亮+純+倉+御/お兄ちゃん
亮さんをお兄ちゃんと呼ぶ御幸君。別にBLではないです。あと、好き嫌いは知りません。
- お兄ちゃん -
春市が入学してきた頃、俺の弟だなんて、少し変わった名前と似ている顔で、誰に言う事も無くバレた。
そもそも、同級生とか、よくつるんでる奴らとの間では、既に、「弟が入ってくるかも」とは話題に出した事があったが、別段、興味を惹かれる事は無く、野球馬鹿の面々は俺の弟が特別なんじゃなくて、俺が気にしている存在が来るって所が気になっては居たみたい。打率だとか、ポジションだとか。ホントに、野球馬鹿。
入ってきたら、入って来たらで、春市が「兄貴」って普段通り呼んで俺のこと尊敬してます〜って熱いまなざしで見るもんだから、からかわれた。実にうざったいと思いつつ、弟を真似るように「兄貴」や、「お兄ちゃん」と呼ばれる事もあった。まぁ、弟くんなんて、呼ばれてる彼を見れば、真っ直ぐな奴らの精一杯頭を動かしてのアイディアなんて、そんなもんだ。
基本は、亮さんって、周りから呼ばれる。同級らは、亮っと、呼び捨てにする。話の流れやノリで、兄貴と呼ばれるようになった。俺はお前たちの兄じゃないよ。顔には出さずに涼しく流した。クラスの連中らは、俺が兄貴なんて呼ばれてて、周りに居るゴツイ野球部員に囲まれてる所を見ると面白いらしく、女子辺りにクスクスと笑われたりもした。
一時的なニックネームの流行りみたいなもんで、下級生も、特に沢村が「あにきぃ」なんて、呼ぶもんだから、ソレを筆頭に周りもたまに、お兄さんと、口にしたりした。
別に好意的な呼び方だから、止める事はしなかった。空気を読んだりはあまりしないけど、楽しんでるみたいだし、放っておく。止めるのもめんどくさいし。でも、クリスや哲に「兄貴」と、呼ばれたときは、ちょっと、微妙だったけど・・・。あいつら、兄貴って雰囲気かよ。
思い切り身体を動かして、風呂で汗を流して夕食の時間。空腹の胃を刺激するようにご飯のいいにおい。今日のメニューはカラッと揚がったトンカツ。「頂きます」と、手を合わせて、ご飯を食べ始める。隣に座った純が相変わらず五月蝿いけど、慣れたもの。ギャーギャー言ってると思ってたら、食堂に入ってきた御幸を呼び寄せて、目の前に座らせる。続くように、倉持もその横に座った。
「お前、今日は調子が悪かったのか?」
口も態度も悪いけど、純は結構、面倒見が良い。調子の悪そうな奴を見るとこうやって、声を掛けたりしてる。
「いやぁ、そうですかぁ〜?」と、相変わらずヘラヘラしてる御幸が、「純お兄ちゃんは優しいなぁ〜」なんて、言う。
俺の兄貴呼びブームから、先輩たちの事を、お兄ちゃんと呼ぶ奴が出てきたのは知っていた。可愛くもない後輩にお兄ちゃんと言われても嬉しくないが。すぐに手が出る奴は、言葉を後にして、御幸に倉持が鉄槌を食らわせる。
「真面目に応えろよ」
ひゃはっと、笑っているくせに、割と真面目な奴だ。少々暴力的だけど。三人で戯れるみたいに、ぎゃいぎゃい騒いで話しながら、箸を動かしてるのを、微笑ましい気持ちで見た。
トンカツの付け合わせに、キャベツの千切りと、トマトが添えられていた。ソレを見て、そういえば、春市は昔、トマトが苦手だったなっと、思ったら、目の前の御幸が、倉持の更にコッソリとトマトをおいているのを見た。
「御幸、」
名前を呼んでやると、驚いた顔で俺を見て、誤摩化すように笑ってみせた。「おにぃちゃ〜ん」と、困った風に声を上げる。
