黒火/火神くんはオバケが見える
タイトルそのまんま。オバケが見える火神くん。
- 火神くんはオバケが見える -
火神くんは、オバケが苦手だ。
どこの学校にも、お得意の怪談話がある。日も高い時間帯の休憩時間に、からかって、教えてあげた事がある。僕のつたない説明だけでもヒッと喉を引きつらせて青い顔をしていた。それから、話に上がった職員室から上がれる三階の階段踊り場は、彼の鬼門になった。
何度、アレは嘘だと言っても、嫌だと、わざわざ遠回りする。無理矢理に引っ張って行って、オバケが居ない事を見せても、やはり怖いのか、極力通らなくなった。いつも堂々としている彼が、怯えてキョロキョロとしている姿は、とても、可愛らしく見えた。
単純で信じやすい彼をついつい、しょうもない嘘をついて騙した。僕がオバケが見える人間だと。だから、もし、オバケが近くに居たら、僕が必ず、誘導して、火神くんを守ります。なんて、他愛無い嘘。軽い冗談のつもりだったのに、彼は僕を信じた。
「あっちには、何かいるかもしれませんね・・・」なんて、意味ありげに口にするだけで、勝手に解釈して、僕に引っ付いてくる事も。何かなんて、何も居ない。僕には霊感の「れ」の字もないんだから。
本で読んだりするぐらいの知識しかない。ホラー映画も見れる方だ。怖くないかと聞かれても、僕には、それらは、所詮、作り話に過ぎない。フィクションの話だ。世の中には見える人も居ると言うが、生憎、僕の周りに見える人は今まで居なかったのだ。
そう、今までは。
火神くんと、付き合うようになっても、たまに怖い話をして、わざと怖がる彼を見る事がある。意地が悪いと言われても、ついつい、からかってしまう。怖い怖いと、怯えて、僕に縋る姿はやはり可愛い。
少々虐め過ぎて涙を浮かべて、「黒子ぉー」と、小さな声で僕を呼んで、「今日、泊まって行くよな!?」と、言われると、笑みを浮かべて「はいっ」と、返事をする。
今日は、部活帰りのマジバで、先日、仕入れた、都市伝説の話をしてみた。さっきまでバーガーをガツガツと食べていた彼は、僕の話に馬鹿正直に耳を傾け、真面目に受け止め、そわそわとし、途中食べのバーガーをソッと、トレーに戻した程だ。
キリリと上がった眉が、今は垂れて、完璧に怯えている。外を見れば、暗くなり始め、話にあったような暗い夜と、明るい昼間が混じり合っている。
二人用の机に向かい合い座っている僕の手を掴み、「一緒に帰って」との申し出を、二つ返事で応えた。バニラシェイクで冷えた僕の手を、恐怖で冷えた火神くんの手が握る。
食欲も失せた彼だったが、無理矢理に、胃の中に残りのバーガーを詰め込む。僕も残りのシェイクを飲み、鞄を肩にかけ、立ち上がった。ぎこちない動きで、彼が、僕の服の裾を掴む。僕は、可愛いなっと思いながら、トレーに乗ったゴミを捨て、一緒に店を出た。
自動ドアが閉まり、外に出ると、内緒話をするように顔を近づけて、「怖いから、手」と、短く言って、手を出してきた。ココで意地悪しても、可哀想だし、僕も手を繋ぐ事を期待していた(怖い話をすると決まって、いつもくっ付いてくる)ので、了解し、ギュッと手を握ってやった。
火神くんが、ソロリと、後ろを振り返る。
「どうしたんですか・・・?」
「別に・・・なんでもねぇ」
煮え切らないボソボソとした喋りで、早く帰ろうと、せっつかれた。帰り道の途中、家に「今夜は火神くんの家に泊まる」ことを連絡し、二人で彼の家に帰った。
家に着くと、素早く鍵を閉めた火神くんが、ぎゅうぎゅうと、僕に抱きついてきた。そんなに怖がらせてしまったかっと、軽く反省して、背中をよしよしと、撫でてやると、少し落ち着いたのか、「黒子」と、言って、僕の肩口に頭を擦り付けた。
涙目可愛い。やっぱりまた僕は彼を怖がらせてしまうんだろうなっと思った。
今日の彼は特に怖がっていた。いつもと変わらない、他愛無い話だった。彼に話すネタとして調達した中ではあまり怖くない物を選んだつもりだったが、彼にとっては、とても怖いネタだったのだろうか?
