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宮牧/酷い人

SIRENの宮田先生→牧野さんの話。
双子好きだ。
短いです。宮田先生の妄想。軽く病んでる。
- 酷い人 -


あなたは酷い人です。
俺と同じ形をしてるのに、顔を歪ませる。
村の人は言った。
牧野さんの笑顔は素敵ですね。
隣にたまたま居合わせた俺は、耳にした言葉を疑った。
笑顔?
これが?
口が湾曲して、歪んでいる。
とても醜い表情じゃないか。
同じ形、同じ姿、同じものを持っているのに。
そんな風に筋肉を動かして。
滑稽だ。
俺の口端は上がらない。
だらしなく目尻を下げたりしない。
俺の前では困ったように下がる眉毛。
変な顔ですよ。
これの何処が、素敵な笑顔なんですか。
笑うって。
苛立った。
どうしてそんな顔するんですか。
もっとちゃんと笑ってください。
それは笑顔じゃない。

それから、怒って、何も言わずに帰った。
村人と話し終わって、俺の方を見た牧野さん。
「どうしたんですか?」と、声をかけた。
声が、遠い。
同じ質の声。いや、聞いたのは俺か?
どちらの声ともわからず背を向けた。
部屋に入り、扉に鍵をかけた。
目をつぶり、ゆっくりと息を吐いた。

牧野さんが、本当に笑える事を想像した。
部屋に閉じ込めて、俺だけが彼と会う。
食べ物だって甲斐甲斐しく運んでやろう。
小さく切り分けて、一口ずつ。
シーツは毎日変えてやる。
洗濯の香りがする。雨の日が続いたら毎日は無理かもしれないが。
風呂は一緒に入って丁寧に洗ってやろう。
自分と同じものだ、要領は変わらない。
トイレも手を引いて連れて行ってやろう。
怖いと言ったら一緒に個室にも入ってやるのに。
寝るときはやわらかな髪を撫でてやろう。
おやすみっと囁いてやると強ばった顔。
想像の中の彼は言った。
「家に帰りたい」と言って、涙を流した。

やっと笑ったね。


end
宮田先生は牧野さんを監禁したい。
笑うと悲しいや怯えが逆転してる。
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