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亮御/ソレちょうだい

※ 唐突に狼男亮さんと、吸血鬼御幸君の話。
エロあります。苦手な方はスルーしてください。




ー ソレちょうだい ー

 現在、ピンチの状態だ。
 俺に逃げ場はない。目の前には目を赤くした狼男の亮さんが俺を強く見ている。ニヤリ止めを細めて、完全に捕食者の顔だ。
 怖い、怖いけど身体が動かない。俺だって、特殊体質の吸血鬼なのに、この押されようはなんだろう。


 夜中にソッと身を翻して現れる吸血鬼。
 ベッドの中で眠っていたはずの美女は誰に起こされたわけでもなく、その美しい目を開けて、目の前に立っている男に心を奪われる。
 恐怖と一瞬の恋心で息を止め、抱き寄せられ、相手の背中にソロリと手を回す。まるで恋人同士のように見える二つの影。そして、男は、口を開け、滑らかな肌に歯をたてる。
 尖った歯が肌を指し、血を吸われる。小さな痛みが前進を刺激するように、うっとりとした表情を浮かべる女性をゆっくりと横たえ、静かに姿を消す。
 それが、オーソドックスな吸血鬼だ。
 幾度も映像や文章にされて語られてきた。おとぎ話のような存在。怖いはずの怪物だけど、人気のあるジャンルだ。
 俺も15歳の健康診断の時までは、ただのおとぎ話だと思っていた。でも、人間生きていると色々なものがあるものだ。俺がその吸血鬼だと診断結果は紙ペラ一枚で告げた。
 正直、当時の俺は驚いたし、戸惑った。悩みもした。吸血鬼と言っても、先ほど話したような女性を夜な夜な襲うことはない。現代の吸血鬼は、定期的に血を接種するのみ。パートナーが居れば、その人に血を少し飲ませてもらうぐらいの、軽いものだ。
 だから、特殊な体質ってだけで、これと言って注意はない。血が足りなくて、貧血を起こして、ぶっ倒れることもあるらしいが、今のところ、吸血鬼への三次成長を迎えていない俺には、まだ正直実感がわかない。
 でも、そのうちに身体的なことでより悩んだり、この体質と一生つきあっていくことを考えて、俺は特殊体質の人間が集まる高校を探し、入学をした。
 特殊と言っても別に隔離されることはなく、クラスは普通科などと分かれるようにされているけど、昔から好きな野球は続けられているし、別のクラスの奴らとも仲良くなれている。
 練習は厳しいけれど、憧れのクリス先輩(彼も吸血鬼だ)と一緒に野球ができるのは嬉しい。
 変わったことと言えば、徐々に三次成長へ向かっているのか、太陽の光を浴びると、目がチリチリと焼けるように感じるぐらいだ。そんなものは、それ用のサングラスを買ってしまえば耐えられる。
 本で読むような吸血鬼は太陽の光に晒されて絶命したりするが、それこそ、おとぎ話の世界だけの話だ。
 そんな訳で、俺は普通の高校生と殆ど変わらずの生活をできていた。そう、今日までは。


