古キョン/卒業の日。
また学パロ。(※前に書いた学パロとはリンクしてません)
高校生古泉くん、現国先生キョンくん。
卒業と告白の話。
- 卒業の日 -
僕らは本日卒業します。
強く芯の通った声が体育館の中を抜けた。
大勢の制服の子。キレイに着飾った親御さん。胸に花を刺した先生。
花とリボンを付けた卒業生。
三年間歌ったはずなのに、うろ覚えの校歌。
壁にかけられた歌詞を見ながらじゃないと全部歌いきれない。
曖昧な記憶だけど、今日でさようなら。
窓からキラキラと日が差して、泣いてない生徒の目元まで泣いてるように見せる。
普段は気にしてなかったけど、なんて演出なんだろう。
横を盗み見れば、教師も一緒になって歌を歌っている。
何処の誰だか知らない人が作った歌だけど、今日と言う日に歌うのは最高だと思った。
右手に抱えた証書、これは卒業の証。
ピアノの音が、余韻を持たせて響いた。
社会科の先生が「一同礼!」と声をかけ、一列に流れて場を退場する。
途中、出口の所で一輪の花をもらった。疎らだが、在校生も泣いている。
口元を引き締めて歩いた。
教室に戻って席に着く。机の表面を指先で撫でた。
自然と、ありがとうと思った。
ざわざわと、騒がしい教室に担任の彼が入ってきた。
何人かに声をかけられつつも、「すわりなさい」っと言う。
教壇に立った彼はみんなの顔を一人ずつ見るように顔を動かし、満足そうに笑った。
「卒業、おめでとう。ありきたりな言葉しか言えないけど、嬉しいよ。お前たちの入学と同時にココに配属されて3年、一緒に成長出来た事、幸せに思うよ。ありがとうな、お前たち。」
鼻を擦ったそぶりを見せたので生徒の一人がからかった。
「せんせ、泣いてるのー?」
「泣いてない、ちょっと感動してるだけだ、バカ。・・・いや、少し泣いてるな。自分も高校卒業のときに担任のセンコーが感動で泣いてる時、ダセェなって思ってたけど、俺もだいぶダセェな」
自分を笑い飛ばすような言い方だったのに、周りの生徒が鼻をすすったりした。
みんな、どことなく雰囲気にのまれて感動しているんだ。
もう、あえない訳ではないけど、一度お別れなんだ。
いつもみたいに、バイバイ、また明日って出来ない。
それぞれ新しい場所へ向かう。
「このクラスは良い奴ばっかりで助かったよ、初めての担任も正直ビビったりもしたけど、楽しかった。俺の事忘れても良いけど、俺の教えた事は忘れないで欲しいな」
また笑って、それぞれの顔を見回した。
生徒たちが自由に写真を撮っている。
顧問の先生、部活の後輩、仲の良かった友人、恋人と絵に納めて。
胸の第二ボタンや、制服のネクタイをもらったり。
自分も数人の同級生たちと写真を撮った。
また連絡する、また遊んでくれ。またどっか行こうな。
また、また、また。約束が山積みになっていく。
手を振って僕らは別れを告げた。
学生鞄には記念に配られた卒業アルバム、寄せ書き用の油性ペン。筒に納められた卒業証書。
ポケットには学生手帳と携帯電話。
腕にぶら下がるのはデジカメ。
職員室でなく、図書館に行った。
生徒たちは校庭や教室棟に集まっているので、そこはすごく静かだった。
「せんせ、居ますか?」
図書貸し出しのカウンター越しに覗き込むと、こちらを振り向いた先生が居た。
「担任なのに、すぐに退散しちゃうんだもん、薄情ですね」
「うっせ。感動しぃなんだよ。あんま見られたくない顔してんだよ、わかれよ」
「ね、ココ入っていいですか?」
図書委員と担当の教師以外、カウンターを超えた事は無い。
「・・・・いいぞ、今日限りだからな」
カウンターの延長になっている木の板を持ち上げて初めてくぐった。
「ね、言って良いですか?」
「何を?」
少し塗れた目元を指先で擦った彼はクラスの子たちで作った寄せ書きを見ていた。
「愛の告白」
「・・・・どうぞ。」
「先生の事がずっと好きでした。付き合ってください」
「その、なんだ、先生ってのやめろよ。もう、卒業したんだから・・・・」
「僕、好きです。あなたが。恋人になってください」
「・・・・あぁ。俺も好きだ。お前、3年間俺の事見てくれてたの知ってた。思い続けてくれてありがとう、でも、おまえ、もう少し熱視線を誤摩化して向けろよな。授業中、目が向けれなかったよ」
笑った彼の目元にキスをした。
「バカやろ、ここ学校」っと照れた彼を無視して抱きしめた。
今日、卒業。そして、今日から始まる。
end.
