風→←綾/香水
風綾の両想いなのにお互いに不器用な話です。
上手く行かないなーって感じる。
- 香水 -
あなたの匂い。
風間がまた別の女の子と付き合う事にしたみたいだ。
本人に確認はしてないけど、まとわりつく香水が変わった。
甘ったるく、赤い匂いがする。先日までは柑橘系の明るい匂いがしてた。
香水は自分には少々刺激が強い。
だから、余計にマスクで覆ってちょっとでも匂いを遮断する。
匂いなんて、少々遮断しても自分には殆ど効力なんてない。
無臭とうたう化粧品なんかも結局は匂いを感じるし、普通の人間なら感じなくてもわかってしまう。
仄かな残り香が髪を引っ張って振り返ると、やっぱりあいつが居る。
あなたが見てる。
綾小路がまた僕の事を気にしてくれてるみたいだ。
本人に聞いてはないけど、僕たちは互いに気にしてる。
気が引きたい、どう引けばいいかわからないから君の得意分野に語りかける。
今日はどんな匂い?
君はどう思うかな、これはいい女の子かな。良い匂いはする?
昨日からの子はその前までの子と違う感じなんだよ?
君の好みも何時か教えて欲しいな。綾小路の横を通り抜けると見てる気配がする。
視線が僕を呼んでるけど、僕は振り返る事が出来ないでいる。
あなたの匂いを探す。
大抵の匂いは嗅ぎ分ける事が出来る。
クラスの奴が食べてる弁当の中身とか。
昼休みになった途端に風間は教室を出て行った。あいつを無意識に探してしまう。
互いに意識してるのはわかっているのに、距離がわからない。
自分の気持ちも本当の所、よくわからない。
刺すような強い香水の匂いに顔を上げると目の前に風間が立っていた。
あまりに強い匂いに包まれた居たので風間だとは気づけなかった。
ソッと鼻を押さえて睨みつけるとヘラリと笑われる。
あなたの視線。
笑いかけると綾小路は実に嫌そうな顔をした。
むしろ、睨みつける勢いで。
顔の大半をマスクで隠している彼の目は大変おしゃべりだ。
周りの奴らは君の変化に気づいてないみたいだけど、僕は知っているよ。
「ね、今日の香水どう?女の子にさっきもらったの着けてるんだけどさ」
話かけると「臭い、あっちへ行け」と邪険にするので知らん顔して綾小路の髪の毛に鼻先を近づけた。
「君は仄かに甘い石けんの匂いがするね」
僕の発言に腹を立てたのか「香水着けりゃ良いってモンじゃない」っと逃げるように教室を出て行ってしまった。
あなたの本当の匂い。
勢いで席を立ったが戻るのも変だ。弁当を教室に置いて来てしまった。
仕方が無いから昼ご飯を食べるのをやめようか。
それに、先ほどの風間の匂いを思い出しただけで胸がムカムカとした。
階段の踊り場の窓を開けると夏と梅雨の匂いがして、
パタパタと足音を鳴らして香水臭い奴が来る。
振り返らなくても風間とわかった、声をかけられたけど返事もせず逃げもしなかった。
「ねぇ、綾小路。この香水そんなに嫌ぁ?」
嫌だよ。匂いキツすぎるし、普段のお前の匂いの方が良い。
思っても言葉にしない。黙っていると勝手に「そうか」と納得して風間は何処かに行ってしまった。
雨が降りそうな匂いがする。
あなたの返事。
翌日、綾小路の席の前に行くと向けられた目。
昨日睨まれた目と違って穏やかで普通の目。
「おはよ、ね。僕、また女の子と別れちゃった」
「そう」短い返事の隠されてる気持ちが知りたいな。
「だから、今、一人で寂しいんだよ。お昼一緒に食べようよ」
さて、君のお喋りの目はなんて言ってるんだろう。
end.
意味不明おつ!
