ジロ日/アイス
スランプついでにベタな話でも書こうってコンセプトです。
ほんと、ベタをひた走ろうと思います。
広い心でどうぞ;;
ジロちゃんと日吉くんが幼馴染み設定で独走・・・。
- アイス(ジロ日) -
夏休みだ。
どんなに練習のキツいテニス部にもやっと夏休みが来た。
お盆近く、八月の真ん中。やることもない。
あつい、とにかく暑い。扇風機がゆるく部屋の空気をかき回す。
ダラダラと床に寝そべって伸びていると玄関先に聞き慣れた声がする。
来客は自分の家のように振る舞う。
「ただいまー」と聞こえた。
声を出すのも億劫で心の中で「おかえりー」と返した。
ぺたぺたと裸足の音が床につけた耳に響く。
瞑っていた目を開けて見上げた先には俺を見下ろしてる日吉が立っていた。
普段も下からみてるけど、今日はもっと下から。
不機嫌そうに尖られた唇がより強調されるようで。
からかうように「ぴよぴよ」っと言ったら顔面に近くのスーパーの袋が落ちてきた。
「だぁ!」
声を上げたのは顔に落ちてきたのと、伝わる冷たさに驚いたから。
腹筋を使ってすぐに身体を起こして横に零れたアイスを拾う。
「あー、あー!」
「ちゃんと喋って下さい」
言って、日吉は俺の横に腰を下ろして扇風機を首振りの設定に変えた。
床に胡座をかくと温い風が移動する。
「暑いですね」とお決まりのセリフに、「暑いねー」とお決まりの返答。
「みんなは?」
「俺以外は遊園地のプール」
「あんたは?」
「ん?ヒヨが来そうだったから行かなかったぁ。それより食べようよ」
ニコニコと一つを自分に、もう一つの棒アイスの袋を摘んで日吉に渡した。
袋は既に汗をかいている。急いで出して日吉の口に向けてやると、そのまま彼の口の中に収まった。
同じように日吉も袋をあけて俺の方にアイスを向けてくれた。
「あひはと」
アイスを口にくわえた状態でお礼を言うと無言で睨まれたので口から外して再度、ありがとうと言った。
「はい」と返事をされ、続けて質問が投げかけられた。
「俺が来なかったらどうするつもりだったんです?」
「んぅー?」
口の中がヒンヤリと冷たい、口の中で一瞬出とけてノドを通って胃に落ちる頃には温くなる。
俺自体熱いから、すぐに温度が伝わる。
口をモゴモゴと動かしてから腕に零れた滴を舐めた。
「ヒヨが来るかどうかはわかんなかったけど、来たら良いなって願望?」
「そう」
「でも、来たじゃん。俺の願いがヒヨに届いた」
日吉の胸の辺りを指差していった。
へへへっと軽い笑い声が自然と零れた。
日吉は俺の言葉難からはじめから聞いてないみたいにアイスを食べた。
扇風機が髪をするりと撫でる。
先に食べ終わったアイスの棒にアタリの文字。らっきー。
シャクッとアイスの齧られる音がまだするから、欲しくなって日吉の手を掴んで棒に引っかかってたアイスを食べてしまった。
あっと気づいた時にはノドの奥に消えてしまった。
あちゃー、食べちゃった。
チラリと見ると手元の棒だけになってしまったアイスをじっと見てる日吉。
「ごめんね、日吉が食べてるヤツが美味しそうに見えたから・・・・」
だって、欲しかったんだと子供みたいな言い訳を口にすると、日吉はまたムッと唇を尖らせた。
なんか、それがすごく可愛く感じて今度はチュッとキスをした。
顔を放すと余計不機嫌そうな彼に睨まれた。
「あんた抑えがきかな過ぎだろ」
目の鋭さに反して、声は柔らかかった。むしろ呆れてる?
「うん、ごめんね」
素直に謝ると今度は日吉が俺に近づいてキスをした。
触れるだけの軽いものだったけど。
「アイス食べて身体が冷えました」と言うので笑った。
だって、掴んだ手は熱く汗ばんでいたから。
今から熱くなろうか。
なんて、ベタなことを言おうと思ったけど、それよりもまだ冷たい口の中を探るように深いキスをした。
end.