「御幸、トマト、苦手なの?」
倉持の皿に忍ばせてっと、言うと、倉持が自分の皿に気付いて「わっ、また増えてる!」と、言う所から、御幸がトマトを託す常習犯だと言う事が分かる。
ふぅ〜んっと、俺が言うと、ますます困った顔をして、御幸が、あーとか、うーとか言う。
「子供じゃないんだから、克服しなよ」
と、自分の皿から、トマトを御幸の皿に乗せる。「そうだな、好き嫌いはいかんぞ」っと、純も皿からトマトを寄越す。倉持も、ひゃはっと、笑って、「そうだぞ、いつまでも俺が付いてる訳じゃないんだから、大人になれ」と、全てのトマトが御幸の皿の上に集中する。
うぇ〜〜っと、御幸が悲惨な声をあげる。
「ばーか、ばーか、ざまぁみろっ」と、倉持がからかって、食事時間一杯まで、御幸は遅々とトマトを突つきながら食べていた。最後に、口直し用に残しておいたトンカツの真ん中とご飯をかき込むようにして、御幸が食事を終えた。
早々に食べ終えた、俺と、純、そして、倉持は既に食べ終わった食器も片付けて、外の自販機でジュースを飲みながら、御幸がひーひー言いながら食べ終わるのを見て居た。
「ごっそうさんですっ!!もぅ、意地が悪いっすよぉ〜。ニヤニヤしながら見てるんだもんなぁー。トマト、食べれなくはないけど青臭くて苦手なんです。ケチャップとかなら、あんま青臭くなくて食べれるんだけどなぁ」と、やっと苦行から解放された御幸が一気に喋る。
「スゴく楽しませてもらったよ、よく食べれたね」
そういって、自分のと一緒に買っておいたジュースをあげると、「おにぃちゃん〜〜」と、ありがたく受け取った。それを、からかう純と、倉持を邪見に「やめろよぉ」と、言う、御幸をニヤリと頬杖を付いてみた。
end.
- お兄ちゃん -
春市が入学してきた頃、俺の弟だなんて、少し変わった名前と似ている顔で、誰に言う事も無くバレた。
そもそも、同級生とか、よくつるんでる奴らとの間では、既に、「弟が入ってくるかも」とは話題に出した事があったが、別段、興味を惹かれる事は無く、野球馬鹿の面々は俺の弟が特別なんじゃなくて、俺が気にしている存在が来るって所が気になっては居たみたい。打率だとか、ポジションだとか。ホントに、野球馬鹿。
入ってきたら、入って来たらで、春市が「兄貴」って普段通り呼んで俺のこと尊敬してます〜って熱いまなざしで見るもんだから、からかわれた。実にうざったいと思いつつ、弟を真似るように「兄貴」や、「お兄ちゃん」と呼ばれる事もあった。まぁ、弟くんなんて、呼ばれてる彼を見れば、真っ直ぐな奴らの精一杯頭を動かしてのアイディアなんて、そんなもんだ。
基本は、亮さんって、周りから呼ばれる。同級らは、亮っと、呼び捨てにする。話の流れやノリで、兄貴と呼ばれるようになった。俺はお前たちの兄じゃないよ。顔には出さずに涼しく流した。クラスの連中らは、俺が兄貴なんて呼ばれてて、周りに居るゴツイ野球部員に囲まれてる所を見ると面白いらしく、女子辺りにクスクスと笑われたりもした。
一時的なニックネームの流行りみたいなもんで、下級生も、特に沢村が「あにきぃ」なんて、呼ぶもんだから、ソレを筆頭に周りもたまに、お兄さんと、口にしたりした。
別に好意的な呼び方だから、止める事はしなかった。空気を読んだりはあまりしないけど、楽しんでるみたいだし、放っておく。止めるのもめんどくさいし。でも、クリスや哲に「兄貴」と、呼ばれたときは、ちょっと、微妙だったけど・・・。あいつら、兄貴って雰囲気かよ。
