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宍→←鳳/素直になれない

日吉受けじゃないです。
宍戸さんと鳳くんの話です。
全面的に宍戸さんが鳳くんの事大好きすぎる話になりました、ちと度を超えて好き過ぎw


- 素直になれない -


いつも長太郎は素直で俺のことを憧れ、共に頑張る仲間、絶対的な信頼を持って俺を見てくれてる。
頼りになる先輩だとか、色々あるけど、俺は長太郎も俺のこと好きなんじゃないかと思ってる。
大抵の事は、「はい」と、笑顔で返事をしてハイハイついてくる。
図体はデカイけど、子犬やカルガモみたいに。
正直、素直で可愛い。でも、先輩後輩ってのを取っ払っても可愛くて俺は気に入ってる。
や、好意を寄せている。
自分のこの気持ちに気づいたとき、あっさりと受け入れる事が出来た。
世間的に言えば、男同士。それにまだ判断基準もしっかりしてない十代のガキが言うのもなんだけど、俺は長太郎が本当に好きだ。
時々、こいつ可愛すぎる〜、抱きしめたい〜なんて思っていた事にも納得出来た。
最初は犬猫に対する気持ちと同じようなものだと思ってたけど、好きだって気づいたら恋としか呼べなくなった。
うん、自分でも思う。
恋って何だよ、恥ずかしいな、俺。
でも、この気持ちに嘘偽りはない!
長太郎も俺のことまんざらではないと感じてるのに、一歩踏み出せないでいる。

部活中の長太郎と俺は普段と変わらない。
周りから「仲良過ぎ」っとからかわれる程だ。
練習の調子も悪くない。
打ち合いのタイミングや呼吸さえ、わかるようになる。
いい感じだ。
長太郎も同じように感じたのか笑顔がいつも以上に輝いて、返事もハキハキしてる。
休憩中も俺のこと何度も呼んでニコニコ笑ってて、やっぱ可愛い。
楽しさレーダーを持つジローが寄ってきて「楽しそうだね〜」と長太郎に絡んでいる。
自分が長太郎に対して、好きって気持ちに気づくまでは何も思わなかったのに、今じゃ心の中で「ベタベタするな!」と思ってしまう。
恋と言うのは心や視野を狭くしてしまうものなんだと最近よく感じるようになった。
それと、声に出せないのはまだハッキリと両想いじゃないから。そして、そんな自分のヘタレ具合も痛感するようになった。

お前ら付き合ってるみたいに仲良過ぎっと言われる。
みたいじゃなくて、付き合ってるんだって言ってやりたい。
実際付き合ったら、からかわれるだろうし、恥ずかしいから言えないけど。
互いに好き合ってるのは感じてるのに、決定的な事を言えない小さな突っかかりがある。
それは、みんなの居る場所ではハイハイ言うのに、二人きりはお断り!な長太郎の態度のせい。
好きと思わせて、実は好きじゃないのかな?
先輩後輩だから部活中や学内に居る間は良いけど、それ以外はお断りってこと?
オンオフしっかりしてるって訳なのか!?

今日も帰り道、二人で寄り道しないかっとそれらしく聞いた。
練習が終わって、みんな着替えのために部室にゾロゾロと戻っていく中、「すみません」と眉を寄せて困り顔の長太郎は頭を下げ、部室に走っていった。
俺はその背中を見るばかりで動けないでいた。
二人じゃなければOKだけど、二人ならNO。
好きだ好きだって憧れだけじゃない、熱のある視線を向けるくせに決定的な所で逃げる。
俺が両想いなんじゃ・・・?って勘違いしてるだけ?
また断られてガックリ来てる俺を励ますわけでもないが日吉が項垂れてる背中を軽く叩いた。
あまり自分から他人と接触しようとするヤツじゃない日吉が。
驚いたけど、俺のこと先輩として好いてくれてるのを知ってたから目で「ありがとう」と言った。
「男を見せる時ですよ」
そんな事ないですっと謙遜の言葉が出るかと思ったら、カッコいい捨て台詞を残して日吉は歩いていった。
よ、読めないヤツだよ、ホント。

日吉に背を押されたからなのか、この宙ぶらりんな関係にもウンザリしてたからなのか、寄り道は断られたが、「大事な話がある」と言ったら「わかりました」と案外アッサリした返答をもらった。
やっぱりよくわからない、なんか、緊張と混乱でわからない。
練習中はあんなに阿吽の呼吸で動けるのに。目の前の長太郎が言葉の通じない怪物みたいに見える。
ニコニコと笑ってるけど、本当は裏があるのか?
黒い長太郎なんて想像出来ないぞっと自分の考えに突っ込んだ。

長太郎を連れて部室を出て、少しだけ無言で歩いた。
人気のなくなったテニスコートに行く。
素直に黙ってついてくる長太郎の様子が気になるが、今から告白するつもりでギコチナく固まった顔を向けるのが恥ずかしい。
でも、コート手前、もう進む場所が無い。
振り返ると同じように緊張した表情を浮かべてるのを見て、なんだか気が緩んだ。
ガチガチな顔を見てフッと息がもれ、ついでに緊張も零れていったみたいだ。
だから、いつもの軽口を叩くような自然な滑り出しで言葉が出た。
「なぁ、突然だけど俺たち付き合わないか?」
お互い好き同士ってのがあるから言えた言葉だ。相手の気持ちもわからなかったら「好きです」からがセオリーだろうけど。
俺の言った事を一瞬理解出来なかったが、間を置いてわかった瞬間に長太郎は変に視線をずらしてモゾモゾとした。
「なんだよ、ハッキリ言えよ」と促すと「よっ、ろしくお願いします」と真っ赤な顔で返事をしてくれた。
何その態度、やっぱ可愛い。
さっき言葉の通じない怪物って一瞬思った自分を殴ってやりたい。
だって、俺の告白をちゃんと受け止めて、嬉しいけど恥ずかしそうな笑顔で応えてくれるなんて。
その顔があまりにも可愛かったので引き寄せてキスをしてやった。
軽く触れるだけのものなのに「あ・・・あ、わっ、わぁ!」と変な驚き方をして動揺した長太郎。
これからも大事に可愛がってやるよ!


俺たちはやっぱり両想いだった。
長太郎が二人きりは恥ずかしのと、照れと、緊張するという理由で断ってた事もわかった。
もう、付き合う事になったから一緒に緊張してけばいい、それがそのうち自然になれば良いなっと笑っていったら嬉しそうに頷いて手を握ってきた。
奥手そうに見えて案外、積極的なんだな。
握られた手を見て俺も笑った。

翌日の部活も至って普通だ。
もともと「仲良過ぎ」に見える俺たちには変わらない生活。
休憩中に「お前ら付き合ってるみたいに仲良過ぎ〜」とジローがいつもの眠そうな声で長太郎に絡んで言った軽口に真っ赤になって「そそそ、そんなことないですよ」っと動揺しきった受け答えをし、
俺たちの付き合いは部のメンバーに簡単にバレてしまったが。
ニヤニヤとからかってくる奴らを「うるせぇ!」と一喝して群がってくる奴らを無視しつづけた。



end.
宍戸さんヘタレ〜!
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