何が怖いツボなんだろう。今日の話した内容を反芻しながらも、火神くんが、未だ怖がって、僕に近くに居てくれとお願いするので、夕食を作る彼の横に立っている。出来る事なら、離れたくないっとでも言うように、チラチラと僕を何度も確認する。
黒子と、名前を何度も呼んでは、僕が返事をすると、ホッと息をつく。ご飯を食べ、片付けをし、お風呂も一緒に入ろうと提案される。今まで怖い怖いと怯えていても、ソコまで怖がっていなかったので、コレは彼なりの僕へのサービスだろうか?
この頃、忙しくて、恋人らしい触れ合いがなかったもんなっと、思ったが、風呂場でご褒美イベントは発生しなかった。僕が身体を洗っている彼の肌に触れると、驚いて、「ギャっ」なんて、声を上げるぐらいだ。
詰んないなぁっと思っていたら、風呂上がりも、ぴったりと僕にくっ付いて離れない。甘えているのか、僕の肩に頭を擦り付けてくる。
ソコで、僕は、とっておきの提案を口にしてみた。嘘か本当か分からないけどっと、しっかりと保険を取ってから、「オバケって、エロい事考えると、何処かに言ってしまうらしいですよ」と。
ドコで、そんな情報を手に入れたんだっけ?
忘れてしまったが、多分本だったはず。幽霊は死んでゼロになっている存在だから、エロい事は一応は生命維持(プラス)の生産行為だから、幽霊は敏感にプラスを察知して逃げるとか・・・?
あまり興味がなかったので、うろ覚えの知識だ。それに、僕からすれば、オバケなんて、今までの短い人生見えた事もないし、周りに見える人も居なかった。結局は娯楽的な考えでしかない。
でも、目の前でオバケと、セックスへの緊張で怯えている火神くんを見るのは最高だった。
エロい事を考える余裕がないなら、エロい事しましょうっと、言ってみたら、すぐに乗ってきた。ラッキーな展開だ。怯える彼の活用法が増えたと、僕は悪い事を考えていた。
お互いに風呂も済ませた後だから、スムーズに寝室へ連れて行けた。いつもは恥ずかしいだとか、部活があるからと、何だかんだと理由をつけて逃げる彼が簡単にベッドへ横たわった。顔色が忙しなく赤くなったり青くなったりする。
「大丈夫、安心して下さい。オバケなんて居ませんよ」
それに、僕たち、今からエロい事するんですから、目の前の僕に集中して下さい。
よしよしっと、頭を撫でてやって、寝間着代わりのTシャツに手をかける。落ち着かせる為に顔中にキスを送り、目元に浮かぶ涙も吸ってやった。
「本当?居ない?」と、とても幼い口ぶりで問いかけてくる火神くんが愛おしい。
「えぇ、居ないですよ。僕とエッチな事しましょう」
コクリと、頷いた彼が、僕の服を脱がしに手を伸ばしてくる。お互いに服を脱がせ合って、邪魔な衣服はベッドの下へ落とす。安心させるように「大丈夫」と、何度も声を掛けてやり、緊張をほぐすように身体中を撫でて、弱い所を舐めあげる。
声を出さないように食いしばった彼の乳首をペロペロと舐め、軽く噛み付くと、歯の隙間から我慢しきれない嬌声が漏れる。艶っぽくて、色っぽい声だ。「その調子です」と、声を掛けて、なおも、指と舌で両方の乳首を攻めた。
髪の毛をクシャクシャに混ぜられながら、僕は徐々に下へ下がって行く。引き締まった腹筋を撫で、腰をくすぐるように触れ、ヘソを悪戯に舐め、まだ半立ちの彼の性器を口に入れた。
まだ芯のゆるいソレ、見た目はグロテスクだけど、とても可愛らしく感じる。皮を引っ張り、敏感な先端部分へ舌を寄せると、ビクビクと彼の下っ腹がひくつく。涙目の彼に名前を呼ばれるだけで感じる。ウットリとした顔で見上げた先の顔も、熱に浮かされて、僕を見ている。
