宍鳳/箱(title)
お題八つ目。「箱」(配布元:RUTH 様)
テニスの宍鳳です。日吉受けじゃなくてすみません;
- 箱 -
鳳はホント、真っ直ぐで、汚れを知らないっていうか。
今まで箱にしまってあったあいつを俺は開けちゃっていいのか?って、この状況に直面して考えているわけです。
何となく、付き合い始めて半年、手を繋ぐ以上の事をしてない。
少女漫画思考の忍足なんかに言えば、泣いて喜びそうだ。
初心だとかなんだいって、人をバカにしてるような褒め言葉でな。
想像だけでも、腹が立ちそうだな。
中学生男子が、手を繋いだ繋いでないで満足するわけない。
だから、一緒に出かけた映画の帰り道に、「なぁ、キスしようぜ」っと、言った。
このまま歩いていけば、駅について、人が多い中で普段と変わらないバカ話を交わして、最寄り駅でサヨナラになると思ったから、
映画館から少し歩いて、たまたま見つけた公園をプラプラ歩いた。
映画が終わったのも夕方ごろだったから、遊んでる子供も家に帰ったのか居ない。
ずっと二人一緒にいたいなっとか、そんな言えない。
だけど、鳳ともう一歩進みたかった、俺は先ほどの問いかけを口にした。
「えっ」と驚いて、瞳がウロウロとするが、嫌そうな感じはしなかった。
だから、手を引いて、鳳をベンチに座らせた。
真剣に見つめると、恥ずかしそうに、鳳がギコチナく笑った。
肩に手を置いた。座らせた事で身長的な壁はない。このまま、口を近づけるだけ・・・。
っと、言う所で、両手で口元を押さえられた。
「おい」っと、言った声は、低く、それに、押さえられてるせいで、くぐもって、余計こわい感じになった。
「え、映画の話でもしましょう、俺、ちょっと、心の準備が・・・」
「俺は、今日、したい」
「・・・していいんですけど、その・・・もう少し待って」
「それって、今日して良いの?」
「はい」
半ば無理矢理OKをもらったような遣り取りだったが、これ以上、彼の事を気にかけて、キスするのが一年後だったらっと思うとこわい。
こいつ相手ならなりかねない。
ベンチにすわり、映画の感想を言いあった。今回の映画は、アクションだけど、ヒロインを助けて、見事ゴールって感じの単純明快なストーリー。
誰もが幸せになるようなエンドで、ヒロインとヒーローは、最後キスをして終わった。
映画の話で多少はぐらかそうと思ってた鳳は、今回の映画が不適切だということに、気付いたのか、最初からゆっくりと、口々に言いあう感想が終わりへ向かうにつれ、もじもじと落ち着きが無くなった。
俺は、わかっていて、その映画をチョイスしたわけではなかったけど、運は俺に味方したなっと思った。
「エンディングよかったよな、二人が結ばれて」
「そう、ですね」
もう、さっきから、膝の上に置かれた自分の手ばかり見てる鳳がチラリとコチラを伺う。
ぎこちないけど、意識し過ぎだよ。そこもまた、可愛いけど。
「俺らも・・・」
そう言って、肩を引き寄せる。鳳も腹を決めたのか、震える瞼を閉じて、耳まで真っ赤にして、祈るように指を組んで俺が近づいてるのを待っている。
それを見た所で、冒頭のあれだ。
鳳はホント、真っ直ぐで、汚れを知らないっていうか。
今まで箱にしまってあったあいつを俺は開けちゃっていいのか?って、この状況に直面して考えているわけです。
さっきまではキスしたいの一心で、心は決まっていたはずなのに。
こいつのために、あと半年待っても良いかもしれないと、チラリと思った。
だけど、動こうとしない俺を伺うように鳳がチラリと薄目を開けて、鳳が
「俺も、宍戸さんとキスしたいです。俺じゃ駄目ですか?」っと、言われて、迷ったのが不思議なぐらいコンマのスピードでキスをした。
ガッついた俺のせいで、歯がぶつかって不格好だったけど、鳳は、はなれた俺を見て、へへへっと、嬉しそうに笑った。
「僕等も今日、ハッピーに終わりましたね」っと。
まだエンドではないけど、この純粋で真っ直ぐな彼をより大事にしようと。
end.
