風綾/ひとくちめ
前に書いた「大人気ない」「子供なんだ」「どっちも同じ」の風綾の設定と同じです。
29歳風間さんと大学生の18歳綾小路くんの話から2年後でお願いします。
前作読まなくても大丈夫です。
パロ苦手な方はスルーしてください。
29歳風間さんと大学生の18歳綾小路くんの話から2年後でお願いします。
前作読まなくても大丈夫です。
パロ苦手な方はスルーしてください。
- ひとくちめ -
付き合い始めた二年前から、風間のことは得体の知れない存在ではあった。
一応人間という括りに分類分け出来てた事に自分を褒めてやりたい。
「彼はどうしているんだろう」から「彼は生きているのだろうか」まで。
時間は過ぎた。4ヶ月程、音信不通だった。
何の手段も無い、携帯電話は繋がらない状態。前は連絡も無く突然やってきたのに。
そして、居なくなってから気付いた。
あ、俺、風間の家、知らない・・・・・。
いつもは彼の方から来ていた、連絡はこちらからしたことはあったけど、年の差もあってあまり執着した所を見せたくないなんて事も少し思ってた。
そんな事考えるんじゃなかった。高校生のときから知り合って、大学生の時に付き合い始めたって言うのにどう言うことだ。
彼の家を知らないことに、全く疑問に思わなかったんだろうか?の回答は自分の中で出せないのに、本当に好きだったのか?って回答は直ぐに出てきた。
好きだ、好きだから4ヶ月音信不通でも待ってるんだろうがって。
そんな事を考えてたら、自分の誕生日が過ぎた。最後に会ったのが8月の終わりぐらい。
一月もこのまま過ぎていくのかなっと考えながら家族と過ごした正月休みにも飽きて一人暮らしのアパートに帰ってきたのが4日。
雪は降ってないが寒い冬空の下、待っていたバカが居た。
風間だ。
両手を組んで扉の前に立っている、幻覚でも見たのかと思った。
何度見直してもそこに居るのは本物らしい、「やぁ久しぶり」と声をかけてくる能天気な感じも変わらずに。
「なんで、玄関でいつも立ってるの?」
「だって、綾小路、合鍵くれないんだもん。そろそろくれても良いと思うんだけどな」
ブランクも忘れちゃったのか、それとも、風間に取って会えない期間は体した事ないってこと?
移り気の早い奴だったら、とっくに見捨ててる。カギ開けるからっと横に押しやって、手早くカギを開け、自分だけ中に入った。直ぐにカギをかけるのも忘れない。
「え!?ちょっと、僕がまだ外に残ってますよ〜!!」
「良いから今から酒屋に行って今一番美味しいと思う酒を買ってこい」
コレは命令だ!っといつもは言わないような口調で叫んでいた。ドア越しに不意をつかれて完全に置いてかれた風間がトントンとノックする。
ソコに凭れ掛かった俺は「いいから、早く!」と急かした。
「買ってきたら、入れてよね!」
戻ってきた風間は酒瓶数本とビールの箱、それと何故かコンビニのおでんを買って帰ってきた。
しきりに寒い寒いと言って暖房の前に手を出してる。冷えた髪の毛に触れて、酒のお礼を言った。
まだ、おかえりとは言ってやらない。
「ねぇ、酒なんて突然どうしたの?僕の趣味だけど、よかった?」
高い料理酒では無いでしょ?っと言う彼はきっと分かってるはず。
「俺は、先日晴れて二十歳になった。ギリギリ彼氏の風間は秋頃から姿を見せず、半ば見捨てた状態の俺だったが、酒を買ってこいと言った。今から、これでお祝いをしよう。初飲みだからな」
「え!?飲んだこと無いの?学生でしょ?飲み会とかさ!」
「頑に飲まない奴が居ても別に良いだろ!俺はお前と飲みたかったんだ」
だって、大人の一歩だろ。とは、口が裂けても言わない。
気にしないと言っても年齢はちょこちょこ気になるけど、20歳を過ぎると急に大人の席に座れることが増えるから。
クッションに座り、言われた通りにお湯を用意した。
「寒いからお湯割りね」っと準備が整った所、風間が慣れた手つきでコップに注いだ。
「では、遅くなりましたが、誕生日おめでとうございます」
乾杯の音頭は手短にして、湯気と一緒に上がる匂いとともに一口飲んだ。
鼻に抜ける柔らかな匂いが心地よく美味しいかも。
風間のことだ、高価なものを買ってきたからって理由もあるだろう。あえて値段は聞かないでおく。
ゆっくりと味わって飲み込んだ酒はなかなか。コンビニのおでんをチビチビ食べた。
「コンビニのおでんはココのが一番おいしいよね」っと横でクシャクシャになったビニール袋を指差した。ロゴマークなんて見えない。
なんだって関係ない。また風間が買ってこれば良い。
「ねぇ、さっきさ、何ヶ月も連絡就かない僕を” 半ば見捨てた状態 ”って言ってたけど、半分は帰ってくれるって待っててくれたんだね?」
ニヤリと意地の悪い笑顔。問いかけてきてるくせに答えを知ってる奴の話し方だ。
返事もせずに顔を背けて、もう一口酒を飲んだ。
2杯飲んだ頃から急に酔いが回ってきた。美味しいと感じても酔いが回るのは早いみたいだ。ボンヤリとしつつ自分を分析して、まだ開けられてない酒瓶を見た。
風間は余裕の上々で飲み進めてる。コレが酒になれた人間だからか?