 話は最初に戻るが、俺は今、とてもピンチだ。
 男が、男に押し倒されている。それも、吸血鬼の俺が、だ。世の女性を魅了するようなフェロモンを出してしまうらしいと、授業で聞いたけど、男性にも効果的だったのだろうか?
 そもそも、俺はまだ三次成長の兆候が現れていないから、普通の高校生男子と何ら変わりないはずだ。逃げ出したいのに、俺の腹上に乗り上げた亮さんに、両手を捕まれて、自分のベッドに押しつけられている。ただ、身じろぎをする程度しか抵抗ができない。
 目の前の彼は、ニヤリと赤い目を細めて笑った。
「御幸、そんなに脅えないでよ」
「・・・・」
 そんなことを言われても、男が男に押し倒されて拘束されてるんだ、今脅えなくて、いつ脅えるときがくるんだろう。そこまで肝が据わっているわけではない。
「亮さん、ホントどうしたんですか?」
 冗談きついですよって、笑って誤魔化してしまいたいけど、相手の目が冗談ではないことを物語っている。赤い、キレイな瞳。
 彼は、俺とは違う特殊体質だ。狼男。
 ペロリと唇をなめた彼は、俺に向かって、「おいしそうだからさ」と、まるでご飯に向かって言うように軽く口にした。
「お、おいしそっ、うひゃっ!」
 彼の手が俺のわき腹に触れて、服の下へ忍び込んでくる。くすぐったくて変な声が出た。恥ずかしさに顔が熱い。
「もぅ、色気がないなぁ。もっと色っぽい声出してよね」
「・・・そ、そんなこと。つーか、コレってレイプですよ!大問題です、やめてください。狼男は、発情期間あるって聞いたことありますが、一時的な熱に浮かされて誰にでも手を出して許されるわけはないんですから!!」
 先輩相手だけど、声を張り上げて主張する。噛みつかんばかりに吠える口を手で塞がれる。内緒話をするように近い距離でニッコリと微笑みかけられた。


「本当に?御幸、僕のこと好きでしょ?」


 ひゅっと、息が止まった。彼の顔を伺う。嘘だろ。上手に隠せてると思ったのに・・・。
 驚きに返事ができないままで居ると、首筋をぺろっと、舐めあげられる。ビックリして小さく震えが起こる。亮さんっと、小さく名前を呼ぶのが精一杯だ。
「御幸、動揺してる」
 心臓うるさいと、彼が、俺の胸に耳を寄せる。聞かないでほしい。嘘だと否定したいのに、それが嘘だってわかってしまう。既に窮地に立たされていると思ったけど、想像以上にもっと、ヤバい状態だった。
「す、好きじゃないって言ったらどうするんですか?無理矢理ですよ、犯罪です。だいたい、俺が好きだと仮定して、亮さんはその好きに自分の発情を紛らわそうって魂胆なんですか?」
「ふぅーん、そう、誤魔化すんだ?・・・・俺が好きだって言っても?」
「へっ?!」
 好き。ラブ的な意味で・・・?
 先ほどと違う緊張で胸が痛い。彼の顔を伺っても嘘か本当か全く読めない。ニヤニヤと笑うばかりで俺のことをバカにしているようにも感じる。
「かっ、からかわないでください!」
「そうか、からかってると思ってるんだ?でも、俺の鼻は誤魔化せないよ。お前、フェロモン出てる」
 そういって、俺の首もとに鼻を寄せてニオイをかがれた。
 狼男が、普通の人よりも臭覚に優れていることは知っていたけど、好きな気持ちやフェロモンはかぎとれるんだろうか?
 それよりも、俺はもしかして、知らず知らずの内に第三成長を迎えつつある・・・?
 突然のことばかりで頭が付いていかない。頭が回らないっと、ぼんやりと、彼の方を見上げると、「エロい顔、誘ってるの?」と、キスをされた。
 初めてのキスにビクッと身体が揺れた。信じられない。俺のファーストキス。たとえ、好きな人にされたとしても、この気持ちは一生隠していくと決めて居たのに。部活のこともあるし、特殊体質ってだけでなく、ゲイなんて知られたら、生きづらくて、仕方がない。
 大好きな野球のことも考えて、それだけに打ち込めるようにと、必死に隠してきたのに、彼がたまたま狼男だったから、バレてしまったんだろうか。
 彼がもし、普通の人間だったら、このまま隠せたんだろうか?
 初めてのキスは、可愛らしいものではなく、口の中に舌が入ってくるような深いものだった。口の中を舐め回され、舌を吸われる。口元が痺れて、歯を舌が撫でていく。頭に刺さるように、刺激的だ。発情期間中の狼男には催淫効果があると聞いたことがあるが、ココまでとは。
 息苦しさに、鼻が変な音をあげた。恥ずかしい。離れていく唇がテラテラと塗れている。見てるだけでエロい。脳味噌よりも下半身にクる。
 サングラスを取っ払われる。ご丁寧に、畳んで枕の横に置かれた。見上げると、ふふっと、自信たっぷりの顔が、俺を挑発するように、コチラを見ていた。
「亮さん、ズルいっすよ・・・」
「うん、俺はズルいよ?」
 あれ、知らなかったっけ?と、笑って、お前も十分ズルいよっと、彼に抱きしめられた。


