跡日/おいしくない
ホワイトデーの話を変な時期に書く。
跡部さんが3月に部活してるから、中二の跡部さんです。パロ?
短いです。宍鳳がチラリ。
跡部さんが日吉くんのこと、凄い好きな話。
- おいしくない -
3月の前半、部活中あまり無駄話を振ってこない鳳がコッソリと教えてくれた。
「二年生の調理実習、ホワイトデー近いからクッキー焼くんですよ」
嬉しそうに笑う鳳はチラリと宍戸の方を見てより笑顔を深めた。
「お前は作ったのをあいつにやるんだな」っと聞いたら少し頬を染めて素直に「はい」と言った。
イベントごとに興味が無いだろうから、せめて自分からと渡したチョコ。
予想と違って手元には日吉からのチョコを貰えた。
「あんたのために作りました」と渡された包み。
「買いに行くの恥ずかしかったし、あんた甘いの苦手って言ってたから。あんまり甘くないです。すいませんっ」
何を謝る理由があるのかわからないが、どうせ照れ隠し。
自然と口元が緩んだのを見た日吉が顔を真っ赤にさせて「だらしない顔しないでください」と今度は怒ったのが、また可笑しかった。
「おいしくなかったら、捨ててください。お腹壊すかもしれないし」
と、注意されたが食べたとき幸せでとてもおいしかった。
自分のやった市販のチョコがちんけに感じたぐらいだ。
もうすぐホワイトデーで、また日吉にはお返しをプレゼントしたいと思ってたので、お菓子ではないがタオルとリストバンドを買ってあった。
早く渡して、喜ぶ顔が見たいなっと思っていた所で鳳の「調理実習」の話だ。
また日吉の手作りのものが食べれるのかと思って胸が跳ねた。
鳳に聞いた所によると、調理実習は3月11日の金曜日。
日吉から直接貰えるとは聞いていないが、何となく貰える物と期待してその日の部活を終えた。
鳳は宣言通りに宍戸にクッキーをやるのか、二人してそそくさと部室をあとにした。
ホワイトデー当日は自分が委員会の仕事があるので部活に出れないことは既に伝えてある。
約束はしてないが、俺と日吉は他の部員が帰るのを待つ。
着替える時にチラリと見たロッカーの中にクッキーらしき包みが少しだけ見えた。
そのまま日吉を見ると表情がどことなく硬い、バレンタインの時みたいに緊張してるからだろうか?
最後の一人が「お疲れさまです」っと出て行ったのを見届けて、日吉に用意しておいたプレゼントを手渡す。
「少し早いけど、ホワイトデーのお返し。たいした物じゃないけど、使ってくれると嬉しい」
袋から出てきたプレゼントに日吉が嬉しそうな顔を浮かべた。
「大事にします・・・俺も」と、鞄の中から先ほど見えた物とは違う包みがでてきた。
受け取る際に顔に出たのを運悪く日吉に見られ、不安そうな声。
「嫌でしたか?」
「いや・・・・そう言う訳では・・・」
言い澱んだ俺と強張った日吉の顔。「返してください」と伸ばされた手を何とか避けた。
俯いてしまった日吉の表情は見えないが、別に隠しても仕方が無いので正直に調理実習のことを伝えた。
「鳳から調理実習でクッキーを焼くと聞いて、その、貰える物とばかり思って。俺の勝手な勘違いだ、悪かった。お前の手作りがまた食べれるかもしれないと少し期待してたんだ」
謝罪の言葉とともに髪の毛をソッと撫ぜると日吉が何か言いたそうに俺を睨むように見てくる。
「そんなに、食べたいんですか?」
「・・・食べれるなら食べたい」
お前の手作りだから。日吉は無言で今度はクッキーを手渡してきた。
透明の袋に赤のリボンで中に丸いクッキーが行儀よく収まっている。
「ありがとう」と言うと「それ、すごく甘くて跡部さんにはおいしくないと思います。不味くても返さないでくださいよ、責任持って最後まで食べてくださいね」と日吉はそっぽを向いた。
「あぁ、ありがとう。嬉しいよ。プレゼントもありがとう」
笑ってリボンをほどいてクッキーを一枚齧った、それは凄く甘い味だった。
でも、すごく幸せな味がした。
「おいしい」と言えば照れと困ったが一緒くたになった顔で日吉は「だらしない顔しないでください」と前と同じように怒った。
end.
