風綾/子供なんだ
前に書いた「大人気ない」の風綾の続編になってます。
設定は29歳風間さんと大学生の18歳綾小路くんの話。
パロ苦手な方はスルーしてください。
- 子供なんだ -
綾小路とは、彼が高校生の時に出会った。
恋人とも付かない微妙な距離感でいた。正直、一回りまではいかないけど、僕たちは年が離れている。
その事を気にしてたのか綾小路は無理に大人っぽく見せたりしてた。
彼なりに僕にあわせようとしてくれてたのかもしれない。
本人に聞いたわけじゃないけどね。
もとから少し達観した考えを持ってしっかりした子だったから、無理なんかしなくても順調に大人になって行くのに。
それから、彼が大学に進学して、環境が変わって沢山の人にあった綾小路は当初に比べて性格が少し穏やかになった。
気配りで努力家、それと一点に集中してると他が見えなくなる事は今も変わってない。
それから、彼が大学に入って僕たちは正式に付き合う事に。
いつまでも微妙な距離をフラフラしてる僕に「ハッキリしろ!」っと言う綾小路は今思い出してもカッコ良かった。僕には負けるけど。
世間体を考えれば表立って僕たちのことは言えない、でも、別に気にしない。
お互いに相手の事わかってればいいんだし。
でも、それとこれとは・・・・。
30歳手前って言っても、持ち前の美貌と老けとは無縁の僕だから堂々と綾小路の通う大学に足を踏み入れた。
それに、近年では社会に出てから勉強したいって人が増えてるみたいだから僕が入っても怪しまれないだろう。
何度か敷地内を歩いた事が有り、迷いなく校舎入り口へと進んだ。
今日は午後からの授業がないからランチを一緒に取ろうと約束をした。
駅前でブラブラと時間をつぶしてたけど、見るのにも飽きたので、向かえついでに知った大学に来てみた。
昼間の明るい日差しの中、きゃいきゃいと騒がしい数人の大学生たちとすれ違った。
入り口付近に置いてあるベンチに腰掛け、時計を見れば授業が終わった頃のはず。
手に持ったコーヒーの空き缶を掌でくるくると弄んだ。
まだかなぁー。
ざわざわと声が聞こえてきたので顔を上げると、授業の終わった学生たちがゾロゾロと出てきた。
沢山の人間に溢れてるけど、難なく目的の人物を見つける。
おーいっと呼ぼうと思ったけど、誰かと話してる。
女の子・・・・?
二人の女の子に挟まれるように歩いてきた綾小路は少し困ったような顔をして二人と話をしている。
何を話しているのかはわからないけど、見るからに女の子は綾小路に好意を寄せているっと僕の勘が囁いてきた。
大学に入ってからの彼はボチボチ、モテるみたいだ。前のメールの女の子にも注意するように言ったばっかりなのに。
容姿は、まぁ良い方だし。性格も悪くない。
それから少し周りに優しくするようになったから・・・・悪い虫がつくんだ。
僕の姿を見つけた彼が二人に別れを告げて、こっちへ歩いてきた。
「なに、どうしたわけ?」
「何が」
「なんか、不機嫌な顔してる」
言われて顔がどことなく引きつっているのを感じる。
いかんいかん。こんなんじゃ僕の素敵な顔が。指で頬を軽くさすってから「浮気ぃ?」と聞いてやった。
「そんなんじゃない、ただ授業が一緒の子」
チラリと見れば綾小路と話していた二人がこっちを見ていたので、笑顔を向けて手を振ってあげた。
にこやかな表情の俺とただ手をあげただけの綾小路に小さく手を振って場を離れて行く女の子たちを見送る。
「あんたこそ、何その笑顔」
「何って、愛想いいでしょ?」
「関係ない子なんだから無闇矢鱈に愛想振りまかないで」
と、歩き出した綾小路に遅れをとらないように歩き出して「えー、何、嫉妬ぉ?」と聞いてみた。
わざと意地悪な質問をしたのに、想像とは違って少し怒った表情をして「そうだよ、悪いか!」
前の彼だったら絶対に認めなかったのに。
ムキになるのなんて子供っぽいって意地を張ったはず。
僕に自然な君を見せてくれて嬉しいよ。でもね、あまり君も愛想振りまいて変な虫を寄せ付けないでくれ。
綾小路と比べたら大人だけど、僕はまだ子供なんだから。
簡単に嫉妬して、ちょっとした事で喜ぶ。
「ちょっと!待ちたまえ」
周りには大きな声では言えないけど、虫除け感覚で恋人が居る事を少しは言ってくれると嬉しいな。
end.