珍しく色分けしたけど、携帯からだと色分けされないんだよね・・・。
上手く行かないなーって感じる。
- 香水 -
あなたの匂い。
風間がまた別の女の子と付き合う事にしたみたいだ。
本人に確認はしてないけど、まとわりつく香水が変わった。
甘ったるく、赤い匂いがする。先日までは柑橘系の明るい匂いがしてた。
香水は自分には少々刺激が強い。
だから、余計にマスクで覆ってちょっとでも匂いを遮断する。
匂いなんて、少々遮断しても自分には殆ど効力なんてない。
無臭とうたう化粧品なんかも結局は匂いを感じるし、普通の人間なら感じなくてもわかってしまう。
仄かな残り香が髪を引っ張って振り返ると、やっぱりあいつが居る。
あなたが見てる。
綾小路がまた僕の事を気にしてくれてるみたいだ。
本人に聞いてはないけど、僕たちは互いに気にしてる。
気が引きたい、どう引けばいいかわからないから君の得意分野に語りかける。
今日はどんな匂い?
君はどう思うかな、これはいい女の子かな。良い匂いはする?
昨日からの子はその前までの子と違う感じなんだよ?
君の好みも何時か教えて欲しいな。綾小路の横を通り抜けると見てる気配がする。
視線が僕を呼んでるけど、僕は振り返る事が出来ないでいる。
あなたの匂いを探す。
大抵の匂いは嗅ぎ分ける事が出来る。
クラスの奴が食べてる弁当の中身とか。
昼休みになった途端に風間は教室を出て行った。あいつを無意識に探してしまう。
互いに意識してるのはわかっているのに、距離がわからない。
自分の気持ちも本当の所、よくわからない。
刺すような強い香水の匂いに顔を上げると目の前に風間が立っていた。
あまりに強い匂いに包まれた居たので風間だとは気づけなかった。
ソッと鼻を押さえて睨みつけるとヘラリと笑われる。
あなたの視線。
笑いかけると綾小路は実に嫌そうな顔をした。
むしろ、睨みつける勢いで。
顔の大半をマスクで隠している彼の目は大変おしゃべりだ。
周りの奴らは君の変化に気づいてないみたいだけど、僕は知っているよ。
「ね、今日の香水どう?女の子にさっきもらったの着けてるんだけどさ」
話かけると「臭い、あっちへ行け」と邪険にするので知らん顔して綾小路の髪の毛に鼻先を近づけた。
「君は仄かに甘い石けんの匂いがするね」
僕の発言に腹を立てたのか「香水着けりゃ良いってモンじゃない」っと逃げるように教室を出て行ってしまった。
あなたの本当の匂い。
勢いで席を立ったが戻るのも変だ。弁当を教室に置いて来てしまった。
仕方が無いから昼ご飯を食べるのをやめようか。
それに、先ほどの風間の匂いを思い出しただけで胸がムカムカとした。
階段の踊り場の窓を開けると夏と梅雨の匂いがして、
パタパタと足音を鳴らして香水臭い奴が来る。
振り返らなくても風間とわかった、声をかけられたけど返事もせず逃げもしなかった。
「ねぇ、綾小路。この香水そんなに嫌ぁ?」
嫌だよ。匂いキツすぎるし、普段のお前の匂いの方が良い。
思っても言葉にしない。黙っていると勝手に「そうか」と納得して風間は何処かに行ってしまった。
雨が降りそうな匂いがする。
あなたの返事。
翌日、綾小路の席の前に行くと向けられた目。
昨日睨まれた目と違って穏やかで普通の目。
「おはよ、ね。僕、また女の子と別れちゃった」
「そう」短い返事の隠されてる気持ちが知りたいな。
「だから、今、一人で寂しいんだよ。お昼一緒に食べようよ」
さて、君のお喋りの目はなんて言ってるんだろう。
end.
意味不明おつ!
珍しく色分けしたけど、携帯からだと色分けされないんだよね・・・。
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