風綾/どっちも同じ
前に書いた「大人気ない」「子供なんだ」の風綾の設定と同じです。
29歳風間さんと大学生の18歳綾小路くんの話。
前作読まなくても大丈夫です。
パロ苦手な方はスルーしてください。
- どっちも同じ -
土曜の昼間、僕は綾小路の狭いアパートに午前11時頃に訪れた。
扉を開けて見たかったはずの出迎えの笑顔ではなく、呆れた顔だった。
「いつも約束無しに来る」と、溜息を零した。
「今日は予定無いでしょ?」
「無いけど・・・」
最近、僕に対する愛がおざなりだと思う。
もっと大事に、可愛がって、甘やかすべきだと思うよ。
じゃないと、寂しくなって浮気しちゃうかも!っと正直に伝えてやったら、「出来るならどうぞ」と冷ややかな目で睨まれた。
相手は手強い。
僕だって君に惚れてるから、浮気を進められても複雑だ。
繊細でキレイな僕の心をわかってくれないんだから。
しょんぼり肩を落とした。
「玄関先で立たれると邪魔だし、入ったら?」
・・・邪魔って何だよ、畜生。
歳が離れてるのを気にしてたと思ったのに。
無理に大人ぶったりしてた時期のが可愛らしかったなぁ。
僕が離れないように意識してさ。
今の対等な位置に居るのも居心地は良いけど、もっと大事にして欲しいよ、ホント。
ちょっと不貞腐れてしまいそう。
心折れそう。
「ほら、昼飯、作るからさ、座って待っててよ」
背をパンパンと軽く叩かれた。
なんだよ、素直に言えよ。
僕にて料理を振る舞いたいなら、そう言ってくれれば良いのに。
遠回りな態度に僕は要らぬ勘違いをしそうだった。
現金なもので、急に調子が出てきた!
「早起きして綾小路の家に来て良かったよ」
「この時間が早起きなのか?」
まだ12時を超えてないけど、外の日差しは昼同然。
高く上がって眩しい時間。一緒になって窓越しに空を見上げた。
「まぁ、いい」と切り上げた綾小路が台所に立つ。
学生の住むワンルームだ、立つと言っても目の前。
僕は卓袱台に頬杖して彼の背中を見つめる。
「ねぇ、今日は何作るの?」
「じゃがいものチヂミとサラダ」
「何その組み合わせ」
「いいだろ、ジャガイモが安かったんだ」
「ハンバーグ食べたい」
「・・・・そんな昼間から面倒くさい。外行ってこいよ」
僕の軽いワガママにも一々反応して、ムッとしたのも隠さない。
「じゃぁ、夜はハンバーグ食べに行こうか」
「昼飯より夕食の話か・・・」
「いいでしょ、君と一緒に美味しいご飯食べたいんだから」
「・・・わかった」
と呟いた顔は満更じゃなさそう。
怒ったりの感情は表に出すのに、嬉しいとか照れるってのは隠すんだ。バレてるけど。
手早く料理を作って机に料理が並べられる。
湯気の立つチヂミと、サラダに、昨日の余ったおひたしと味噌汁。
実に庶民的ですこと。
「口に合わなくても勿体ないから食えよ」と綾小路はいつも同じことを言う。
まだ若いのに良いお嫁さんになるよ、うん。
反対側に座り、僕専用の箸とコップも出してくれる。
ありがとうと言いつつ、目の前の料理を見てから。
「や、綾小路は鼻が良いから、ご飯作るのも上手だよ。美味しそうだからどれから食べようか迷ってた」
「バランス良く食べろ、三角食べって知らないのか?」
「何それ」
「主食、汁物、オカズ・・・とかって、好きなものから順々に食べるんじゃなくて・・・」
「そんな、好きに食べさしてよ、美味しいのは何時食べても美味しいままだよ、いただきます」
「・・・まぁ、全部食べるなら問題ない。いただきます」
パクッと一口目からチヂミは美味しかった。
添えられたコチュジャンも美味しいし、醤油が塗られて香ばしいのも美味しい。
ジャガイモがホクホクだし。
「おいしぃ〜」
と声をあげると。「そうか、良かった」と言って綾小路もチヂミに手を伸ばした。
まずはお客様からって、綾小路はしつけがちゃんとしてるよ〜。
僕はあまり気にしないけど。
美味しい美味しいと、空腹だったお腹が満たされていく。
彼も褒められて嬉しそう。
可愛い顔。もっとそんな顔が見たいな。
「ごちそうさま」と二人で空になった皿に手を合わせた。
「美味しかった〜」と膨れたお腹を撫でてやる。
「お粗末様」
手早く皿を片付け始める綾小路。う〜ん、良い嫁。
早く僕の嫁になってくれていいんだけどな。
「満たされて眠くなる」
「今寝たら牛になるぞ」
「もー、そんな迷信でしょ!」
「既に牛になりかけだったか」
「もぉ〜、じゃないって」
牛の鳴き声を真似してやると、くすくすと笑って、彼もお腹が膨れて幸せなんだろう。
「美味しかったね」
皿を洗い始めた彼の背に話かける。
「そう」
「ねぇ、やっぱり、夕飯ココでハンバーグ作ってよ」
「んー、あとで買い物でも行くか。もちろん、作るの手伝えよ?」
「僕が作ったのを食べたら美味し過ぎて他のが食べれなくなるから覚悟してよ!」
「ん、覚悟しとく」
end.
