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全力で日吉君にT-E-N-G-A(オナホ)をプレゼントするだけの話



- 奥手跡部さんと鈍感純情天然日吉くんの場合 -(両片想い中)

忍足が得意げに｢コレ使い｣っと無造作に段ボール向きだしの小箱を寄越した
部室には委員会で遅くなった俺たち二人しかいない
｢何入ってんだ？｣
｢ちょ、待ちぃ!｣
箱を開けようと橋のベロに指をかけたら手首を捕まれた
なんなんだよ？っと視線を向けると忍足が大袈裟に指を振った
わざとらしく｢ちっ、ちっ、ちっ｣なんて付けて
｢けーちゃん、早い男は嫌われるで？｣
ニヤリとヤラシイ笑顔を浮かべ、なかなか先を言おうとしないので睨みを利かせた
｢怒らんでもえぇやん、俺からのプレゼントやのに……｣
｢いいから、なんなんだコレは？引き延ばしてしょうもない物だったら本気で怒るからな｣
言うと笑みを深めて内緒話をするように耳に近づいてきた
｢それ、テンガや｣
｢……………オナホかよ｣
ため息をつき手の中の箱をみた
｢で？これで夜な夜な気持ちよくなれって？てめぇに下の世話を頼んだ覚えはないんだが？｣
｢違っうて、それ、ひよちゃんにプレゼントしぃ｣
｢………なんで｣
益々わからない、忍足は何をたくらんでいるんだ？
｢また怖い顔してるって…騙された思って渡してみぃ!………すごく疑いの眼差し、けーちゃん、自分泣いてまう｣

なんだかんだと忍足に丸め込まれた
何度も｢けーちゃん｣と呼ばれる度に気持ち悪くて鳥肌が立った
それと、アダルトショップに身分証明無しに買い物に行けるのは、年齢詐欺にもほどがある……
でも、言わないのが、仮にも友達ってもんだ
考えながら帰り道、日吉と二人きりになった
最近、レギュラーメンバーが気を使ってくれてる気がするのは自分の考えすぎだろうか？
肩に鞄をかけ、隣の日吉に目線を向ける
元から口数の多くないこいつは黙って俺についてくる
｢なぁ日吉、コレやるよ｣
そういって、数時間前に忍足から半ば押しつけられた箱を手渡した
｢何ですか、コレ？｣
明細のシールなど貼られていない箱を角度を変えみて｢開けてイイですか？｣と言うので頷いた
箱を開け中のビニールとエアークッションに包まれた赤白の縞模様のソレ
口には出さないが、何コレ？っと訝しげな表情
そっと、｢オナホ｣っと耳打ちしてやる
｢……オナ、ホ？｣
未だピンと来ないみたいなので周りに誰もいなかった(しかもまだ学園内)ので、自分の股間にナニを握るような素振りをし、
｢オナニーホール｣っと名称を縮めずに小声で教えた
｢お、なにー……………っ!?｣
日吉は理解したとたん顔を真っ赤にして箱を手からこぼしてしまった
足下に視線が自然と行き、日吉を視界に戻すと｢あっ｣と声が出た
恥ずかしさが振り切ったのか半泣きの彼がぎゅっと唇を噛んでたっていた
｢ひよし？｣
｢跡部さんはソレ、使ってるんですか？｣
名前を呼ぶと弾かれたように潤んだ目が俺の方を見、小さい声で言った
｢え？｣
｢ソレで抜いたりするんですか？｣
小さい声なのに語尾がより小さくなっていく、俯いてしまった日吉
本当は彼の痴態を想像して抜いてるなんてバカ正直に言えない
自分も少し頬が熱くなった
｢……使わない｣
返答を聞き、明らかにほっとした息をついた彼を見た
｢日吉、意地悪して悪かった｣
自分がしたことは世間一般で言う所のセクハラなんじゃ…忍足に唆されるままに、こんな物渡すなんて……
一人モヤモヤ考えていると日吉は｢良かった｣っと安堵の言葉を吐いた
｢え？｣っと二人の声が重なり、顔を数秒見合わせ日吉は逃げるように走り去ってしまった



end.
ごめんなさい、わかりづらいですよね!
補足で説明しますと、二人両片思い中で、日吉はオナホを渡されて｢跡部さんはやっぱり女性がイイのかな｣なんて考えちゃう日吉くん
跡部さんの｢使わない｣発言に少しだけ希望を持って安心して｢良かった｣って本心だだ漏れ(爆)
んで、その発言に跡部さん軽く期待………って、
話が書きたかったのです
忍足さんは両思いなのに進展しない二人をアシストしたつもりです

当初考えてたときは｢お前以外でヌかない｣発言を跡部様に男前にしてもらい、
ぎゅっと抱きしめて恋が始まるっての考えてた
なんつー、トンデモ設定(爆笑)