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ジロ+日/日差し良好

ジロちゃんと日吉くんの短い変な話です。
カップリングじゃないです。
ジロちゃんと日吉くんが仲良しなのを考えるのが大好きなんです^^。


- 日差し良好 -


階段の踊り場の窓から中庭を見てたら日吉が体育館裏へ歩いて行くのを見た。
飛行機雲もハッキリと栄える濃い青空。
色素の薄い髪の毛がキラキラ光ってたから見つけたよ。

あれは昼休みの10分前ぐらいだった。
何をしにあんな場所にいたんだろう?
好奇心で部室で見つけた日吉に聞いてみよう。
部室に入るとすぐに見つけた、着替え途中の無防備な背中に飛びつく。
驚いた顔をしたけど、俺を見てフッと力を抜く。
こんな些細な事で好かれてるなって思う。
ニコニコと笑って「ねぇねぇ」と声をかけた。
「ひよさ、今日なんで裏庭に行ったの?」
俺の問いかけに「え?」っと声を上げたので、少しだけ見つめ合ってしまった。
もう、そんなに見られたら照れちゃう〜なんて言ったらはいはいって流された。
ノリが悪いぞ。
「内緒ですよ?」
でも、小さな声で前置きをして日吉は理由を教えてくれた。

翌日、日吉と一緒に体育館裏に行くと、にゃーんっと高く可愛らしい声がして
ヒョコっと口の周りだけ白い小さな猫が現れた。
猫は日吉に慣れているのか足下に擦り寄って何度も鳴いた。
「可愛いぃ」と手を伸ばすと、俺に警戒した猫が少し距離をあけた。
見かねた日吉が座り込んで猫を抱き上げて俺の前に差し出す。
猫は日吉をすんなりと受け入れている。
「なんだよー。ひよにだけズルい!俺、怖くないのにー」
日吉が少し笑って猫の耳にソッと、「この人悪い人じゃないから」と内緒話をするように言った。
悪い人って何さ!
もうー。再度手を伸ばすと指先の匂いを嗅いだ猫がぺろりと指先をなめてくれた。
小さな舌でチロチロと舐められて、可愛いっと声が零れた。
猫は頭を撫でてやると気持ち良さそうに目を細めた。

日吉は、先日たまたま学校で見つけた猫をここで少しの間だけ面倒を見てるらしい。
飼い主を捜してる途中なんですっとも言った。
与えられた煮干しをアグアグと噛んで食べている猫の横に二人でしゃがみ込んだ。
背を撫でてやると、美味しいっと言うように猫が鳴いた。
「可愛いね」と笑いかけたけど、日吉はどこか寂しそうに「可愛いですね」と返した。
今日も天気はいいのに、どうしたの?元気出せよっと普段なら軽口を叩けたのに、釣られるように自分も少し寂しくなった。

また次の日、昼休みに日吉が俺の所に来て「ちょっと来てください」と呼んだ。
別に拒む理由もないので食べかけの弁当を置いて日吉の後について行く。
このルートからして行き先は猫の居る体育館裏。
でも、裏を覗き込んでも猫は居なかった。
「あれ、猫は何処行ったの?」
「あいつは鳳の知り合いで飼い主になってくれる人が見つかったので朝引き取って行きました」
「あ、そうなの?面倒見てくれる人が見つかって良かったねぇ」と笑いかけると日吉はやっぱり少し寂しそう。
「ひよー?猫と離れて寂しいの?」
そんな顔してんな!っと頭を少々乱暴に撫でてやった。
さらさらの髪の毛が今日も日の光を浴びてキラキラと光ってる。
「ここじゃ、ずっと面倒は見れないので。良かったです。でも、俺、思った以上に猫が好きだったみたいです」
日吉が寂しそうに先日まで居た猫を探すように地面を見つめていたけど、
ポツリと零れた言葉にただ俺は「うん」と返して、少しの間、頭を撫でてやった。

次の休みの日、鳳の知り合いの所に猫を見に行く約束をした。
部活のジャージじゃない姿の俺、鳳、日吉で町を歩くのは新鮮だった。
鳳の知り合いの家に来て、飼い主に名前を付けてもらった猫を見た日吉が嬉しそうに笑った。



end.
やっぱ学校では面倒見切れないし、野良猫が増えても病気とかになっちゃうからね・・・。
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