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古キョン/お答えは?

古キョンの告白と返事の話です。
ベタです。一杯ありそうなのを書きました。


- お答えは? -


つい一週間ほど前に、告白をした。
その相手が玄関を開けたら泣いていた。
正確には僕の顔を見た途端に泣き出したんだが、細かい所は置いておこう。
僕は一言も言葉が出てこなくて困った。
笑ったり怒ったりする顔は普段目にするけど、涙を流しているのは初めて見た。
身体が固まって見つめる事しか出来ない。
声も上げずに手の甲で涙を拭う彼、滴が夕日に反射してる。
どのくらい見ていたのかわからないが、混乱する頭で何とか彼を部屋の中に誘導する事に成功した。

告白の翌日はどんな顔で居れば良いのか悩んで、でも、顔を合わせたら彼が普通過ぎて拍子抜け。
そのまま有耶無耶のまま曖昧な一週間を過ごした。
現実味が薄く、ぼんやりとした僕だったが周りには僕の小さな変化はバレていなかった。
彼は普段通りで、顔を合わせれば挨拶して、部室では意味のないような無駄話に簡単なゲーム、凉宮さんの突拍子のない提案に顔を見合わせた。
返事も聞かずに今日まで来て、休日の夕方にいきなり彼が来るなんて誰が想像したことか。
部屋に招き入れた彼は小さく鼻を鳴らしながら言われた通りにクッションに腰を下ろしている。
僕の部屋に彼が来るのも片手で数える程、所在なさげに身を小さくしている彼に温かなコーヒーを出した。
ちらりと見上げた彼は「すまんな」と先ほどの涙は何処かに。
落ち着いてきたのか、少々目元が赤いが礼を言った。
「いえ」
僕は笑い返したが、続く言葉が見つからない。
色々と問いただしたい事は山ほどある。
特に突然僕の言えにきた理由と、泣き出したわけ、あと、告白の返事。
聞きたいがタイミングがわからない。
どうして・・・と頭の中で答えのない自問自答がグルグル回る。
とりあえず、コーヒーに息をかけてさましている彼の隣に腰を下ろした。
座ってからこの距離が近すぎるんじゃないかと焦り始める。
横目に見ても彼は手の中のカップを見ている。
学校で会うのとは違うんだな、しかも、先週告白した相手。
返事も聞いてない微妙な関係。
友達から踏み出していいのかわからない。駄目なら駄目で早く言って欲しい。
答えを明確に出されないから、甘えと期待が出てしまう。
もしかして。呪文だ。
お互いに、黙っていてもらちがあかないので意を決し話かけた。
「どうしたんですか?」
ブスッとした顔で彼が机にカップを置いて僕の方を少し見つめてきた。
・・・・泣いた後だからか潤んだ瞳、ひじょうにトキメキます。
「お前、俺が好きなんだよな?」
「え!?・・・・えぇ、ご存知の通り先週、あなたに告白をしたばかりです」
彼がじりじりと迫ってくる、さっきは距離感に悩んだが彼から近づいてくると怖じ気づく。
逃げるように少しだけ腰をずらして間を空ける。
「アレは、本心だったのか?」
真剣な顔がまた少し近づいた。アレとは告白の事だろう。
「本心です。冗談で男に告白なんて出来ません」
僕の返事に「そうだよな」っと言って元いた位置に座り直した彼が何かを考えるように自分の唇を撫でた。
何を考えているんだろう、僕は彼の口元が気になって仕方が無い。
男の唇にキスしたいだなんて、本当に僕は彼が好きなんだな。
「お前、今日、女子とデートしてたらしいな」
小さな声でハルヒが嬉しそうに電話してきたと続いた。
「・・・・え?デート?してませんよ」
本当かっと念を押してくる彼、思い出しても今日の僕はデートなんてしてない。
確かに、女性と外出はしたが、それも機関の関係の人だ。
また何か考えているのか密かに寄せられた眉を見て、僕は思った。
もしかして、これは嫉妬と言う物なのか?
告白しておいて僕が他の女性をデートしたと押掛けてきたのか?
都合のいい想像しか出来ない。その考えで正解なんだろうか?
またもグルグルと回る頭に、先ほどから気になる彼の口元。
もう、当たって砕けるしかない。
「あの、もしかして、嫉妬、してくれたんですか?」
僕の問いかけにポカンと驚いた顔でコチラを見返してくる彼は数分後、顔を真っ赤にして目を泳がし始めた。
これは無自覚に嫉妬して、ココまで来た・・・のか。
「僕の都合のいい解釈ですが、あなた、僕の事、少しは好いてくれてるんですか?」
少し逃げ腰の言い方になってしまった。
でも、目の前の彼は目を伏せて「わりぃかよ」っと言い捨てた。
「・・・それ、告白の返事と取ってよろしいんでしょうか?」
長い沈黙の後、彼はコクッと頷いた。
僕は嬉しくなって彼との距離を縮め、顔を見たくて覗き込んだ。
赤くした困り顔がちらりと僕の方を見る。可愛いなっと思い、先ほどから気になっていた唇にキスをした。



end.
キョンくんが泣いていたのは、告白された→なのに女とデート→告白は嘘!?→何故か腹が立って泣いた
告白の返事に悩んでたけど、自覚してなかったキョンくんでした。
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