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跡日/触れたいな

本当はテンガシリーズ用に書き始めたけど、思うように書けませんでした。
日吉くん初体験を跡部さんが考慮する話です。
温いけどエロあります、苦手な方はスルーしてください。

- 触れたいな -


恋人になって相手に触れたいと思う気持ちに早いも遅いもない。
俺なりに初めて人と付き合うらしい日吉のことを考えて我慢をするつもりだった。
でも、誰に吹き込まれたんだか真剣な目で「抱いてください」とお願いされてしまったときはどうすればいいのか・・・。

普段通りに部室の最後の戸締まりをして一緒に変えるかと鞄を肩にかけた時だ。
俺の背中に日吉が珍しくくっついてきた。
「・・・どうしたんだ?」
腹に回る日吉の手に触れてやると緊張のせいか冷えていた。
背中に顔を押し付けられて小さな声が聞こえた。
「跡部さんが好きです」
突然の告白に動揺した、恋人となったからと言って日吉から好きだとか聞くのなんて片手で数えるぐらいしかない。
驚いたけど、同時に凄く嬉しかった。理由は何であれ好意を示されて悪い気はしない。
「俺もだ」と返す前に日吉は言葉を続けた。
「だから、抱いてください」
「・・・・・・え?」
日吉から抱いてくれなんてお願いされるなんて一ミリも考えたことなかった。
キスをするのも顔を真っ赤にしてる奴にそれ以上のことを言われるとは。
間の抜けた声が零れ、慌てて日吉の方を向いた。
両肩をつかんで顔を覗き込めば、やっぱり顔を真っ赤にしてる。
涙目になったのを隠すように手で隠される。
「どうしたんだ?」
自然と声が強くなってしまった。脅かすつもりは微塵もないのに日吉の声は小さく震えていた。
「す、きだから。抱いて・・・ください」
「なんでいきなり」
「だって、好きなら欲しくなるって」
確かにその通りだ。自分も日吉の全部が欲しい。
隅々まで触れたいと思うけど、急がず、大切にしたいから気持ちの方が強い。
だから、全部初めての日吉のことを考えてゆっくりとしたペースで進んで行こうと思ってたのに。
「本当にどうしたんだ。何か言われたのか?」
問いただしても首をふるばかりで、ただ抱いてくれと一点張り。
真っ直ぐで不器用。見方によっては頑固な日吉が折れることもなく、結局は了解してしまった。
日吉の発言が引き金になったが、自分の日吉に触れたいって願望があったのも確か。
「わかった」と言って緊張で強張っている日吉の身体を抱きしめてやると安心したのか肩に顔を埋めて息をついた。

それが、先週の金曜日のことだ。
間の一週間のお互いのぎこちない感じは辛かった。お互いに約束のことを意識してしまって普段よりも口数が減って他の連中から喧嘩でもしたのかと心配までされた。
「そんな事はない」と、いつもなら笑い返せたのに顔は硬かった。
ヘタクソな誤摩化しの日を乗り越え、今は日吉が自室に居る。
金曜日の部活後、家に連れてきて食事と風呂を済ませてお互いにガチガチに緊張している。
柔らかいベッドに並んで座ったまま、言葉も交わさずに隣からわずかに感じる相手の体温ばかり気にしている。
自分は何度か女性相手には経験しているが、日吉以上に好きになった相手は居ない。
抱いてくれと言った日吉も勝手が分からないからか動かずにジッとした体勢を崩さない。
無理に経験を急ぐ事ではない気がしてきた。
その時がくれば自然と求めるだろうし、下手に経験して嫌になるのも避けたい。
俺も好きな相手には逃げ腰だなっと自分を笑って気が緩んだ。
「日吉、今日はやめとくか?」
強く握りしめている日吉の手を包み込むように触れて問いかけた。
すぐに「えっ?」と揺れた瞳が俺を見る。困ったように眉が下がってる。
何がそんなに彼を急かしたのかはわからないが、また今度にしようと促した。
日吉は首を振って俺の手を握り返してきた。
「いえ、やりましょう」
「・・・どうして、そんな急ぐんだ?俺たちのペースで良いじゃないか」
緊張をほぐそうと眉間に柔らかなキスを送る。
「跡部さんが、欲しいんです。悩んでたら鳳が好きな人を欲しくなるのは普通だって。それから、跡部さんは経験済みだろうから俺で満足してくれるか心配で・・・」
だから知りたいんですと強い目が俺を真っ直ぐに見つめてくる。
「そうだったのか、不安にさせて悪かった。日吉が、俺を欲しいって言ってくれて嬉しいよ。でも、俺はお前に無理はさせたくないんだ」
こくりと頷いた日吉を抱きしめて「だから、最後まではしない」と、キッパリと宣言した。
「でも・・・・」
「わかってくれ、これは日吉が大事だからなんだ。それに、いきなり最後まで行かないで、次の楽しみにすれば良いだろ。これっきりじゃないんだから」
日吉も納得してくれたのか背中に手が回される。
「わかってくれてありがとう。それと、お前が不安になることはない。相当俺は日吉に惚れ込んでいるからな」
お前が思った以上にっと耳元に言ってやる、ぎゅっと手の力が強まって小さな声が「はい」と言った。

ゆっくりと、服を脱がせて日焼けのしていない箇所に触れる。
白く柔らかい肌に唇を寄せてささやかな痕を残した。
「どうすれば良いか解りません」
日吉が目を彷徨わせて言った。
「お前も好きなように触ればいい。俺は日吉の物だからな」
笑って頬にキスをして、嬉しそうな日吉の顔を見てから唇にキスをした。
ぎこちない舌を誘って絡めると籠った声を零した。ぺろりと口元を舐めてやると恥ずかしそうな目が俺を見つめ返してくる。
「俺も、跡部さんの物です」
小さな声に嬉しくて笑いかけた。
胸に触れると日吉の手が俺の方を撫でるように触れる。
密かに主張する乳首を唇で挟み込んで舌先で舐めてみたが、初めてで感じる事もなく目が泳いだだけだった。
その反応も初で愛おしい。演技でなくまっさらな日吉自身の反応を楽しむ。
身体中をお互いに撫でて、悪戯に上を引っ張ったり、耳を舐めてみたり。
セックスと言うより、触れ合うだけで心が満たされる。クスクスと布団の中で笑い合ってキスを沢山した。
さすがに下着をずらして互いのモノを抜き上げた時は無言だったが興奮した。
「恥ずかしいです」
言った日吉も緊張はなく嬉しそうな顔だった。
「俺も、お前に見られて触られてると思うと恥ずかしいよ。でも、嬉しい」
熱い息が重なって擦るスピードが自然とあがる。
日吉が小さく零す声も可愛らしく感じて顔中にキスをしてほぼ同時に果てる事が出来た。
はぁはぁと息があがって、最後まではやってないのに幸せだった。
また、一緒になって笑い合って、柔らかくキスをした。
「愛してる」と囁けば、素直に「俺も」と短く返してくれた。



end.
エロよりもエロまでの過程の方が書いてて楽しくて、いつも頭でっかちになってしまう。
エロも好きだけど!(笑)
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