跡日/飲酒
跡日、未来設定です。
苦手な人はスルーしてください。
日吉くん一人暮らし21歳、跡部さん22歳。
跡部さん留学設定で、夏休みで一時日本に帰ってくる話。
- 飲酒 -
飲めないワインを買った。
魚料理が食べたい気分だったけど、跡部さんは赤が好きだと言ってたので、
肉料理にした。
何日も前から「帰る」と用件のみのメールを読み直しては心が温まった。
家に帰って部屋の隅に置いてあるノートパソコンを開いて、何度もメールを見た。
画面を指先で撫ぜた事もある。
でも、それは、今日ここに来る彼には秘密だ。
読み返していた文庫で口元を隠して、少し笑った。
彼が留学に行くと言ったのは俺が大学受験を合格した年だった。
経済を中心に学びたいと。
日本と言う枠を飛び越えて勉強したいと強く思う彼に何も言わず「いってらっしゃい」と見送った。
家族との旅行でも片手で数える程度しか乗った事無い飛行機、空港で一人になった瞬間に寂しくなって実は少し泣いた。
彼が買ってくれた茶色の革手袋に触れた。
跡部さんが日本を離れてから、俺は大学へ行き
家庭教師のアルバイトをしたり、料理を始めてみたり、
語学のサークルに入り、たまの休みに色々な国の人とコミュニケーションを取ったり。
二年目の春には料理をするようになったのが功をなしたのか母が一人暮らしを許してくれた。
友達付き合いも自分なりには悪くなく、昔からの仲間とも今もたまに遊んだりする。
他にも話しきれない事が沢山有る。
メールや電話のやり取りは離れている間もしていたが、
やはり面と向かって話したい。彼の表情を見て。
そして、予定の今日が来た。
普段は付けないクーラーで来客のために部屋を冷やし、料理も並べられた机。
自分の作った物を多く食べてもらいたくて品数は作ったが机が狭いので、一皿片付けたら出せば良いっと。
赤のワインを冷やし、ジュースもデザートは近くのケーキ屋でタルトを買った。
さすがに、お菓子は作らない。
まだか、まだかと時計を見る。
本も気持ちが落ち着かず内容が全く入ってこないので脇に投げ出した。
時計は予定の時間を遥かに過ぎている。
そもそも、予定であって絶対じゃないとは知っていたのに。
跡部さんからのメールにも当日バタバタして時間を一つ送らせる可能性があると書いてあったし。
ため息をついて机に突っ伏した。
ピンポーンっと呼び鈴が鳴った。
時間は夜10時過ぎ。
少し寝ていた。目元を擦り玄関へ。覗き穴を見ると目の前に待ち人が立っていた。
鍵を開け、ほんの少し扉を開けて「遅いですよ」っと声をかけた。
跡部さんは俺のそんな第一声に驚いた顔をした。
でも、それは一瞬ですぐに俺の一番好きな得意げな顔をして「お前もかわんねぇな」っと言った。
「跡部さんが遅いせいで折角買った赤ワインが冷えすぎました。それに、俺はワインが飲めないんですから。全部飲んでいってくださいね」
部屋に招き入れ、鍵を閉めた。
玄関先に俺のじゃない、彼の靴が置いてあるのを見て少しだけ嬉しくなった。
なので、「ただいま」っと腰を抱き寄せて不意打ちのキスをされたが見逃してやる。
end.
跡部さんに美味しいって言ってもらえると良いね(色んな意味で)。
エロ書きたいな、同設定で。
苦手な人はスルーしてください。
日吉くん一人暮らし21歳、跡部さん22歳。
跡部さん留学設定で、夏休みで一時日本に帰ってくる話。
- 飲酒 -
飲めないワインを買った。
魚料理が食べたい気分だったけど、跡部さんは赤が好きだと言ってたので、
肉料理にした。
何日も前から「帰る」と用件のみのメールを読み直しては心が温まった。
家に帰って部屋の隅に置いてあるノートパソコンを開いて、何度もメールを見た。
画面を指先で撫ぜた事もある。
でも、それは、今日ここに来る彼には秘密だ。
読み返していた文庫で口元を隠して、少し笑った。
彼が留学に行くと言ったのは俺が大学受験を合格した年だった。
経済を中心に学びたいと。
日本と言う枠を飛び越えて勉強したいと強く思う彼に何も言わず「いってらっしゃい」と見送った。
家族との旅行でも片手で数える程度しか乗った事無い飛行機、空港で一人になった瞬間に寂しくなって実は少し泣いた。
彼が買ってくれた茶色の革手袋に触れた。
跡部さんが日本を離れてから、俺は大学へ行き
家庭教師のアルバイトをしたり、料理を始めてみたり、
語学のサークルに入り、たまの休みに色々な国の人とコミュニケーションを取ったり。
二年目の春には料理をするようになったのが功をなしたのか母が一人暮らしを許してくれた。
友達付き合いも自分なりには悪くなく、昔からの仲間とも今もたまに遊んだりする。
他にも話しきれない事が沢山有る。
メールや電話のやり取りは離れている間もしていたが、
やはり面と向かって話したい。彼の表情を見て。
そして、予定の今日が来た。
普段は付けないクーラーで来客のために部屋を冷やし、料理も並べられた机。
自分の作った物を多く食べてもらいたくて品数は作ったが机が狭いので、一皿片付けたら出せば良いっと。
赤のワインを冷やし、ジュースもデザートは近くのケーキ屋でタルトを買った。
さすがに、お菓子は作らない。
まだか、まだかと時計を見る。
本も気持ちが落ち着かず内容が全く入ってこないので脇に投げ出した。
時計は予定の時間を遥かに過ぎている。
そもそも、予定であって絶対じゃないとは知っていたのに。
跡部さんからのメールにも当日バタバタして時間を一つ送らせる可能性があると書いてあったし。
ため息をついて机に突っ伏した。
ピンポーンっと呼び鈴が鳴った。
時間は夜10時過ぎ。
少し寝ていた。目元を擦り玄関へ。覗き穴を見ると目の前に待ち人が立っていた。
鍵を開け、ほんの少し扉を開けて「遅いですよ」っと声をかけた。
跡部さんは俺のそんな第一声に驚いた顔をした。
でも、それは一瞬ですぐに俺の一番好きな得意げな顔をして「お前もかわんねぇな」っと言った。
「跡部さんが遅いせいで折角買った赤ワインが冷えすぎました。それに、俺はワインが飲めないんですから。全部飲んでいってくださいね」
部屋に招き入れ、鍵を閉めた。
玄関先に俺のじゃない、彼の靴が置いてあるのを見て少しだけ嬉しくなった。
なので、「ただいま」っと腰を抱き寄せて不意打ちのキスをされたが見逃してやる。
end.
跡部さんに美味しいって言ってもらえると良いね(色んな意味で)。
エロ書きたいな、同設定で。
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