中学生のとき、イベントごとが近い時の調理実習でケーキかなんか作ったことある。
跡部さんが3月に部活してるから、中二の跡部さんです。パロ?
短いです。宍鳳がチラリ。
跡部さんが日吉くんのこと、凄い好きな話。
- おいしくない -
3月の前半、部活中あまり無駄話を振ってこない鳳がコッソリと教えてくれた。
「二年生の調理実習、ホワイトデー近いからクッキー焼くんですよ」
嬉しそうに笑う鳳はチラリと宍戸の方を見てより笑顔を深めた。
「お前は作ったのをあいつにやるんだな」っと聞いたら少し頬を染めて素直に「はい」と言った。
イベントごとに興味が無いだろうから、せめて自分からと渡したチョコ。
予想と違って手元には日吉からのチョコを貰えた。
「あんたのために作りました」と渡された包み。
「買いに行くの恥ずかしかったし、あんた甘いの苦手って言ってたから。あんまり甘くないです。すいませんっ」
何を謝る理由があるのかわからないが、どうせ照れ隠し。
自然と口元が緩んだのを見た日吉が顔を真っ赤にさせて「だらしない顔しないでください」と今度は怒ったのが、また可笑しかった。
「おいしくなかったら、捨ててください。お腹壊すかもしれないし」
と、注意されたが食べたとき幸せでとてもおいしかった。
自分のやった市販のチョコがちんけに感じたぐらいだ。
もうすぐホワイトデーで、また日吉にはお返しをプレゼントしたいと思ってたので、お菓子ではないがタオルとリストバンドを買ってあった。
早く渡して、喜ぶ顔が見たいなっと思っていた所で鳳の「調理実習」の話だ。
また日吉の手作りのものが食べれるのかと思って胸が跳ねた。
鳳に聞いた所によると、調理実習は3月11日の金曜日。
日吉から直接貰えるとは聞いていないが、何となく貰える物と期待してその日の部活を終えた。
鳳は宣言通りに宍戸にクッキーをやるのか、二人してそそくさと部室をあとにした。
ホワイトデー当日は自分が委員会の仕事があるので部活に出れないことは既に伝えてある。
約束はしてないが、俺と日吉は他の部員が帰るのを待つ。
着替える時にチラリと見たロッカーの中にクッキーらしき包みが少しだけ見えた。
そのまま日吉を見ると表情がどことなく硬い、バレンタインの時みたいに緊張してるからだろうか?
最後の一人が「お疲れさまです」っと出て行ったのを見届けて、日吉に用意しておいたプレゼントを手渡す。
「少し早いけど、ホワイトデーのお返し。たいした物じゃないけど、使ってくれると嬉しい」
袋から出てきたプレゼントに日吉が嬉しそうな顔を浮かべた。
「大事にします・・・俺も」と、鞄の中から先ほど見えた物とは違う包みがでてきた。
受け取る際に顔に出たのを運悪く日吉に見られ、不安そうな声。
「嫌でしたか?」
「いや・・・・そう言う訳では・・・」
言い澱んだ俺と強張った日吉の顔。「返してください」と伸ばされた手を何とか避けた。
俯いてしまった日吉の表情は見えないが、別に隠しても仕方が無いので正直に調理実習のことを伝えた。
「鳳から調理実習でクッキーを焼くと聞いて、その、貰える物とばかり思って。俺の勝手な勘違いだ、悪かった。お前の手作りがまた食べれるかもしれないと少し期待してたんだ」
謝罪の言葉とともに髪の毛をソッと撫ぜると日吉が何か言いたそうに俺を睨むように見てくる。
「そんなに、食べたいんですか?」
「・・・食べれるなら食べたい」
お前の手作りだから。日吉は無言で今度はクッキーを手渡してきた。
透明の袋に赤のリボンで中に丸いクッキーが行儀よく収まっている。
「ありがとう」と言うと「それ、すごく甘くて跡部さんにはおいしくないと思います。不味くても返さないでくださいよ、責任持って最後まで食べてくださいね」と日吉はそっぽを向いた。
「あぁ、ありがとう。嬉しいよ。プレゼントもありがとう」
笑ってリボンをほどいてクッキーを一枚齧った、それは凄く甘い味だった。
でも、すごく幸せな味がした。
「おいしい」と言えば照れと困ったが一緒くたになった顔で日吉は「だらしない顔しないでください」と前と同じように怒った。
end.
中学生のとき、イベントごとが近い時の調理実習でケーキかなんか作ったことある。
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