跡日/手を繋ぎたいんだ
中学生な初なデートをしよう、な、跡日(爆)
ほのぼのとグダグダを勘違いしました
- 繋ぎたいんだ -
あまり、恋愛ごとに積極的ではない日吉から誘いを受けたのは4日前だった、一般的には平日。自分たちにとったら創立記念日
その日に動物園に行きましょうと言われた
もともと、久々に部活のない日だったので自分から何か約束を取り付けようと思っていたので、すぐに返事をした
「わかった、金曜日に」
俺の答えを聞いた日吉は緊張していたのか息をついて安心した表情を見せた
「8時に駅前の時計の下で待ってます、遅れずに来てください」
「あぁ、おまえこそ遅れるなよ?」
「わかってます」
と、会話したとおりに10分前にきた待ち合わせ場所には普段着の日吉が立っていた
通勤等で人が溢れる時間、早足に歩く人に紛れていた
こちらに気づいたのか、小さく手を挙げたので手を振った
日吉は自分の挙げた手を何故か気まずそうに見やり、そのまま前髪を撫でつけた
「おはようございます」
「おはよう、早かったな」
「跡部さんも遅刻しませんでしたね」
「当たり前だ、俺を誰だと思ってる」
「……さて、電車に乗りましょうか。切符買いに行きましょう。買い方知ってますか?」
にやりと意地悪げに口端をあげた日吉は返事も聞かずに券売機の方へ歩き始めた
「買い方ぐらい知ってる、バカにするな」
「そうですか、俺はてっきりいつも車だったので知らないのかと思いました」
なんだか普段より上機嫌に会話を弾ませる日吉は先程の意地悪な笑い方でなくふわりと笑った
電車のアナウンスが聞こえ、通勤通学等で混みあうホームへ降りた
一番後ろの車両の列に並ぶ、他に並んだ人たちは眠たげにあくびをしたり
携帯を眺めたり本を読んだり、みなそれぞれいつもの毎日を過ごしている
「そういえば、なんで動物園なんだ?」
「……何となくです」
「それに、こんな混んだ時間に行かなくてもだな」
「早く行きたいんです、ダメですか」
「ダメとは言ってない」
「…じゃぁ、イイじゃないですか。あ、来ましたよ乗りましょ」
車内にぞろぞろと飲みこまれていく人の列に習って自分たちも入った
ぴぃーっと笛の音に押されるように後ろに並んでいた人が押し寄せてくる
あっと思うのと同時に手を捕まれた、押し込まれた人の多さに自然と距離が近い
手を握る日吉の手を握り替えしてやるとはにかんで「離れたら困りますから…仕方がなく、ですから」と小さな声で言った
じっと見つめてやると居心地悪そうな顔をし、混雑で動かせないからなのか目を泳がしてしまった
少し下を向いたが赤くなった耳は隠すことができてない
「お前、俺と手を繋ぎたかったのか?」
内緒話をするように耳元に口を寄せて言うと、いけませんかっと言って手の力を強めたので、
「別にダメとは言ってない」と、自分も握り替えしてやった
動物園のある駅まで、あと29分
ほのぼのとグダグダを勘違いしました
- 繋ぎたいんだ -
あまり、恋愛ごとに積極的ではない日吉から誘いを受けたのは4日前だった、一般的には平日。自分たちにとったら創立記念日
その日に動物園に行きましょうと言われた
もともと、久々に部活のない日だったので自分から何か約束を取り付けようと思っていたので、すぐに返事をした
「わかった、金曜日に」
俺の答えを聞いた日吉は緊張していたのか息をついて安心した表情を見せた
「8時に駅前の時計の下で待ってます、遅れずに来てください」
「あぁ、おまえこそ遅れるなよ?」
「わかってます」
と、会話したとおりに10分前にきた待ち合わせ場所には普段着の日吉が立っていた
通勤等で人が溢れる時間、早足に歩く人に紛れていた
こちらに気づいたのか、小さく手を挙げたので手を振った
日吉は自分の挙げた手を何故か気まずそうに見やり、そのまま前髪を撫でつけた
「おはようございます」
「おはよう、早かったな」
「跡部さんも遅刻しませんでしたね」
「当たり前だ、俺を誰だと思ってる」
「……さて、電車に乗りましょうか。切符買いに行きましょう。買い方知ってますか?」
にやりと意地悪げに口端をあげた日吉は返事も聞かずに券売機の方へ歩き始めた
「買い方ぐらい知ってる、バカにするな」
「そうですか、俺はてっきりいつも車だったので知らないのかと思いました」
なんだか普段より上機嫌に会話を弾ませる日吉は先程の意地悪な笑い方でなくふわりと笑った
電車のアナウンスが聞こえ、通勤通学等で混みあうホームへ降りた
一番後ろの車両の列に並ぶ、他に並んだ人たちは眠たげにあくびをしたり
携帯を眺めたり本を読んだり、みなそれぞれいつもの毎日を過ごしている
「そういえば、なんで動物園なんだ?」
「……何となくです」
「それに、こんな混んだ時間に行かなくてもだな」
「早く行きたいんです、ダメですか」
「ダメとは言ってない」
「…じゃぁ、イイじゃないですか。あ、来ましたよ乗りましょ」
車内にぞろぞろと飲みこまれていく人の列に習って自分たちも入った
ぴぃーっと笛の音に押されるように後ろに並んでいた人が押し寄せてくる
あっと思うのと同時に手を捕まれた、押し込まれた人の多さに自然と距離が近い
手を握る日吉の手を握り替えしてやるとはにかんで「離れたら困りますから…仕方がなく、ですから」と小さな声で言った
じっと見つめてやると居心地悪そうな顔をし、混雑で動かせないからなのか目を泳がしてしまった
少し下を向いたが赤くなった耳は隠すことができてない
「お前、俺と手を繋ぎたかったのか?」
内緒話をするように耳元に口を寄せて言うと、いけませんかっと言って手の力を強めたので、
「別にダメとは言ってない」と、自分も握り替えしてやった
動物園のある駅まで、あと29分
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