宍日/鍵(title)
お題十二目。「鍵」(配布元:RUTH 様)
テニスの宍日です。
- 鍵 -
鍵は自分が持っているのに、答えの箱を開けないだけ。
コレは強い憧れだ。好意的に思っているだけだ。
決して恋ではない。
宍戸さんが、真剣な目を向けて、俺のことが好きだと言った。
試合のときのような集中力を含んだような強い目に、ビリビリと身体が痺れた。
でも、彼の言葉を、好意から鵜呑みして、ハイっと返事は出来なかった。
視線の強さに、負けて、下を向いた俺の耳をソッと撫で、ゆっくりで良いから。
そう言った。
急かすのでなく、自分の中の答えを教えてくれよっと。
俺は既に開いている箱と、鍵を持ったまま、佇んでいる。
鳳に相談もできない。
「ハイ」っと、あの時、絞り出した声は、何に対してのハイだったのか。
宍戸さんに背を向けるまえに、自分の中でカチリと音はしていたんだ。
あとは取っ手に、手を引っかけて開けるだけ。
開けちゃ駄目だ。俺が鍵を握っていても、答えは出しちゃ駄目だ。
だって、これは、好意だから。
飲み込んでしまいそうな言葉を吐き出して、理性で再び鍵を閉めた。
コレで良かったのかな?
自身への問いかけに「ハイ」っと、言葉は出てこなかった。
end.
飲み込んだのは、”う”
好意から”う”を抜いて、恋になる。
両想いだけど、駄目だった恋。
テニスの宍日です。
- 鍵 -
鍵は自分が持っているのに、答えの箱を開けないだけ。
コレは強い憧れだ。好意的に思っているだけだ。
決して恋ではない。
宍戸さんが、真剣な目を向けて、俺のことが好きだと言った。
試合のときのような集中力を含んだような強い目に、ビリビリと身体が痺れた。
でも、彼の言葉を、好意から鵜呑みして、ハイっと返事は出来なかった。
視線の強さに、負けて、下を向いた俺の耳をソッと撫で、ゆっくりで良いから。
そう言った。
急かすのでなく、自分の中の答えを教えてくれよっと。
俺は既に開いている箱と、鍵を持ったまま、佇んでいる。
鳳に相談もできない。
「ハイ」っと、あの時、絞り出した声は、何に対してのハイだったのか。
宍戸さんに背を向けるまえに、自分の中でカチリと音はしていたんだ。
あとは取っ手に、手を引っかけて開けるだけ。
開けちゃ駄目だ。俺が鍵を握っていても、答えは出しちゃ駄目だ。
だって、これは、好意だから。
飲み込んでしまいそうな言葉を吐き出して、理性で再び鍵を閉めた。
コレで良かったのかな?
自身への問いかけに「ハイ」っと、言葉は出てこなかった。
end.
飲み込んだのは、”う”
好意から”う”を抜いて、恋になる。
両想いだけど、駄目だった恋。
PR
カウンター
カテゴリー
プロフィール
HN
ナオ太。
連絡先
kuroyagi_yuubin☆yahoo.co.jp
(☆→@に変更)
(☆→@に変更)