あまり性に対して積極的ではない火神くん。むしろ、バスケばかりにかまけて、僕と恋人同士になるまで全くのまっさらだった彼。イヤラシい顔をして、僕が舌と指で攻めあげると、素直に感じている。
裏筋を擦り上げ、玉を軽く揉んでやる。蟻の門渡りを舐めると、先走りが竿を伝った。零れたソレを舐め上げ、膝裏を抱え腰を持ち上げる。おずおずと、自分で膝を抱えた彼、露になった姿がとても扇状的だ。視覚だけでもかなりクる。ローションをたっぷりと手にとり、両手で温めてから、後ろの穴に。
まずは、なぞるように何度も穴を撫でる。興奮した彼がハァハァと、熱い息を零す。僕もかなり興奮している。触れていないのに、性器が立ち上がっている。少し緊張がほぐれた穴に、ゆっくりと、指を忍ばせる。
じっくりと、中を解してやると、ポロポロと、彼が泣き始めた。「大丈夫ですよ、痛くないようにします」と、声を掛けてやると、「早く、っ・・・はやくお前で一杯にして・・・」と、ドコでそんな言葉を覚えたんですか。まるでエロ本みたいな台詞だけど、彼が言えば、単に僕を煽る言葉でしかない。
中を撫ぜて、しこり部分に指を当てると、ヒグヒグと、下手な息づかい。僕も我慢できなくなって、素早くゴムを付け、穴に性器を寄せる。力が抜けるように、彼の性器を数回擦りあげ、ゆっくりと腰を進める。
「あーぁーっ、・・・っ」と、苦しさを逃がすように彼が喘ぐ。狭いソコへ押し入ると、良い部分に当たったのか、喉を反らせて、「あっあっ・・・」と、喘ぐ。さらされた喉元に齧り付くと、奥がキュッと締まった。
「うっ・・・か、がみくん、気持ちいいです」
「お、うっ・・・み、見てるっ」
「んっ?、み、見てますよ?」
「おっ、オバケが見てる。は、恥ずかしぃよぉ・・・!」
恥ずかしさにボロボロと涙を零す彼が、アウアウと喘ぎながらトンでもない事を言う。驚いて顔を見ようにも、彼が隙間なく僕を引き寄せる。両足が腰に回され、両手もガッチリとホールド状態。キュウキュウと収縮する奥が僕を誘う。
「あっ、うっ・・・火神くん、も、無理っ・・・!!」
火神くんは、どうやら、本当にオバケが見えてしまうらしい。
話を聞く限りでは、霊感は弱いし、危害を加えるような奴には会った事無いと。でも、人間では居ないものが居るという事が怖くてしかたないのだとか。対処法も分からない、見えるけど、いつの間にか消えているらしく、付きまとわれる事はないので俺が一人でビビるだけ。
事後処理も終わり、二人でベッドに横たわりながら、その話を聞いた。僕は今まで話していたアレコレは何だったのだろうか。彼に披露した数々の怪談、都市伝説、もろもろ・・・。彼は既に、その世界を覗き見て居たとは。
「お前の話は、だいたいが作り話って知ってたけど、あーゆうのって、怖い話をすると寄ってくるんだろう?」と、言われて、コレからは少々自重しようと強く思った。
だけど、今日の彼の積極的な姿は見物だった。
「火神くんって、見られるセックスが好きなんですね、変態ですね」と、からかうと、顔を真っ赤にして、「ばっ、ばか!」と言って、枕に顔を隠してしまった。
エッチなオバケも居る物だな。僕たちのセックスを見ているなんて。ボンヤリと考えていると、ソロソロと、火神くんの手が僕の手を掴み、「怖いから、手」と、言われ、強く握り返してやった。
end.
