跡日/答え合わせの、その後で
突然始まって、突然終わるホワイトデーな跡日です。
大変見苦しい感じになってますが、久しぶりに書いたのでリハビリってことで許して下さい。
- 答えあわせの、その後で -
冬のイベントが次々と終わっていく。
クリスマスはテニス部の皆と跡部さん家で美味しい料理に囲まれて過ごした。
正月は先輩たちに呼び出されて、同じみのメンツで過ごした。
バレンタインは女子生徒の熱視線に囲まれている跡部さんに告白をした。
12月、1月、2月、ステップを踏むように進んできた冬のイベントが次は3月のイベントを教えてくる。
ホワイトデー、まだ冬の空気に包まれて寒い中、バレンタインのお返しをする。
勢いに任せて、バレンタインに告白をしてしまったのは本当に予定外だった。
でも、自分には何も無いであろう3月14日。
コンビニで買ってきた、出来合いのチョコレイトでもない。
目を輝かせて女の子たちが持っているような可愛らしいリボンもキレイな装飾も無い。
中身だってなんてこともない。ただの板チョコ。
それを差し出して、好きです。
チンケだ。思い出すだけで恥ずかしさに支配される。
なんの段取りも踏んでない、好意だって全く示してない(普段、生意気なことしか言ってない)。
中等部最後の彼への「冗談です」と誤摩化すことも出来ない顔の赤み。見ていなくてもわかる、耳の方まで熱い。
恥ずかしくて、どうしようもなくて、俺は逃げるように
「返事は次の・・・・」
そう言って逃げた。次の、なんだ。
その後、卒業式があり、先輩達とのお別れ会をしたが、何も無かった。
長い間、片思いをしつつも、態度に出したことが無い(告白のとき以外)俺は、
告白の後の気まずい空気も感じさせない程、完璧にその日を過ごした。
跡部さんも、さして気にしている素振りもなかった。男に告白されたことなど忘れてしまいたいのが普通だろうし。
先輩たちが現部長になった俺に激励の言葉をくれた。跡部さんも皆と一緒に。
俺は、はいっと頷いて、肩を軽くたたかれた。肩からジンワリと嬉しさが広がる。
夏の大会後の彼らの部活引退の時と違う温かい気持ちに自然に笑顔になれた。
あのとき交わした握手。アレがきっと最後。
俺は諦めるべきなんだろうな。有耶無耶になった告白は着地点も無く彷徨っている。
それを俺も忘れて、次に進まないと。落ちてくるのを待っていては進めない。
部活が終わり、着替えるためにロッカーを開けるとコロリと小さな包みが転がってきた。
零れた可愛らしい小さなお菓子。クラスの女の子が「余ったからあげるよ」っとプレゼントしてくれた物だ。
余った物を手放す、俺もそのタイミングなのかもしれない。
気を引き締めようっと強く思った。周りはバレンタインとホワイトデーで急激に増えた彼氏彼女たちに溢れている。
こんな腐抜けていてはいけない。俺は前に行こう。
お菓子を拾い上げ、鞄の中にしまい、いつもと変わらず部誌を書いた。
鍵を返し、家に帰ろうと校門を通り抜けようとしたら「おい」と、呼び止められた。
聞き慣れた声に、反射で振り返ると、やはりそこには跡部さんがいた。
「どうしたんですか?」
卒業した彼がこの場所にいるのは変だ。服装が制服じゃないことから、学校に呼び出された訳ではないのか・・・?
いや、卒業生は今の時期、制服を着る物なのか?
「どうしたもないだろ。今日が大事な日なのにダラダラと歩いてきやがって」
「え、何かありましたか?」
携帯には何も連絡は来ていなかったはず。俺が呼ばれるなら同じように鳳たちも呼び出されただろう、帰る時の彼らはそんな感じは一切無かった。
「告白の、返事を聞きたくないのか?」
びっくりして、身体が固まった。肩にかけた鞄の紐をギュッと握りしめた。
「お前、自分の言ったことも忘れたのか?返事は次の時って言ってただろ。だから、わざわざ、ホワイトデーに会いに来てやったのに」
恩着せがましいセリフ、答えなんてどうでも良いから逃げ出したかった。
意思とは違って、固まった足が動こうとしない。
「おい、聞いてんのか?」
「聞いてます・・・」っと口を開いたのに、跡部さんに手を掴まれてしまった。
「え?」と驚いてるうちに「また逃げたら困るからな」っと言われ、身体を引き寄せられた。
硬くなっている身体はギコチナくも彼の腕の中に納まった。
「ちょっ!暗いけど、ここ学校の!」
「すぐ終わる」
そう言った彼の口が近づいてきて軽いキスをした。
「へっ?」と見上げた先にニヤリと口端をあげた跡部さん。
「この間の告白は俺も驚かされたからな、同じように驚かせる返事がしたかったんだ」
「・・・負けず嫌いですね」
「悪いか。これが答えだ」
「・・・・・悪くないです。ムカつくけど、嫌いじゃないです」
「素直じゃねぇな」と笑う振動にドキドキする。
もう、どうにでもなれっと背中に手を回してやった。
end.
