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風綾/繋ぐ

ダラダラ何も考えずに書きます。
着地点を決めずに。そんなグダッとした学怖の風綾です。
無意味な話、もえない。


- 繋ぐ -


綾小路は普段男前なくせに恋愛に対しては夢を持っているらしい。
と、言うか、夢見がちすぎる。
僕たちが既に男同士で付き合ってるってだけで既に夢ではすまされない様な立場なのに・・・。
頭がいいように見えて実は頭が悪いんだから。
これだから、真面目君は・・・。
手に負えないよ、時々、変な事言って僕を振り回すんだから。

「手、繋がないか?」
「は?」
帰りの道中、突然立ち止まり、怖ず怖ずと手を伸ばしてくる綾小路。
鞄を持っている方の手は緊張からなのか手に力が入ってる。
別に君に僕はベタベタした関係を求めてないんだけどなぁ。
伸ばされた手から視線を上らせて彼の顔を見た。
日が沈もうとする時刻だから、いや、照れて赤くなっているけど、目はそらさずに真剣そうな目が僕の事を見ている。
恥ずかしいならやらなければ良いのに。
別に手を繋いでも良いけど、今はそんな気分でもないんだけどなぁ。
今時の女の子でもそんな顔染めて手を繋ぎたいとか言わないよ。
変に純情過ぎ。積極的に勝手に絡めて繋げば良いだろ。
綾小路は僕に何を求めているんだろうね、よくわからないよ。
まぁ、「いいよ」手を出してやると、少し嬉しそうに目を細めた。

人目なんて関係ない。
同性ってだけで障害に思う人多いし、壁を作る人が居るみたいだけど僕は全然気にしない。
むしろ、女の子同士でとか可愛らしいし良いんじゃないかな。
男同士はちょっとむさ苦しいときとかあるけど、僕がむさ苦しい奴を選ぶ訳じゃないし良いじゃないか。
綾小路も、建前だとか、世間体だとかを気にするタイプだと思ったけど、キレイな顔だし嫌いじゃないから付き合ってよと声をかけたら
あっさりと了解を得た、今も帰り道に手を繋いで帰るなんて。
彼もさして気にしていないんだろう。
そして、僕の告白に無表情で応えたくせに手を繋ぐ時に頬染めて、よくわかない奴。

共通の話題もそんなに無い。
クラスが同じになった、少し顔がきれいで、悪くないと思ったから付き合ってる。
付き合うというか蔓んでるって表現の方が近いかも。
でも、綾小路も一応付き合ってる気分だから僕に手を繋ごうなんて提案をしたんだろうし、
もしかして、顔には出さないけど期待してる訳?
んー、わかんないな。

また、チラリと彼の顔を見た。
緊張してるのか掌に汗かいてる、あからさまに視線そらすし。
見られてるってわかるなら堂々とすれば良いのに。
女の子と付き合うときは身体の関係って大事だと思うけど、綾小路はなぁ・・・・。
目線が彼の身体を滑り、少しだけ考えてみた。
まぁ、悪くはないかな。
女の子みたいに柔らかくはないだろうけど、僕から声を描けたぐらいだし、ボチボチ好きってレベルではあるだろうし。
そうか、綾小路でも悪くないな。
うんうん、と一人納得してたらもうすぐ分かれ道。
あーあー、なんだよ、このタイミングは。

道の端に寄って立ち止まる。
手を繋いでるから自然と綾小路も歩みを止めた。
「綾小路、あのさぁ」
「なんだ、ハッキリ言え」
それは僕がいつも言いたい言葉だって。
「キスして良い?」
たっぷりと間を置いたくせに変な驚き声が上がる。
「ええぇうっ・・・・」
一歩引いたくせに手を放さないから僕も一歩動いた。
「駄目ぇ?」
演技かかった甘えた声をかけながら顔を覗き込んでやると、目がキョロキョロろ動く。
「駄目じゃ、無いけど。聞くなよ」
「・・・・さっき、手を繋ぐ時に、聞いてきたの誰だと思う?」
「五月蝿い、勝手にしろっ・・・!」
言葉の途中でマスクをズラして触れるだけのキスをしてやった。
唇は、柔らかいみたいだね。うん、悪くないよ。
目を開けるとギュウギュウに目を瞑った綾小路。ガチガチじゃないか。
じゃぁ、せめてもの優しさだからね。
「明日はもっとスゴい事しようね」
そう、耳打ちしてぺろっと軽く耳を舐めた。
顔を真っ赤にした綾小路が俯いたとも、頷いたとも判断出来ない風に下を向いた。
「五月蝿い、勝手にしろ・・・じゃぁな」
と、顔を下げたまま繋いでいた手が離れた。
「明日ね!」
その背中に声をかけると「わかってる」とハッキリとした声。
明日は何処まで進もうか。



end.
はいおわり、はいおわり。
話書くの久しぶりだから、数書いて思い出さなくっちゃ〜;;
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