「何?ジロジロ見ちゃって。久しぶりに見て、やっぱりカッコいいって思った?」
「思ってない」
「え、酷いなぁ。綾小路はカッコ良くなったよ」
「お世辞は要らない、なぁ、俺今欲しいものがあるんだけど」
「良いよ、プレゼントに何でもあげる」
そう言ったので、掌を差し出して「お前のカギをくれ」とお願いした。
自分は合鍵をくれと言われても拒むくせに、風間のカギが欲しい。
使うことは無いにしても、風間の家が知りたいし、もう少しだけ、彼のことが知りたいから。
「いいよ」
簡単にOKが出て手渡されたキーホルダー付きのカギ。
手の中のカギは自分の知っているカギと形状が似ていた、半分座った目でジロリと風間を見ると「わ、ごめん、コレはココのカギだった」とシレッと言った。
こいつ、勝手に合鍵作ってやがった・・・。しかも、カギがあるのに待ってるとか、意味分かんない。
「はい、今度こそコレね」と、渡されたカギ。
「今日はココに泊まるから、明日泊まりにきて」と言われて。
返す変わりに「餅きん、美味しいな」と言って無視をした。
明日、泊まるかは別として、風間の家に乗り込む。
end.
夏に!冬の!話を!かく!
いいね!(え)
付き合い始めた二年前から、風間のことは得体の知れない存在ではあった。
一応人間という括りに分類分け出来てた事に自分を褒めてやりたい。
「彼はどうしているんだろう」から「彼は生きているのだろうか」まで。
時間は過ぎた。4ヶ月程、音信不通だった。
何の手段も無い、携帯電話は繋がらない状態。前は連絡も無く突然やってきたのに。
そして、居なくなってから気付いた。
あ、俺、風間の家、知らない・・・・・。
いつもは彼の方から来ていた、連絡はこちらからしたことはあったけど、年の差もあってあまり執着した所を見せたくないなんて事も少し思ってた。
そんな事考えるんじゃなかった。高校生のときから知り合って、大学生の時に付き合い始めたって言うのにどう言うことだ。
彼の家を知らないことに、全く疑問に思わなかったんだろうか?の回答は自分の中で出せないのに、本当に好きだったのか?って回答は直ぐに出てきた。
好きだ、好きだから4ヶ月音信不通でも待ってるんだろうがって。
そんな事を考えてたら、自分の誕生日が過ぎた。最後に会ったのが8月の終わりぐらい。
一月もこのまま過ぎていくのかなっと考えながら家族と過ごした正月休みにも飽きて一人暮らしのアパートに帰ってきたのが4日。
雪は降ってないが寒い冬空の下、待っていたバカが居た。
風間だ。
両手を組んで扉の前に立っている、幻覚でも見たのかと思った。
何度見直してもそこに居るのは本物らしい、「やぁ久しぶり」と声をかけてくる能天気な感じも変わらずに。
「なんで、玄関でいつも立ってるの?」
「だって、綾小路、合鍵くれないんだもん。そろそろくれても良いと思うんだけどな」
ブランクも忘れちゃったのか、それとも、風間に取って会えない期間は体した事ないってこと?