- 火神くんはオバケが見える -
火神くんは、オバケが苦手だ。
どこの学校にも、お得意の怪談話がある。日も高い時間帯の休憩時間に、からかって、教えてあげた事がある。僕のつたない説明だけでもヒッと喉を引きつらせて青い顔をしていた。それから、話に上がった職員室から上がれる三階の階段踊り場は、彼の鬼門になった。
何度、アレは嘘だと言っても、嫌だと、わざわざ遠回りする。無理矢理に引っ張って行って、オバケが居ない事を見せても、やはり怖いのか、極力通らなくなった。いつも堂々としている彼が、怯えてキョロキョロとしている姿は、とても、可愛らしく見えた。
単純で信じやすい彼をついつい、しょうもない嘘をついて騙した。僕がオバケが見える人間だと。だから、もし、オバケが近くに居たら、僕が必ず、誘導して、火神くんを守ります。なんて、他愛無い嘘。軽い冗談のつもりだったのに、彼は僕を信じた。
「あっちには、何かいるかもしれませんね・・・」なんて、意味ありげに口にするだけで、勝手に解釈して、僕に引っ付いてくる事も。何かなんて、何も居ない。僕には霊感の「れ」の字もないんだから。
本で読んだりするぐらいの知識しかない。ホラー映画も見れる方だ。怖くないかと聞かれても、僕には、それらは、所詮、作り話に過ぎない。フィクションの話だ。世の中には見える人も居ると言うが、生憎、僕の周りに見える人は今まで居なかったのだ。
そう、今までは。
火神くんと、付き合うようになっても、たまに怖い話をして、わざと怖がる彼を見る事がある。意地が悪いと言われても、ついつい、からかってしまう。怖い怖いと、怯えて、僕に縋る姿はやはり可愛い。
少々虐め過ぎて涙を浮かべて、「黒子ぉー」と、小さな声で僕を呼んで、「今日、泊まって行くよな!?」と、言われると、笑みを浮かべて「はいっ」と、返事をする。
今日は、部活帰りのマジバで、先日、仕入れた、都市伝説の話をしてみた。さっきまでバーガーをガツガツと食べていた彼は、僕の話に馬鹿正直に耳を傾け、真面目に受け止め、そわそわとし、途中食べのバーガーをソッと、トレーに戻した程だ。
キリリと上がった眉が、今は垂れて、完璧に怯えている。外を見れば、暗くなり始め、話にあったような暗い夜と、明るい昼間が混じり合っている。
二人用の机に向かい合い座っている僕の手を掴み、「一緒に帰って」との申し出を、二つ返事で応えた。バニラシェイクで冷えた僕の手を、恐怖で冷えた火神くんの手が握る。
食欲も失せた彼だったが、無理矢理に、胃の中に残りのバーガーを詰め込む。僕も残りのシェイクを飲み、鞄を肩にかけ、立ち上がった。ぎこちない動きで、彼が、僕の服の裾を掴む。僕は、可愛いなっと思いながら、トレーに乗ったゴミを捨て、一緒に店を出た。
自動ドアが閉まり、外に出ると、内緒話をするように顔を近づけて、「怖いから、手」と、短く言って、手を出してきた。ココで意地悪しても、可哀想だし、僕も手を繋ぐ事を期待していた(怖い話をすると決まって、いつもくっ付いてくる)ので、了解し、ギュッと手を握ってやった。
火神くんが、ソロリと、後ろを振り返る。
「どうしたんですか・・・?」
「別に・・・なんでもねぇ」
煮え切らないボソボソとした喋りで、早く帰ろうと、せっつかれた。帰り道の途中、家に「今夜は火神くんの家に泊まる」ことを連絡し、二人で彼の家に帰った。
家に着くと、素早く鍵を閉めた火神くんが、ぎゅうぎゅうと、僕に抱きついてきた。そんなに怖がらせてしまったかっと、軽く反省して、背中をよしよしと、撫でてやると、少し落ち着いたのか、「黒子」と、言って、僕の肩口に頭を擦り付けた。
涙目可愛い。やっぱりまた僕は彼を怖がらせてしまうんだろうなっと思った。
今日の彼は特に怖がっていた。いつもと変わらない、他愛無い話だった。彼に話すネタとして調達した中ではあまり怖くない物を選んだつもりだったが、彼にとっては、とても怖いネタだったのだろうか?