はい、無理矢理。
ありがとうございます、リハビリします。
大変見苦しい感じになってますが、久しぶりに書いたのでリハビリってことで許して下さい。
- 答えあわせの、その後で -
冬のイベントが次々と終わっていく。
クリスマスはテニス部の皆と跡部さん家で美味しい料理に囲まれて過ごした。
正月は先輩たちに呼び出されて、同じみのメンツで過ごした。
バレンタインは女子生徒の熱視線に囲まれている跡部さんに告白をした。
12月、1月、2月、ステップを踏むように進んできた冬のイベントが次は3月のイベントを教えてくる。
ホワイトデー、まだ冬の空気に包まれて寒い中、バレンタインのお返しをする。
勢いに任せて、バレンタインに告白をしてしまったのは本当に予定外だった。
でも、自分には何も無いであろう3月14日。
コンビニで買ってきた、出来合いのチョコレイトでもない。
目を輝かせて女の子たちが持っているような可愛らしいリボンもキレイな装飾も無い。
中身だってなんてこともない。ただの板チョコ。
それを差し出して、好きです。
チンケだ。思い出すだけで恥ずかしさに支配される。
なんの段取りも踏んでない、好意だって全く示してない(普段、生意気なことしか言ってない)。
中等部最後の彼への「冗談です」と誤摩化すことも出来ない顔の赤み。見ていなくてもわかる、耳の方まで熱い。
恥ずかしくて、どうしようもなくて、俺は逃げるように
「返事は次の・・・・」
そう言って逃げた。次の、なんだ。
その後、卒業式があり、先輩達とのお別れ会をしたが、何も無かった。
長い間、片思いをしつつも、態度に出したことが無い(告白のとき以外)俺は、
告白の後の気まずい空気も感じさせない程、完璧にその日を過ごした。
跡部さんも、さして気にしている素振りもなかった。男に告白されたことなど忘れてしまいたいのが普通だろうし。
先輩たちが現部長になった俺に激励の言葉をくれた。跡部さんも皆と一緒に。
俺は、はいっと頷いて、肩を軽くたたかれた。肩からジンワリと嬉しさが広がる。
夏の大会後の彼らの部活引退の時と違う温かい気持ちに自然に笑顔になれた。
あのとき交わした握手。アレがきっと最後。
俺は諦めるべきなんだろうな。有耶無耶になった告白は着地点も無く彷徨っている。
それを俺も忘れて、次に進まないと。落ちてくるのを待っていては進めない。
部活が終わり、着替えるためにロッカーを開けるとコロリと小さな包みが転がってきた。
零れた可愛らしい小さなお菓子。クラスの女の子が「余ったからあげるよ」っとプレゼントしてくれた物だ。
余った物を手放す、俺もそのタイミングなのかもしれない。
気を引き締めようっと強く思った。周りはバレンタインとホワイトデーで急激に増えた彼氏彼女たちに溢れている。
こんな腐抜けていてはいけない。俺は前に行こう。
お菓子を拾い上げ、鞄の中にしまい、いつもと変わらず部誌を書いた。
鍵を返し、家に帰ろうと校門を通り抜けようとしたら「おい」と、呼び止められた。
聞き慣れた声に、反射で振り返ると、やはりそこには跡部さんがいた。
「どうしたんですか?」
卒業した彼がこの場所にいるのは変だ。服装が制服じゃないことから、学校に呼び出された訳ではないのか・・・?
いや、卒業生は今の時期、制服を着る物なのか?
「どうしたもないだろ。今日が大事な日なのにダラダラと歩いてきやがって」
「え、何かありましたか?」
携帯には何も連絡は来ていなかったはず。俺が呼ばれるなら同じように鳳たちも呼び出されただろう、帰る時の彼らはそんな感じは一切無かった。
「告白の、返事を聞きたくないのか?」
びっくりして、身体が固まった。肩にかけた鞄の紐をギュッと握りしめた。
「お前、自分の言ったことも忘れたのか?返事は次の時って言ってただろ。だから、わざわざ、ホワイトデーに会いに来てやったのに」
恩着せがましいセリフ、答えなんてどうでも良いから逃げ出したかった。
意思とは違って、固まった足が動こうとしない。
「おい、聞いてんのか?」
「聞いてます・・・」っと口を開いたのに、跡部さんに手を掴まれてしまった。
「え?」と驚いてるうちに「また逃げたら困るからな」っと言われ、身体を引き寄せられた。
硬くなっている身体はギコチナくも彼の腕の中に納まった。
「ちょっ!暗いけど、ここ学校の!」
「すぐ終わる」
そう言った彼の口が近づいてきて軽いキスをした。
「へっ?」と見上げた先にニヤリと口端をあげた跡部さん。
「この間の告白は俺も驚かされたからな、同じように驚かせる返事がしたかったんだ」
「・・・負けず嫌いですね」
「悪いか。これが答えだ」
「・・・・・悪くないです。ムカつくけど、嫌いじゃないです」
「素直じゃねぇな」と笑う振動にドキドキする。
もう、どうにでもなれっと背中に手を回してやった。
end.
はい、無理矢理。
ありがとうございます、リハビリします。
PR
カウンター
カテゴリー
プロフィール
HN
ナオ太。
連絡先
kuroyagi_yuubin☆yahoo.co.jp
(☆→@に変更)
(☆→@に変更)