移り気の早い奴だったら、とっくに見捨ててる。カギ開けるからっと横に押しやって、手早くカギを開け、自分だけ中に入った。直ぐにカギをかけるのも忘れない。
「え!?ちょっと、僕がまだ外に残ってますよ〜!!」
「良いから今から酒屋に行って今一番美味しいと思う酒を買ってこい」
コレは命令だ!っといつもは言わないような口調で叫んでいた。ドア越しに不意をつかれて完全に置いてかれた風間がトントンとノックする。
ソコに凭れ掛かった俺は「いいから、早く!」と急かした。
「買ってきたら、入れてよね!」
戻ってきた風間は酒瓶数本とビールの箱、それと何故かコンビニのおでんを買って帰ってきた。
しきりに寒い寒いと言って暖房の前に手を出してる。冷えた髪の毛に触れて、酒のお礼を言った。
まだ、おかえりとは言ってやらない。
「ねぇ、酒なんて突然どうしたの?僕の趣味だけど、よかった?」
高い料理酒では無いでしょ?っと言う彼はきっと分かってるはず。
「俺は、先日晴れて二十歳になった。ギリギリ彼氏の風間は秋頃から姿を見せず、半ば見捨てた状態の俺だったが、酒を買ってこいと言った。今から、これでお祝いをしよう。初飲みだからな」
「え!?飲んだこと無いの?学生でしょ?飲み会とかさ!」
「頑に飲まない奴が居ても別に良いだろ!俺はお前と飲みたかったんだ」
だって、大人の一歩だろ。とは、口が裂けても言わない。
気にしないと言っても年齢はちょこちょこ気になるけど、20歳を過ぎると急に大人の席に座れることが増えるから。
クッションに座り、言われた通りにお湯を用意した。
「寒いからお湯割りね」っと準備が整った所、風間が慣れた手つきでコップに注いだ。
「では、遅くなりましたが、誕生日おめでとうございます」
乾杯の音頭は手短にして、湯気と一緒に上がる匂いとともに一口飲んだ。
鼻に抜ける柔らかな匂いが心地よく美味しいかも。
風間のことだ、高価なものを買ってきたからって理由もあるだろう。あえて値段は聞かないでおく。
ゆっくりと味わって飲み込んだ酒はなかなか。コンビニのおでんをチビチビ食べた。
「コンビニのおでんはココのが一番おいしいよね」っと横でクシャクシャになったビニール袋を指差した。ロゴマークなんて見えない。
なんだって関係ない。また風間が買ってこれば良い。
「ねぇ、さっきさ、何ヶ月も連絡就かない僕を” 半ば見捨てた状態 ”って言ってたけど、半分は帰ってくれるって待っててくれたんだね?」
ニヤリと意地の悪い笑顔。問いかけてきてるくせに答えを知ってる奴の話し方だ。
返事もせずに顔を背けて、もう一口酒を飲んだ。
2杯飲んだ頃から急に酔いが回ってきた。美味しいと感じても酔いが回るのは早いみたいだ。ボンヤリとしつつ自分を分析して、まだ開けられてない酒瓶を見た。
風間は余裕の上々で飲み進めてる。コレが酒になれた人間だからか?
「何?ジロジロ見ちゃって。久しぶりに見て、やっぱりカッコいいって思った?」
「思ってない」
「え、酷いなぁ。綾小路はカッコ良くなったよ」
「お世辞は要らない、なぁ、俺今欲しいものがあるんだけど」
「良いよ、プレゼントに何でもあげる」
そう言ったので、掌を差し出して「お前のカギをくれ」とお願いした。
自分は合鍵をくれと言われても拒むくせに、風間のカギが欲しい。
使うことは無いにしても、風間の家が知りたいし、もう少しだけ、彼のことが知りたいから。
「いいよ」
簡単にOKが出て手渡されたキーホルダー付きのカギ。
手の中のカギは自分の知っているカギと形状が似ていた、半分座った目でジロリと風間を見ると「わ、ごめん、コレはココのカギだった」とシレッと言った。
こいつ、勝手に合鍵作ってやがった・・・。しかも、カギがあるのに待ってるとか、意味分かんない。
「はい、今度こそコレね」と、渡されたカギ。
「今日はココに泊まるから、明日泊まりにきて」と言われて。
返す変わりに「餅きん、美味しいな」と言って無視をした。
明日、泊まるかは別として、風間の家に乗り込む。
end.
夏に!冬の!話を!かく!
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