季節無視しまくりの話(笑)。
そして、やおいには欠かせない、ご都合主義。
高校生古泉くん、現国先生キョンくん。
卒業と告白の話。
- 卒業の日 -
僕らは本日卒業します。
強く芯の通った声が体育館の中を抜けた。
大勢の制服の子。キレイに着飾った親御さん。胸に花を刺した先生。
花とリボンを付けた卒業生。
三年間歌ったはずなのに、うろ覚えの校歌。
壁にかけられた歌詞を見ながらじゃないと全部歌いきれない。
曖昧な記憶だけど、今日でさようなら。
窓からキラキラと日が差して、泣いてない生徒の目元まで泣いてるように見せる。
普段は気にしてなかったけど、なんて演出なんだろう。
横を盗み見れば、教師も一緒になって歌を歌っている。
何処の誰だか知らない人が作った歌だけど、今日と言う日に歌うのは最高だと思った。
右手に抱えた証書、これは卒業の証。
ピアノの音が、余韻を持たせて響いた。
社会科の先生が「一同礼!」と声をかけ、一列に流れて場を退場する。
途中、出口の所で一輪の花をもらった。疎らだが、在校生も泣いている。
口元を引き締めて歩いた。
教室に戻って席に着く。机の表面を指先で撫でた。
自然と、ありがとうと思った。
ざわざわと、騒がしい教室に担任の彼が入ってきた。
何人かに声をかけられつつも、「すわりなさい」っと言う。
教壇に立った彼はみんなの顔を一人ずつ見るように顔を動かし、満足そうに笑った。
「卒業、おめでとう。ありきたりな言葉しか言えないけど、嬉しいよ。お前たちの入学と同時にココに配属されて3年、一緒に成長出来た事、幸せに思うよ。ありがとうな、お前たち。」
鼻を擦ったそぶりを見せたので生徒の一人がからかった。
「せんせ、泣いてるのー?」
「泣いてない、ちょっと感動してるだけだ、バカ。・・・いや、少し泣いてるな。自分も高校卒業のときに担任のセンコーが感動で泣いてる時、ダセェなって思ってたけど、俺もだいぶダセェな」
自分を笑い飛ばすような言い方だったのに、周りの生徒が鼻をすすったりした。
みんな、どことなく雰囲気にのまれて感動しているんだ。
もう、あえない訳ではないけど、一度お別れなんだ。
いつもみたいに、バイバイ、また明日って出来ない。
それぞれ新しい場所へ向かう。
「このクラスは良い奴ばっかりで助かったよ、初めての担任も正直ビビったりもしたけど、楽しかった。俺の事忘れても良いけど、俺の教えた事は忘れないで欲しいな」
また笑って、それぞれの顔を見回した。
生徒たちが自由に写真を撮っている。
顧問の先生、部活の後輩、仲の良かった友人、恋人と絵に納めて。
胸の第二ボタンや、制服のネクタイをもらったり。
自分も数人の同級生たちと写真を撮った。
また連絡する、また遊んでくれ。またどっか行こうな。
また、また、また。約束が山積みになっていく。
手を振って僕らは別れを告げた。
学生鞄には記念に配られた卒業アルバム、寄せ書き用の油性ペン。筒に納められた卒業証書。
ポケットには学生手帳と携帯電話。
腕にぶら下がるのはデジカメ。
職員室でなく、図書館に行った。
生徒たちは校庭や教室棟に集まっているので、そこはすごく静かだった。
「せんせ、居ますか?」
図書貸し出しのカウンター越しに覗き込むと、こちらを振り向いた先生が居た。
「担任なのに、すぐに退散しちゃうんだもん、薄情ですね」
「うっせ。感動しぃなんだよ。あんま見られたくない顔してんだよ、わかれよ」
「ね、ココ入っていいですか?」
図書委員と担当の教師以外、カウンターを超えた事は無い。
「・・・・いいぞ、今日限りだからな」
カウンターの延長になっている木の板を持ち上げて初めてくぐった。
「ね、言って良いですか?」
「何を?」
少し塗れた目元を指先で擦った彼はクラスの子たちで作った寄せ書きを見ていた。
「愛の告白」
「・・・・どうぞ。」
「先生の事がずっと好きでした。付き合ってください」
「その、なんだ、先生ってのやめろよ。もう、卒業したんだから・・・・」
「僕、好きです。あなたが。恋人になってください」
「・・・・あぁ。俺も好きだ。お前、3年間俺の事見てくれてたの知ってた。思い続けてくれてありがとう、でも、おまえ、もう少し熱視線を誤摩化して向けろよな。授業中、目が向けれなかったよ」
笑った彼の目元にキスをした。
「バカやろ、ここ学校」っと照れた彼を無視して抱きしめた。
今日、卒業。そして、今日から始まる。
end.
季節無視しまくりの話(笑)。
そして、やおいには欠かせない、ご都合主義。
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