思い切り身体を動かして、風呂で汗を流して夕食の時間。空腹の胃を刺激するようにご飯のいいにおい。今日のメニューはカラッと揚がったトンカツ。「頂きます」と、手を合わせて、ご飯を食べ始める。隣に座った純が相変わらず五月蝿いけど、慣れたもの。ギャーギャー言ってると思ってたら、食堂に入ってきた御幸を呼び寄せて、目の前に座らせる。続くように、倉持もその横に座った。
「お前、今日は調子が悪かったのか?」
口も態度も悪いけど、純は結構、面倒見が良い。調子の悪そうな奴を見るとこうやって、声を掛けたりしてる。
「いやぁ、そうですかぁ〜?」と、相変わらずヘラヘラしてる御幸が、「純お兄ちゃんは優しいなぁ〜」なんて、言う。
俺の兄貴呼びブームから、先輩たちの事を、お兄ちゃんと呼ぶ奴が出てきたのは知っていた。可愛くもない後輩にお兄ちゃんと言われても嬉しくないが。すぐに手が出る奴は、言葉を後にして、御幸に倉持が鉄槌を食らわせる。
「真面目に応えろよ」
ひゃはっと、笑っているくせに、割と真面目な奴だ。少々暴力的だけど。三人で戯れるみたいに、ぎゃいぎゃい騒いで話しながら、箸を動かしてるのを、微笑ましい気持ちで見た。
トンカツの付け合わせに、キャベツの千切りと、トマトが添えられていた。ソレを見て、そういえば、春市は昔、トマトが苦手だったなっと、思ったら、目の前の御幸が、倉持の更にコッソリとトマトをおいているのを見た。
「御幸、」
名前を呼んでやると、驚いた顔で俺を見て、誤摩化すように笑ってみせた。「おにぃちゃ〜ん」と、困った風に声を上げる。
「御幸、トマト、苦手なの?」
倉持の皿に忍ばせてっと、言うと、倉持が自分の皿に気付いて「わっ、また増えてる!」と、言う所から、御幸がトマトを託す常習犯だと言う事が分かる。
ふぅ〜んっと、俺が言うと、ますます困った顔をして、御幸が、あーとか、うーとか言う。
「子供じゃないんだから、克服しなよ」
と、自分の皿から、トマトを御幸の皿に乗せる。「そうだな、好き嫌いはいかんぞ」っと、純も皿からトマトを寄越す。倉持も、ひゃはっと、笑って、「そうだぞ、いつまでも俺が付いてる訳じゃないんだから、大人になれ」と、全てのトマトが御幸の皿の上に集中する。
うぇ〜〜っと、御幸が悲惨な声をあげる。
「ばーか、ばーか、ざまぁみろっ」と、倉持がからかって、食事時間一杯まで、御幸は遅々とトマトを突つきながら食べていた。最後に、口直し用に残しておいたトンカツの真ん中とご飯をかき込むようにして、御幸が食事を終えた。
早々に食べ終えた、俺と、純、そして、倉持は既に食べ終わった食器も片付けて、外の自販機でジュースを飲みながら、御幸がひーひー言いながら食べ終わるのを見て居た。
「ごっそうさんですっ!!もぅ、意地が悪いっすよぉ〜。ニヤニヤしながら見てるんだもんなぁー。トマト、食べれなくはないけど青臭くて苦手なんです。ケチャップとかなら、あんま青臭くなくて食べれるんだけどなぁ」と、やっと苦行から解放された御幸が一気に喋る。
「スゴく楽しませてもらったよ、よく食べれたね」
そういって、自分のと一緒に買っておいたジュースをあげると、「おにぃちゃん〜〜」と、ありがたく受け取った。それを、からかう純と、倉持を邪見に「やめろよぉ」と、言う、御幸をニヤリと頬杖を付いてみた。
end.
PR
カウンター
カテゴリー
プロフィール
HN
ナオ太。
連絡先
kuroyagi_yuubin☆yahoo.co.jp
(☆→@に変更)
(☆→@に変更)