お互いに嫉妬して、ラブラブかよ!
設定は29歳風間さんと大学生の18歳綾小路くんの話。
パロ苦手な方はスルーしてください。
- 子供なんだ -
綾小路とは、彼が高校生の時に出会った。
恋人とも付かない微妙な距離感でいた。正直、一回りまではいかないけど、僕たちは年が離れている。
その事を気にしてたのか綾小路は無理に大人っぽく見せたりしてた。
彼なりに僕にあわせようとしてくれてたのかもしれない。
本人に聞いたわけじゃないけどね。
もとから少し達観した考えを持ってしっかりした子だったから、無理なんかしなくても順調に大人になって行くのに。
それから、彼が大学に進学して、環境が変わって沢山の人にあった綾小路は当初に比べて性格が少し穏やかになった。
気配りで努力家、それと一点に集中してると他が見えなくなる事は今も変わってない。
それから、彼が大学に入って僕たちは正式に付き合う事に。
いつまでも微妙な距離をフラフラしてる僕に「ハッキリしろ!」っと言う綾小路は今思い出してもカッコ良かった。僕には負けるけど。
世間体を考えれば表立って僕たちのことは言えない、でも、別に気にしない。
お互いに相手の事わかってればいいんだし。
でも、それとこれとは・・・・。
30歳手前って言っても、持ち前の美貌と老けとは無縁の僕だから堂々と綾小路の通う大学に足を踏み入れた。
それに、近年では社会に出てから勉強したいって人が増えてるみたいだから僕が入っても怪しまれないだろう。
何度か敷地内を歩いた事が有り、迷いなく校舎入り口へと進んだ。
今日は午後からの授業がないからランチを一緒に取ろうと約束をした。
駅前でブラブラと時間をつぶしてたけど、見るのにも飽きたので、向かえついでに知った大学に来てみた。
昼間の明るい日差しの中、きゃいきゃいと騒がしい数人の大学生たちとすれ違った。
入り口付近に置いてあるベンチに腰掛け、時計を見れば授業が終わった頃のはず。
手に持ったコーヒーの空き缶を掌でくるくると弄んだ。
まだかなぁー。
ざわざわと声が聞こえてきたので顔を上げると、授業の終わった学生たちがゾロゾロと出てきた。
沢山の人間に溢れてるけど、難なく目的の人物を見つける。
おーいっと呼ぼうと思ったけど、誰かと話してる。
女の子・・・・?
二人の女の子に挟まれるように歩いてきた綾小路は少し困ったような顔をして二人と話をしている。
何を話しているのかはわからないけど、見るからに女の子は綾小路に好意を寄せているっと僕の勘が囁いてきた。
大学に入ってからの彼はボチボチ、モテるみたいだ。前のメールの女の子にも注意するように言ったばっかりなのに。
容姿は、まぁ良い方だし。性格も悪くない。
それから少し周りに優しくするようになったから・・・・悪い虫がつくんだ。
僕の姿を見つけた彼が二人に別れを告げて、こっちへ歩いてきた。
「なに、どうしたわけ?」
「何が」
「なんか、不機嫌な顔してる」
言われて顔がどことなく引きつっているのを感じる。
いかんいかん。こんなんじゃ僕の素敵な顔が。指で頬を軽くさすってから「浮気ぃ?」と聞いてやった。
「そんなんじゃない、ただ授業が一緒の子」
チラリと見れば綾小路と話していた二人がこっちを見ていたので、笑顔を向けて手を振ってあげた。
にこやかな表情の俺とただ手をあげただけの綾小路に小さく手を振って場を離れて行く女の子たちを見送る。
「あんたこそ、何その笑顔」
「何って、愛想いいでしょ?」
「関係ない子なんだから無闇矢鱈に愛想振りまかないで」
と、歩き出した綾小路に遅れをとらないように歩き出して「えー、何、嫉妬ぉ?」と聞いてみた。
わざと意地悪な質問をしたのに、想像とは違って少し怒った表情をして「そうだよ、悪いか!」
前の彼だったら絶対に認めなかったのに。
ムキになるのなんて子供っぽいって意地を張ったはず。
僕に自然な君を見せてくれて嬉しいよ。でもね、あまり君も愛想振りまいて変な虫を寄せ付けないでくれ。
綾小路と比べたら大人だけど、僕はまだ子供なんだから。
簡単に嫉妬して、ちょっとした事で喜ぶ。
「ちょっと!待ちたまえ」
周りには大きな声では言えないけど、虫除け感覚で恋人が居る事を少しは言ってくれると嬉しいな。
end.
お互いに嫉妬して、ラブラブかよ!
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