何が怖いツボなんだろう。今日の話した内容を反芻しながらも、火神くんが、未だ怖がって、僕に近くに居てくれとお願いするので、夕食を作る彼の横に立っている。出来る事なら、離れたくないっとでも言うように、チラチラと僕を何度も確認する。
黒子と、名前を何度も呼んでは、僕が返事をすると、ホッと息をつく。ご飯を食べ、片付けをし、お風呂も一緒に入ろうと提案される。今まで怖い怖いと怯えていても、ソコまで怖がっていなかったので、コレは彼なりの僕へのサービスだろうか?
この頃、忙しくて、恋人らしい触れ合いがなかったもんなっと、思ったが、風呂場でご褒美イベントは発生しなかった。僕が身体を洗っている彼の肌に触れると、驚いて、「ギャっ」なんて、声を上げるぐらいだ。
詰んないなぁっと思っていたら、風呂上がりも、ぴったりと僕にくっ付いて離れない。甘えているのか、僕の肩に頭を擦り付けてくる。
ソコで、僕は、とっておきの提案を口にしてみた。嘘か本当か分からないけどっと、しっかりと保険を取ってから、「オバケって、エロい事考えると、何処かに言ってしまうらしいですよ」と。
ドコで、そんな情報を手に入れたんだっけ?
忘れてしまったが、多分本だったはず。幽霊は死んでゼロになっている存在だから、エロい事は一応は生命維持(プラス)の生産行為だから、幽霊は敏感にプラスを察知して逃げるとか・・・?
あまり興味がなかったので、うろ覚えの知識だ。それに、僕からすれば、オバケなんて、今までの短い人生見えた事もないし、周りに見える人も居なかった。結局は娯楽的な考えでしかない。
でも、目の前でオバケと、セックスへの緊張で怯えている火神くんを見るのは最高だった。
エロい事を考える余裕がないなら、エロい事しましょうっと、言ってみたら、すぐに乗ってきた。ラッキーな展開だ。怯える彼の活用法が増えたと、僕は悪い事を考えていた。
お互いに風呂も済ませた後だから、スムーズに寝室へ連れて行けた。いつもは恥ずかしいだとか、部活があるからと、何だかんだと理由をつけて逃げる彼が簡単にベッドへ横たわった。顔色が忙しなく赤くなったり青くなったりする。
「大丈夫、安心して下さい。オバケなんて居ませんよ」
それに、僕たち、今からエロい事するんですから、目の前の僕に集中して下さい。
よしよしっと、頭を撫でてやって、寝間着代わりのTシャツに手をかける。落ち着かせる為に顔中にキスを送り、目元に浮かぶ涙も吸ってやった。
「本当?居ない?」と、とても幼い口ぶりで問いかけてくる火神くんが愛おしい。
「えぇ、居ないですよ。僕とエッチな事しましょう」
コクリと、頷いた彼が、僕の服を脱がしに手を伸ばしてくる。お互いに服を脱がせ合って、邪魔な衣服はベッドの下へ落とす。安心させるように「大丈夫」と、何度も声を掛けてやり、緊張をほぐすように身体中を撫でて、弱い所を舐めあげる。
声を出さないように食いしばった彼の乳首をペロペロと舐め、軽く噛み付くと、歯の隙間から我慢しきれない嬌声が漏れる。艶っぽくて、色っぽい声だ。「その調子です」と、声を掛けて、なおも、指と舌で両方の乳首を攻めた。
髪の毛をクシャクシャに混ぜられながら、僕は徐々に下へ下がって行く。引き締まった腹筋を撫で、腰をくすぐるように触れ、ヘソを悪戯に舐め、まだ半立ちの彼の性器を口に入れた。
まだ芯のゆるいソレ、見た目はグロテスクだけど、とても可愛らしく感じる。皮を引っ張り、敏感な先端部分へ舌を寄せると、ビクビクと彼の下っ腹がひくつく。涙目の彼に名前を呼ばれるだけで感じる。ウットリとした顔で見上げた先の顔も、熱に浮かされて、僕を見ている。