会話ばっかりのダラダラ日常。つか、飯食べてるだけw
29風間さんと18綾小路くんはほのぼの担当。
29歳風間さんと大学生の18歳綾小路くんの話。
前作読まなくても大丈夫です。
パロ苦手な方はスルーしてください。
- どっちも同じ -
土曜の昼間、僕は綾小路の狭いアパートに午前11時頃に訪れた。
扉を開けて見たかったはずの出迎えの笑顔ではなく、呆れた顔だった。
「いつも約束無しに来る」と、溜息を零した。
「今日は予定無いでしょ?」
「無いけど・・・」
最近、僕に対する愛がおざなりだと思う。
もっと大事に、可愛がって、甘やかすべきだと思うよ。
じゃないと、寂しくなって浮気しちゃうかも!っと正直に伝えてやったら、「出来るならどうぞ」と冷ややかな目で睨まれた。
相手は手強い。
僕だって君に惚れてるから、浮気を進められても複雑だ。
繊細でキレイな僕の心をわかってくれないんだから。
しょんぼり肩を落とした。
「玄関先で立たれると邪魔だし、入ったら?」
・・・邪魔って何だよ、畜生。
歳が離れてるのを気にしてたと思ったのに。
無理に大人ぶったりしてた時期のが可愛らしかったなぁ。
僕が離れないように意識してさ。
今の対等な位置に居るのも居心地は良いけど、もっと大事にして欲しいよ、ホント。
ちょっと不貞腐れてしまいそう。
心折れそう。
「ほら、昼飯、作るからさ、座って待っててよ」
背をパンパンと軽く叩かれた。
なんだよ、素直に言えよ。
僕にて料理を振る舞いたいなら、そう言ってくれれば良いのに。
遠回りな態度に僕は要らぬ勘違いをしそうだった。
現金なもので、急に調子が出てきた!
「早起きして綾小路の家に来て良かったよ」
「この時間が早起きなのか?」
まだ12時を超えてないけど、外の日差しは昼同然。
高く上がって眩しい時間。一緒になって窓越しに空を見上げた。
「まぁ、いい」と切り上げた綾小路が台所に立つ。
学生の住むワンルームだ、立つと言っても目の前。
僕は卓袱台に頬杖して彼の背中を見つめる。
「ねぇ、今日は何作るの?」
「じゃがいものチヂミとサラダ」
「何その組み合わせ」
「いいだろ、ジャガイモが安かったんだ」
「ハンバーグ食べたい」
「・・・・そんな昼間から面倒くさい。外行ってこいよ」
僕の軽いワガママにも一々反応して、ムッとしたのも隠さない。
「じゃぁ、夜はハンバーグ食べに行こうか」
「昼飯より夕食の話か・・・」
「いいでしょ、君と一緒に美味しいご飯食べたいんだから」
「・・・わかった」
と呟いた顔は満更じゃなさそう。
怒ったりの感情は表に出すのに、嬉しいとか照れるってのは隠すんだ。バレてるけど。
手早く料理を作って机に料理が並べられる。
湯気の立つチヂミと、サラダに、昨日の余ったおひたしと味噌汁。
実に庶民的ですこと。
「口に合わなくても勿体ないから食えよ」と綾小路はいつも同じことを言う。
まだ若いのに良いお嫁さんになるよ、うん。
反対側に座り、僕専用の箸とコップも出してくれる。
ありがとうと言いつつ、目の前の料理を見てから。
「や、綾小路は鼻が良いから、ご飯作るのも上手だよ。美味しそうだからどれから食べようか迷ってた」
「バランス良く食べろ、三角食べって知らないのか?」
「何それ」
「主食、汁物、オカズ・・・とかって、好きなものから順々に食べるんじゃなくて・・・」
「そんな、好きに食べさしてよ、美味しいのは何時食べても美味しいままだよ、いただきます」
「・・・まぁ、全部食べるなら問題ない。いただきます」
パクッと一口目からチヂミは美味しかった。
添えられたコチュジャンも美味しいし、醤油が塗られて香ばしいのも美味しい。
ジャガイモがホクホクだし。
「おいしぃ〜」
と声をあげると。「そうか、良かった」と言って綾小路もチヂミに手を伸ばした。
まずはお客様からって、綾小路はしつけがちゃんとしてるよ〜。
僕はあまり気にしないけど。
美味しい美味しいと、空腹だったお腹が満たされていく。
彼も褒められて嬉しそう。
可愛い顔。もっとそんな顔が見たいな。
「ごちそうさま」と二人で空になった皿に手を合わせた。
「美味しかった〜」と膨れたお腹を撫でてやる。
「お粗末様」
手早く皿を片付け始める綾小路。う〜ん、良い嫁。
早く僕の嫁になってくれていいんだけどな。
「満たされて眠くなる」
「今寝たら牛になるぞ」
「もー、そんな迷信でしょ!」
「既に牛になりかけだったか」
「もぉ〜、じゃないって」
牛の鳴き声を真似してやると、くすくすと笑って、彼もお腹が膨れて幸せなんだろう。
「美味しかったね」
皿を洗い始めた彼の背に話かける。
「そう」
「ねぇ、やっぱり、夕飯ココでハンバーグ作ってよ」
「んー、あとで買い物でも行くか。もちろん、作るの手伝えよ?」
「僕が作ったのを食べたら美味し過ぎて他のが食べれなくなるから覚悟してよ!」
「ん、覚悟しとく」
end.
会話ばっかりのダラダラ日常。つか、飯食べてるだけw
29風間さんと18綾小路くんはほのぼの担当。
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