に服と一緒に押し込んで、出てきた彼は、少し照れている。うわっ、可愛い。店員がやってきて、あれこれ言われると余計に恥ずかしいみたいだったので、僕らだけで大丈夫ですと、断りを入れ、店の端から端まで。
納得のいくものが見つからなければ、次の店へ。途中、「お前は買い物いいのか?」と言われて、こんなにも好きな人を着飾る楽しみをしてるんだから、満足っす。
「大丈夫、めちゃくちゃ楽しいっすよぉ。火神っち、最高のモデルさん」
何軒も梯子し、気に入りの一枚を見つけた。本当は、アレもコレも、似合うものは俺が全部買ってあげたいけど、相手に気を使わせたいわけじゃないし、俺もモデルの仕事してるとしても、一般的な学生。
「ありがとな」と、ショップの袋を掲げて笑う彼に、「どーいたしまして。今度ソレ着てデート行こうね」と、返すと、「そうだな」と、照れながら言ってくれた。
午前中に買い物を終えることができ、お昼どうしようかなっと、考えながらスタート地点の駅の方へ一緒に歩く。すれ違う人が、俺を見て振り返ったりする。
「しっかし、アレっす。俺、火神っちがカッコいいし可愛いから、もっと俺の恋人を見てくれー!自慢だー!って、見せびらかしたい気持ちもあったんすけど、今日、色んな店の試着室でカーテン空けた時に、近くにいた人とか店員さんが、火神っち見て” かっこいー ”とか言ってるの見ると、誇らしくもあり、ムカついちゃって・・・これは俺だけのなんだー!って」
「何恥ずかしいこと考えてんだよ」
「俺も素敵だけど、恋人も素敵ですよって、見せびらかしたい気持ちが昨日まであったんですけど、今は、めちゃくちゃ、火神っちを独り占めしたいっす」
自分で、自分の気持ちの変動にぶぅぶぅ文句を言うと、バカな奴っと、彼が笑う。
「そんなん、俺はお前何時もカッコいいし、歩いてれば女の子が振り返るし、ムカつくって思うよ」
「へっ!?そうなんすか!?えー、可愛い。火神っち、俺は女の子より火神っちが大好きだから、安心して!!!わー、もぉー、そんな可愛くてどうすんの、死んじゃう。ずるい!」
「可愛くないし、ずるくねぇよ」
「ね、今から火神っちの家行って良いっすか?独り占めしたい」
「・・・・別に良いけど・・・」
「やったぁ!お家デートしましょ。そうと決まれば、早く!!」
どさくさに紛れて、彼の手を引っ張る。握った手が、戸惑いつつ握り返されることに、愛しさが募る。どこまで好きになればいいんだよ、全くもぉっと、振り返った彼は、照れて横を向いた。
何それ、やっぱずるいっすよ。家帰ったら抱きしめて、キスする!よし、きまり!早く彼の家に行かなければ、外でも抱きしめてしまいそうだ。
今は、繋いだ手だけで、我慢しなくては。
end.
黄火で、お買いものデートする二人。
7/19分。
- お洒落 -
火神っちは、持ってるものはイイのに、適当に黒っぽく地味な色の服を選びがちだ。
もっともっと、お洒落をしてほしい。俺の恋人、こんなにも魅力的ですよって、出来る限りのアピールをしていきたい。もっともっと見てほしい。
街を歩いていると、もちろん俺を振り返る人はいるけど、隣に居る彼にだって、振り返っても良いレベルの俺が惚れた人なんだから。
とある情報網から(出所はお察しの通り)、俺は、火神っちが明後日部活の無いフリーの休日という情報を入手したので、早速、電話を入れる。時刻は19時。夏休みに入って一日部活づけだとしても、このぐらいの時間には、家にいるだろう。
コールが続けば続くほど、明後日には会えるんだ!って喜びで胸が幸せで膨らみそうだ。
『もしもし、黄瀬?』
「あっ、もしもし!俺っす。今大丈夫?」
『おう、飯作り終わったところ』
「えー、今日の夕食は?」
『茄子とベーコンのパスタ、サラダと野菜スープ』
「えー、俺も食べたいっす」
『今度な』と、今後のいつか有る話をすると、心がくすぐったい。へへへっと、笑いつつ、『で?用件なに?』
「そだそだ。明後日、お休みなんだって?桃っちが黒子っち誘おうかなって言ってたっす。火神っちもでしょ?!俺と遊ぼうよぉ」
『バスケか?』
「もぉー・・・デートしよ。お買いものデート」
バスケ馬鹿だなぁ。でも、そんな所も可愛くていいっす。真っ直ぐ大好きです!!って感じで。俺もバスケ好きだし、でも、恋人なんだからデートだって、したいでしょ。
OKと返事をもらい、明細は後でまたメールすると、夕食を食べる相手のことを考え、短く切り上げた。約束は取付けた。明後日9時に駅で待ち合わせ楽しみだ。ウキウキと、携帯のスケジュール帳に「デート」と入力し、調子に乗ってハートマークまで付けたぐらいだ。
