宮牧/出来ることなら、嫌いです
サイレンの宮牧です。
私の中では宮牧ですが、宮+牧みたいな・・・
短くダラダラと喋ってるだけです。
- 出来ることなら、嫌いです -
牧野さんが、「お裾分けです」と持ってきた瓶。中には透明の水と明るい黄色の果実。
甘く爽やかな匂いが蓋を閉めていても感じる。
休日に突然やってきて、お裾分けとはこの人も大概暇だ。
玄関先で夏の日差しを浴びて手には大きめの瓶。
眉を下げた変な笑顔で立っている人は、「どうぞ」と促した。
「レモン酒なんですけど、嫌いでしたか?」
ブルーベリーとかの方がよかったかな、と、独り言を良いながら困った顔を浮かべ誤摩化すように「えへへ」と声を漏らした。
「・・・別に、嫌いじゃありません。ありがとうございます牧野さん」
「はい、どういたしまして。口に合うと良いです」
教えて頂いて作ったんですよっと少し自慢げに手渡されたソレ。
手に感じる重みに少しだけ口元が緩んだ。
釣られるように彼もいつもの変な笑顔でない自然な顔をした。
「暑いですから入って下さい。お茶でも飲んでいって下さい」
「あ、りがとうございます」
笑って私の家に牧野さんが足を踏み入れる。
裸足の足と、夏でもキッチリと靴下をはいた足。
机に先ほど貰ったレモン酒を置いて、座るように伝えると端の方に正座をして座った。
変にかしこまっていて、冷蔵庫に向かう途中、背を向けていたので笑った。
冷蔵庫から冷えたグラスと麦茶を取り出し、棚からマグカップ、それぞれに氷を二つずつ。カランっと涼しげな音を立てておちついた。
「今日も、暑いですね」と、沈黙を埋めるような当たり障りの無い会話。
「そうですね、水分しっかりとって。室内でも熱中症にかかりますからね」
「ご忠告ありがとうございます」
彼は笑い、差し出したグラスを受け取った。
「グラス、冷たいですね、宮田さんはコップを冷やすんですか?お客さん用に?」
「家に帰ってきて、冷たいグラスで飲むと美味しい気がするんで。私用です。今はたまたま貴方に出しただけです」
「へぇ、宮田さん用を・・・それはスミマセン。そういった、ちょっとした手間って良いですよね。冷たくて美味しいです」
彼は嬉しそうにグラスを指でなぞった、自分はごくりと上下する首をボンヤリと見つめた。ぽたりと、グラスの底にたまった水が服を濡す。
なんだか変な気分だ。
彼が自分で作った酒を持ってきて、暑いし、ご足労をねぎらう単純な気持ちだったのに。
黙ったままお茶をチビチビ飲む彼とそれを見る自分との空気をかき混ぜるように扇風機が首を振った。
「お昼でも、食べていきますか?」
突然の提案に「え!?」っと驚いた声。
「別に、良いでしょ。今日はお休みですよね?」
「はい、そうですが・・・」
「お酒のお礼です。そうめんで良いです?」
「えっ、そんな、悪いです。お茶いただきましたし、折角の休日を」
あわあわと慌てた彼、もう、自分の中で決定した二人での食事。
「たまには二人で食べても良いかと思いまして。予定ありましたか?」
聞いたくせに、彼の返事を聞かずにキッチンに行く。
後ろから、声は聞こえないが困っているのが伝わってくる。
どうせ予定なんて無いだろう、彼だってチビチビとお茶を飲んで二人でいる時間を稼いでいたように感じたし。
このあと、美味しいですっと笑った彼を見よう。
end.
宮牧はまったり会話の一部が書きたくなります。
二人に色々と喋って欲しい。
私の中では宮牧ですが、宮+牧みたいな・・・
短くダラダラと喋ってるだけです。
- 出来ることなら、嫌いです -
牧野さんが、「お裾分けです」と持ってきた瓶。中には透明の水と明るい黄色の果実。
甘く爽やかな匂いが蓋を閉めていても感じる。
休日に突然やってきて、お裾分けとはこの人も大概暇だ。
玄関先で夏の日差しを浴びて手には大きめの瓶。
眉を下げた変な笑顔で立っている人は、「どうぞ」と促した。
「レモン酒なんですけど、嫌いでしたか?」
ブルーベリーとかの方がよかったかな、と、独り言を良いながら困った顔を浮かべ誤摩化すように「えへへ」と声を漏らした。
「・・・別に、嫌いじゃありません。ありがとうございます牧野さん」
「はい、どういたしまして。口に合うと良いです」
教えて頂いて作ったんですよっと少し自慢げに手渡されたソレ。
手に感じる重みに少しだけ口元が緩んだ。
釣られるように彼もいつもの変な笑顔でない自然な顔をした。
「暑いですから入って下さい。お茶でも飲んでいって下さい」
「あ、りがとうございます」
笑って私の家に牧野さんが足を踏み入れる。
裸足の足と、夏でもキッチリと靴下をはいた足。
机に先ほど貰ったレモン酒を置いて、座るように伝えると端の方に正座をして座った。
変にかしこまっていて、冷蔵庫に向かう途中、背を向けていたので笑った。
冷蔵庫から冷えたグラスと麦茶を取り出し、棚からマグカップ、それぞれに氷を二つずつ。カランっと涼しげな音を立てておちついた。
「今日も、暑いですね」と、沈黙を埋めるような当たり障りの無い会話。
「そうですね、水分しっかりとって。室内でも熱中症にかかりますからね」
「ご忠告ありがとうございます」
彼は笑い、差し出したグラスを受け取った。
「グラス、冷たいですね、宮田さんはコップを冷やすんですか?お客さん用に?」
「家に帰ってきて、冷たいグラスで飲むと美味しい気がするんで。私用です。今はたまたま貴方に出しただけです」
「へぇ、宮田さん用を・・・それはスミマセン。そういった、ちょっとした手間って良いですよね。冷たくて美味しいです」
彼は嬉しそうにグラスを指でなぞった、自分はごくりと上下する首をボンヤリと見つめた。ぽたりと、グラスの底にたまった水が服を濡す。
なんだか変な気分だ。
彼が自分で作った酒を持ってきて、暑いし、ご足労をねぎらう単純な気持ちだったのに。
黙ったままお茶をチビチビ飲む彼とそれを見る自分との空気をかき混ぜるように扇風機が首を振った。
「お昼でも、食べていきますか?」
突然の提案に「え!?」っと驚いた声。
「別に、良いでしょ。今日はお休みですよね?」
「はい、そうですが・・・」
「お酒のお礼です。そうめんで良いです?」
「えっ、そんな、悪いです。お茶いただきましたし、折角の休日を」
あわあわと慌てた彼、もう、自分の中で決定した二人での食事。
「たまには二人で食べても良いかと思いまして。予定ありましたか?」
聞いたくせに、彼の返事を聞かずにキッチンに行く。
後ろから、声は聞こえないが困っているのが伝わってくる。
どうせ予定なんて無いだろう、彼だってチビチビとお茶を飲んで二人でいる時間を稼いでいたように感じたし。
このあと、美味しいですっと笑った彼を見よう。
end.
宮牧はまったり会話の一部が書きたくなります。
二人に色々と喋って欲しい。
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