あまり性に対して積極的ではない火神くん。むしろ、バスケばかりにかまけて、僕と恋人同士になるまで全くのまっさらだった彼。イヤラシい顔をして、僕が舌と指で攻めあげると、素直に感じている。
裏筋を擦り上げ、玉を軽く揉んでやる。蟻の門渡りを舐めると、先走りが竿を伝った。零れたソレを舐め上げ、膝裏を抱え腰を持ち上げる。おずおずと、自分で膝を抱えた彼、露になった姿がとても扇状的だ。視覚だけでもかなりクる。ローションをたっぷりと手にとり、両手で温めてから、後ろの穴に。
まずは、なぞるように何度も穴を撫でる。興奮した彼がハァハァと、熱い息を零す。僕もかなり興奮している。触れていないのに、性器が立ち上がっている。少し緊張がほぐれた穴に、ゆっくりと、指を忍ばせる。
じっくりと、中を解してやると、ポロポロと、彼が泣き始めた。「大丈夫ですよ、痛くないようにします」と、声を掛けてやると、「早く、っ・・・はやくお前で一杯にして・・・」と、ドコでそんな言葉を覚えたんですか。まるでエロ本みたいな台詞だけど、彼が言えば、単に僕を煽る言葉でしかない。
中を撫ぜて、しこり部分に指を当てると、ヒグヒグと、下手な息づかい。僕も我慢できなくなって、素早くゴムを付け、穴に性器を寄せる。力が抜けるように、彼の性器を数回擦りあげ、ゆっくりと腰を進める。
「あーぁーっ、・・・っ」と、苦しさを逃がすように彼が喘ぐ。狭いソコへ押し入ると、良い部分に当たったのか、喉を反らせて、「あっあっ・・・」と、喘ぐ。さらされた喉元に齧り付くと、奥がキュッと締まった。
「うっ・・・か、がみくん、気持ちいいです」
「お、うっ・・・み、見てるっ」
「んっ?、み、見てますよ?」
「おっ、オバケが見てる。は、恥ずかしぃよぉ・・・!」
恥ずかしさにボロボロと涙を零す彼が、アウアウと喘ぎながらトンでもない事を言う。驚いて顔を見ようにも、彼が隙間なく僕を引き寄せる。両足が腰に回され、両手もガッチリとホールド状態。キュウキュウと収縮する奥が僕を誘う。
「あっ、うっ・・・火神くん、も、無理っ・・・!!」
火神くんは、どうやら、本当にオバケが見えてしまうらしい。
話を聞く限りでは、霊感は弱いし、危害を加えるような奴には会った事無いと。でも、人間では居ないものが居るという事が怖くてしかたないのだとか。対処法も分からない、見えるけど、いつの間にか消えているらしく、付きまとわれる事はないので俺が一人でビビるだけ。
事後処理も終わり、二人でベッドに横たわりながら、その話を聞いた。僕は今まで話していたアレコレは何だったのだろうか。彼に披露した数々の怪談、都市伝説、もろもろ・・・。彼は既に、その世界を覗き見て居たとは。
「お前の話は、だいたいが作り話って知ってたけど、あーゆうのって、怖い話をすると寄ってくるんだろう?」と、言われて、コレからは少々自重しようと強く思った。
だけど、今日の彼の積極的な姿は見物だった。
「火神くんって、見られるセックスが好きなんですね、変態ですね」と、からかうと、顔を真っ赤にして、「ばっ、ばか!」と言って、枕に顔を隠してしまった。
エッチなオバケも居る物だな。僕たちのセックスを見ているなんて。ボンヤリと考えていると、ソロソロと、火神くんの手が僕の手を掴み、「怖いから、手」と、言われ、強く握り返してやった。
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