「楽しみだね」と、絵文字一杯のメールを送ると、「おう」としか、返ってこなかった。温度差ー!っと、思いつつも、それも彼らしい。ニヨニヨ緩む顔を撫でながら、明後日が待ち遠しい。
最後に「デートだからお洒落して来てね」と、送っておいた。
デート当日。約束の時間に集合場所を見れば、すでに彼は来ていた。
普段、無地のTシャツだけだったりするのを考えても、今日はチェックのシャツを上に羽織っている。うーん、もっと華やかな色も彼には会うと思うんだけど、今日も黒っぽい色。季節的にももっと爽やかな色とか良いと思うんだけどなぁ。
「火神っち!」
壁際に立っていた彼に声をかけると、俺の方を見て、ニコッと笑い「黄瀬!時間通りだな」
「待たせちゃいました?」
「いや、今来たとこ」
「そ?・・・じゃぁ、行こっか。俺、この辺よく買い物来るから、火神っちの服一緒に見たい」
「え、俺の服?お前が何か欲しいんじゃねぇの?」
「いいからいいから。ささっ、行きましょ」
とりあえず、学生にも優しい値段設定で、かつ、あまり装飾性はないけど、チャラチャラ着づらいのは好きじゃないだろうしっと、チョイスしたお店に手を引いて連れて行く。
無難だけど、大量生産の無個性なものと違って、やぼったくならないぐらいの所。
一つ二つと手に取り、彼の体に合わせる。バスケ以外では基本無口な彼は、着せ替え人形のように、頼めば頼むだけ試着をしてくれた。背が高いし、筋肉質だから、この色は上に持ってくると重たくなるよなぁっとか、どの色が好き?と、聞いたりしながら。
試着室に服と一緒に押し込んで、出てきた彼は、少し照れている。うわっ、可愛い。店員がやってきて、あれこれ言われると余計に恥ずかしいみたいだったので、僕らだけで大丈夫ですと、断りを入れ、店の端から端まで。
納得のいくものが見つからなければ、次の店へ。途中、「お前は買い物いいのか?」と言われて、こんなにも好きな人を着飾る楽しみをしてるんだから、満足っす。
「大丈夫、めちゃくちゃ楽しいっすよぉ。火神っち、最高のモデルさん」
何軒も梯子し、気に入りの一枚を見つけた。本当は、アレもコレも、似合うものは俺が全部買ってあげたいけど、相手に気を使わせたいわけじゃないし、俺もモデルの仕事してるとしても、一般的な学生。
「ありがとな」と、ショップの袋を掲げて笑う彼に、「どーいたしまして。今度ソレ着てデート行こうね」と、返すと、「そうだな」と、照れながら言ってくれた。
午前中に買い物を終えることができ、お昼どうしようかなっと、考えながらスタート地点の駅の方へ一緒に歩く。すれ違う人が、俺を見て振り返ったりする。
「しっかし、アレっす。俺、火神っちがカッコいいし可愛いから、もっと俺の恋人を見てくれー!自慢だー!って、見せびらかしたい気持ちもあったんすけど、今日、色んな店の試着室でカーテン空けた時に、近くにいた人とか店員さんが、火神っち見て” かっこいー ”とか言ってるの見ると、誇らしくもあり、ムカついちゃって・・・これは俺だけのなんだー!って」
「何恥ずかしいこと考えてんだよ」
「俺も素敵だけど、恋人も素敵ですよって、見せびらかしたい気持ちが昨日まであったんですけど、今は、めちゃくちゃ、火神っちを独り占めしたいっす」
自分で、自分の気持ちの変動にぶぅぶぅ文句を言うと、バカな奴っと、彼が笑う。
「そんなん、俺はお前何時もカッコいいし、歩いてれば女の子が振り返るし、ムカつくって思うよ」
「へっ!?そうなんすか!?えー、可愛い。火神っち、俺は女の子より火神っちが大好きだから、安心して!!!わー、もぉー、そんな可愛くてどうすんの、死んじゃう。ずるい!」
「可愛くないし、ずるくねぇよ」
「ね、今から火神っちの家行って良いっすか?独り占めしたい」
「・・・・別に良いけど・・・」
「やったぁ!お家デートしましょ。そうと決まれば、早く!!」
どさくさに紛れて、彼の手を引っ張る。握った手が、戸惑いつつ握り返されることに、愛しさが募る。どこまで好きになればいいんだよ、全くもぉっと、振り返った彼は、照れて横を向いた。
何それ、やっぱずるいっすよ。家帰ったら抱きしめて、キスする!よし、きまり!早く彼の家に行かなければ、外でも抱きしめてしまいそうだ。
今は、繋いだ手だけで、我慢しなくては。
end.
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