忍日/溜息
付き合い始めの忍日、短い話です。
忍足さんが相手の話は、甘くなると言うか、ゲロッとします。
書いてて、オイオイってなる(笑)。
- 溜息 -
忍足さんと付き合うことになって、3ヶ月。
全く慣れない。だいたい、自分が何でOKしてしまったのかさえ、わからない。
勢いにのまれるまま、自分も嫌いじゃない、むしろ好意的で、男同士だからとか全く関係なく受け入れてしまっていた。
彼は女の子に向けるように俺に「可愛い」とか「きれい」と褒めるけど、全くそんな部分はない。
持ち合わせていない美点を褒められても・・・。でも、顔を見ればからかっている雰囲気はゼロ。
バカにしているわけではない。彼には自分自身には見えない何か可愛いとか綺麗と思えるような所が見えるんだろう。
褒められたからって全然嬉しくも何ともないけど。
今日も「可愛いひよちゃん」なんてデレデレして気持ち悪いぐらいに緩みきった笑顔で話しかけられた。
悪い人ではない、部活に入れば良い先輩で、色々と教えてくれる。
芥川先輩や向日先輩にちょっかい出されて困ってるときはやんわりと矛先を変えてくれる。
頼もしいと言えば、頼もしい。
落ち着いている所もカッコいいのに。なんか、俺に見せる幸せで緩ーくなった笑顔は気恥ずかしくて・・・。
帰り道は二人で。まるで女性に対するみたいに送るよと言われた。
俺は男だし、そんな気遣い要らないのにっと、前に言ったら、恋人なんだから一緒にいたいでしょ!少しでも長く!と、怒られた。
その時、少女漫画でも読んで勉強してや、とか言ってたけど、まだ一冊も読んでない。
ボンヤリとあの時の遣り取りを考えてたら、「二人のときは名前で読んで良い?」と問われた。
はいと、短く答えた。
彼は、「ひよし わかし」
喉に覚えさすようにゆっくりと発音した。
「可愛い名前、俺めっちゃ好きだわ」
真っ直ぐ過ぎて恥ずかしい。照れを隠すように髪の毛を撫で付けた。
肩にかけてるバックを抱え直した。
「ありがとうございます」
何故例を言ったのか分からない。
「俺のことも名前で読んで」
「・・・・ゆーし」
俺が名前を口にすると「うん」と返事をした。
とても嬉しそうで、目元が優しい。その視線にドキドキしてすぐに目をそらした。
落ち着けようと深く息を吐いた。
突然、息が詰まって、目を大きく見開くと、目の前に忍足の顔。
え?っと驚いてる間も口が触れ合ったままで、零れた息を吹き込むようにされる。
人の息が戻って・・・・耳までカッと熱くなった。
自然に離れて行く顔を見つめることしか出来ない。
「溜息良くない。今、俺が若の幸せ拾って、返しといた」と、笑った。
一気に上がりきった心拍数で心臓が痛い。
「俺が若を幸せにしたるん」
歌うように言った彼はとても幸せそうだ。
「はい、ありがとうございます」
一杯一杯のまま、なんとなく礼を口にしていた。
その言葉に驚いた彼は、「はい、ありがとさん」と、礼を口にして「天然だなぁ、可愛い」と、全く嬉しくない褒め言葉をまた言った。
end.
忍足さんが相手の話は、甘くなると言うか、ゲロッとします。
書いてて、オイオイってなる(笑)。
- 溜息 -
忍足さんと付き合うことになって、3ヶ月。
全く慣れない。だいたい、自分が何でOKしてしまったのかさえ、わからない。
勢いにのまれるまま、自分も嫌いじゃない、むしろ好意的で、男同士だからとか全く関係なく受け入れてしまっていた。
彼は女の子に向けるように俺に「可愛い」とか「きれい」と褒めるけど、全くそんな部分はない。
持ち合わせていない美点を褒められても・・・。でも、顔を見ればからかっている雰囲気はゼロ。
バカにしているわけではない。彼には自分自身には見えない何か可愛いとか綺麗と思えるような所が見えるんだろう。
褒められたからって全然嬉しくも何ともないけど。
今日も「可愛いひよちゃん」なんてデレデレして気持ち悪いぐらいに緩みきった笑顔で話しかけられた。
悪い人ではない、部活に入れば良い先輩で、色々と教えてくれる。
芥川先輩や向日先輩にちょっかい出されて困ってるときはやんわりと矛先を変えてくれる。
頼もしいと言えば、頼もしい。
落ち着いている所もカッコいいのに。なんか、俺に見せる幸せで緩ーくなった笑顔は気恥ずかしくて・・・。
帰り道は二人で。まるで女性に対するみたいに送るよと言われた。
俺は男だし、そんな気遣い要らないのにっと、前に言ったら、恋人なんだから一緒にいたいでしょ!少しでも長く!と、怒られた。
その時、少女漫画でも読んで勉強してや、とか言ってたけど、まだ一冊も読んでない。
ボンヤリとあの時の遣り取りを考えてたら、「二人のときは名前で読んで良い?」と問われた。
はいと、短く答えた。
彼は、「ひよし わかし」
喉に覚えさすようにゆっくりと発音した。
「可愛い名前、俺めっちゃ好きだわ」
真っ直ぐ過ぎて恥ずかしい。照れを隠すように髪の毛を撫で付けた。
肩にかけてるバックを抱え直した。
「ありがとうございます」
何故例を言ったのか分からない。
「俺のことも名前で読んで」
「・・・・ゆーし」
俺が名前を口にすると「うん」と返事をした。
とても嬉しそうで、目元が優しい。その視線にドキドキしてすぐに目をそらした。
落ち着けようと深く息を吐いた。
突然、息が詰まって、目を大きく見開くと、目の前に忍足の顔。
え?っと驚いてる間も口が触れ合ったままで、零れた息を吹き込むようにされる。
人の息が戻って・・・・耳までカッと熱くなった。
自然に離れて行く顔を見つめることしか出来ない。
「溜息良くない。今、俺が若の幸せ拾って、返しといた」と、笑った。
一気に上がりきった心拍数で心臓が痛い。
「俺が若を幸せにしたるん」
歌うように言った彼はとても幸せそうだ。
「はい、ありがとうございます」
一杯一杯のまま、なんとなく礼を口にしていた。
その言葉に驚いた彼は、「はい、ありがとさん」と、礼を口にして「天然だなぁ、可愛い」と、全く嬉しくない褒め言葉をまた言った。
end.
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