はいはい。仲良しこよし(?)。
ほんと、ベタをひた走ろうと思います。
広い心でどうぞ;;
ジロちゃんと日吉くんが幼馴染み設定で独走・・・。
- アイス(ジロ日) -
夏休みだ。
どんなに練習のキツいテニス部にもやっと夏休みが来た。
お盆近く、八月の真ん中。やることもない。
あつい、とにかく暑い。扇風機がゆるく部屋の空気をかき回す。
ダラダラと床に寝そべって伸びていると玄関先に聞き慣れた声がする。
来客は自分の家のように振る舞う。
「ただいまー」と聞こえた。
声を出すのも億劫で心の中で「おかえりー」と返した。
ぺたぺたと裸足の音が床につけた耳に響く。
瞑っていた目を開けて見上げた先には俺を見下ろしてる日吉が立っていた。
普段も下からみてるけど、今日はもっと下から。
不機嫌そうに尖られた唇がより強調されるようで。
からかうように「ぴよぴよ」っと言ったら顔面に近くのスーパーの袋が落ちてきた。
「だぁ!」
声を上げたのは顔に落ちてきたのと、伝わる冷たさに驚いたから。
腹筋を使ってすぐに身体を起こして横に零れたアイスを拾う。
「あー、あー!」
「ちゃんと喋って下さい」
言って、日吉は俺の横に腰を下ろして扇風機を首振りの設定に変えた。
床に胡座をかくと温い風が移動する。
「暑いですね」とお決まりのセリフに、「暑いねー」とお決まりの返答。
「みんなは?」
「俺以外は遊園地のプール」
「あんたは?」
「ん?ヒヨが来そうだったから行かなかったぁ。それより食べようよ」
ニコニコと一つを自分に、もう一つの棒アイスの袋を摘んで日吉に渡した。
袋は既に汗をかいている。急いで出して日吉の口に向けてやると、そのまま彼の口の中に収まった。
同じように日吉も袋をあけて俺の方にアイスを向けてくれた。
「あひはと」
アイスを口にくわえた状態でお礼を言うと無言で睨まれたので口から外して再度、ありがとうと言った。
「はい」と返事をされ、続けて質問が投げかけられた。
「俺が来なかったらどうするつもりだったんです?」
「んぅー?」
口の中がヒンヤリと冷たい、口の中で一瞬出とけてノドを通って胃に落ちる頃には温くなる。
俺自体熱いから、すぐに温度が伝わる。
口をモゴモゴと動かしてから腕に零れた滴を舐めた。
「ヒヨが来るかどうかはわかんなかったけど、来たら良いなって願望?」
「そう」
「でも、来たじゃん。俺の願いがヒヨに届いた」
日吉の胸の辺りを指差していった。
へへへっと軽い笑い声が自然と零れた。
日吉は俺の言葉難からはじめから聞いてないみたいにアイスを食べた。
扇風機が髪をするりと撫でる。
先に食べ終わったアイスの棒にアタリの文字。らっきー。
シャクッとアイスの齧られる音がまだするから、欲しくなって日吉の手を掴んで棒に引っかかってたアイスを食べてしまった。
あっと気づいた時にはノドの奥に消えてしまった。
あちゃー、食べちゃった。
チラリと見ると手元の棒だけになってしまったアイスをじっと見てる日吉。
「ごめんね、日吉が食べてるヤツが美味しそうに見えたから・・・・」
だって、欲しかったんだと子供みたいな言い訳を口にすると、日吉はまたムッと唇を尖らせた。
なんか、それがすごく可愛く感じて今度はチュッとキスをした。
顔を放すと余計不機嫌そうな彼に睨まれた。
「あんた抑えがきかな過ぎだろ」
目の鋭さに反して、声は柔らかかった。むしろ呆れてる?
「うん、ごめんね」
素直に謝ると今度は日吉が俺に近づいてキスをした。
触れるだけの軽いものだったけど。
「アイス食べて身体が冷えました」と言うので笑った。
だって、掴んだ手は熱く汗ばんでいたから。
今から熱くなろうか。
なんて、ベタなことを言おうと思ったけど、それよりもまだ冷たい口の中を探るように深いキスをした。
end.
はいはい。仲良しこよし(?)。
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