 もう、嘘でも何でもいい。彼が好きだといってくれるのなら、それに騙されよう。この行動が一時的なものだとしても。
 「亮さんっ、」
 男なのに、女性を魅了する吸血鬼なのに。初めてでこんなにも感じるのは、相手が好きな人だからかな。それとも、狼男相手だからなのか。
 シャツをめくあげて、ペロペロと、乳首を舐められる。時々だけど、イタズラに肌を噛まれる。俺は必死で声を抑えて耐えるだけ。噛んでる袖の所が涎でグッショリと濡れている。
 彼が乗り上げているところをずらして、股間を刺激してくる。はしたなく勃起ち上がった性器が熱く窮屈そうに主張居てくる。互いのスウェット越しに感じるものが、相手も感じていることを教えてくれる。
 互いの性器を擦りあう。腰が揺れて、不適に笑う相手がカッコ良くて悔しい。これが、掘れた方が負けって事か。
「御幸、最後まではしないから、見せて?」
 はいとも、いいえとも、言ってないのに、腰のゴムに手をかけられて、脱がされる。下着も一緒にズラされる。今更隠したって無駄だと分かっているのに、身体が小さく身じろいだ。
 彼もスウェットを脱いだ。ちらりと見てしまった彼の性器。恥ずかしさに顔を隠す。片方は口元、もう片方で目元を覆う。だけど、一緒に握り込まれた彼の手や性器の熱さが俺を煽る。
 興奮して、ハクハクと息をする。まるで本当の獣みたいに。彼も短い息を何度も吐いた。肌を滑るその息さえ興奮する。
「あっ・・・ぅ」
 手で押さえていても我慢できない。くちゅくちゅと、濡れた音が耳を刺激する。彼の口が何度も俺の名前を呼んでくれる。
 我慢できなくなって、彼を抱き寄せて、首筋に噛みついた。ツプッと肌を裂く感触がして、うっとりするような味が口に広がった。夢中になって、それを吸う。
 彼が、マネをするように、俺の首筋に噛みついたと同時に、低く押し込める声をこぼして、果てた。腹の上にこぼれた精液、遅れて彼も果てて、腹にまた精液がかかった。
 ヒクヒクと余韻に下っ腹が引く付いて、俺は急激な眠気におそわれて、ソッと目を閉じた。


 目を覚ますと、身なりも整えられた状態で、ベッドに横になっていた。俺の勉強机でマンガを読んでいる亮さんが見える。
「亮さん」と、呼びかけると、イスがキシリと鳴いた。マンガを閉じて、オデコの髪を払われ、俺の顔をのぞき込んでくる彼にドキドキする。
「お前三次成長、始まったな」
「へ?」
「さっき、瞳が赤く変わってたし、俺の血を飲むんだもん」
 首元にガーゼが貼ってあるのを見せるように服をズラしてみせる。
「あっ、すみません・・・」
「いいよ、別に。これから定期的に血が欲しくなるだろ?俺がパートナーになってあげるよ」
「えっ?」
「別に、悪くないだろ。病院に行って血をもらいに行くより簡単だし、俺も発情のと貴相手してもうからさ。それに、お互い好きあってるし?」
 そういって、またキスをされた。今度は、優しく触れるようなものだった。ちゅっと、音を出し、離れていく顔は、やはり不適に笑っている。
 貴方にはかないません。心の中で白旗を振る。ベッドのはしに座った彼が、ペロリト顔を舐めてくる。「好き・・・」と、彼の言ったことを噛みしめてポロリと出た言葉に恥ずかしくなって、布団を頭からかぶった。


 


end.


 

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