テニスの宍鳳です。日吉受けじゃなくてすみません;
- 箱 -
鳳はホント、真っ直ぐで、汚れを知らないっていうか。
今まで箱にしまってあったあいつを俺は開けちゃっていいのか?って、この状況に直面して考えているわけです。
何となく、付き合い始めて半年、手を繋ぐ以上の事をしてない。
少女漫画思考の忍足なんかに言えば、泣いて喜びそうだ。
初心だとかなんだいって、人をバカにしてるような褒め言葉でな。
想像だけでも、腹が立ちそうだな。
中学生男子が、手を繋いだ繋いでないで満足するわけない。
だから、一緒に出かけた映画の帰り道に、「なぁ、キスしようぜ」っと、言った。
このまま歩いていけば、駅について、人が多い中で普段と変わらないバカ話を交わして、最寄り駅でサヨナラになると思ったから、
映画館から少し歩いて、たまたま見つけた公園をプラプラ歩いた。
映画が終わったのも夕方ごろだったから、遊んでる子供も家に帰ったのか居ない。
ずっと二人一緒にいたいなっとか、そんな言えない。
だけど、鳳ともう一歩進みたかった、俺は先ほどの問いかけを口にした。
「えっ」と驚いて、瞳がウロウロとするが、嫌そうな感じはしなかった。
だから、手を引いて、鳳をベンチに座らせた。
真剣に見つめると、恥ずかしそうに、鳳がギコチナく笑った。
肩に手を置いた。座らせた事で身長的な壁はない。このまま、口を近づけるだけ・・・。
っと、言う所で、両手で口元を押さえられた。
「おい」っと、言った声は、低く、それに、押さえられてるせいで、くぐもって、余計こわい感じになった。
「え、映画の話でもしましょう、俺、ちょっと、心の準備が・・・」
「俺は、今日、したい」
「・・・していいんですけど、その・・・もう少し待って」
「それって、今日して良いの?」
「はい」
半ば無理矢理OKをもらったような遣り取りだったが、これ以上、彼の事を気にかけて、キスするのが一年後だったらっと思うとこわい。
こいつ相手ならなりかねない。
ベンチにすわり、映画の感想を言いあった。今回の映画は、アクションだけど、ヒロインを助けて、見事ゴールって感じの単純明快なストーリー。
誰もが幸せになるようなエンドで、ヒロインとヒーローは、最後キスをして終わった。
映画の話で多少はぐらかそうと思ってた鳳は、今回の映画が不適切だということに、気付いたのか、最初からゆっくりと、口々に言いあう感想が終わりへ向かうにつれ、もじもじと落ち着きが無くなった。
俺は、わかっていて、その映画をチョイスしたわけではなかったけど、運は俺に味方したなっと思った。
「エンディングよかったよな、二人が結ばれて」
「そう、ですね」
もう、さっきから、膝の上に置かれた自分の手ばかり見てる鳳がチラリとコチラを伺う。
ぎこちないけど、意識し過ぎだよ。そこもまた、可愛いけど。
「俺らも・・・」
そう言って、肩を引き寄せる。鳳も腹を決めたのか、震える瞼を閉じて、耳まで真っ赤にして、祈るように指を組んで俺が近づいてるのを待っている。
それを見た所で、冒頭のあれだ。
鳳はホント、真っ直ぐで、汚れを知らないっていうか。
今まで箱にしまってあったあいつを俺は開けちゃっていいのか?って、この状況に直面して考えているわけです。
さっきまではキスしたいの一心で、心は決まっていたはずなのに。
こいつのために、あと半年待っても良いかもしれないと、チラリと思った。
だけど、動こうとしない俺を伺うように鳳がチラリと薄目を開けて、鳳が
「俺も、宍戸さんとキスしたいです。俺じゃ駄目ですか?」っと、言われて、迷ったのが不思議なぐらいコンマのスピードでキスをした。
ガッついた俺のせいで、歯がぶつかって不格好だったけど、鳳は、はなれた俺を見て、へへへっと、嬉しそうに笑った。
「僕等も今日、ハッピーに終わりましたね」っと。
まだエンドではないけど、この純粋で真っ直ぐな彼をより大事にしようと。
end.
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