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跡→日/眼差しの色

日吉くんに片思いする跡部さんも良いんじゃないかな。
ジロちゃんがよく出てくるのは私が好きだからです。
ジロちゃんと跡部の会話です。


- 眼差しの色 -


部活の練習で打ち合いをしてる、人数の関係で交替待ち。
俺の横に腰を下ろしたジローが「眠たい〜」と言って肩に凭れ掛かってくる。
こいつは誰にでも凭れ掛かってくるし、注意するのも面倒なので俺も何も言わずに肩を貸してやる。
「試合を見るのも練習のうちだぞ」っと一応は刺をさすが返事がない。
もう、寝たのかな?っと思っても俺は目の前のコートをじっと見ているのでジローの方は見ない。
目の前のコートでは同じ2年の鳳と日吉が打ち合っている。
耳に心地よいボールの打たれる音がする。
鳳が腰を入れた球は日吉には重いのか上手い所に打ち返せない。
でも、鳳の動きをよく見てるのか、反応に遅れることもない。
「ね、跡部、日吉の方ばかり見過ぎぃ」
「・・・・」
突然のジローの声、寝てたんじゃなかったのかよ。
「そんなことない、鳳の方も見てる」
「へーへー、嘘ばっかぁ。跡部がひよの事好きなのみーんな知ってるもんね。鈍感な本人ぐらいだよ、気づいてないの」
「・・・」
上手く隠し通せてると思ってたのに、皆にバレてるなんて・・・。
予想外のことで、咄嗟に誤摩化す言葉も出てこなかった。
左右に行き来するボールを目で追っただけ。
膝の上にごろんとジローが倒れてきた。
真下にジローの顔が来て嬉しそうに見上げてくる。
「だって、ひよのこと「可愛い」ってよく言ってる」
「・・・お前だって日吉のこと可愛いって言ってるだろ」
「それとは違うでしょ?俺のは友達としての可愛い。お前の可愛いとは種類が違う。なんつーか、声の温度が違うってーの?」
「ふん、どうだか」
「俺はさ、お前もひよもどっちもお気に入りだから大好き。だから、二人が仲良くしてるのも好きぃ」
「そりゃ良かったな」
「早くさ、告白でもすれば良いのに。ひよ取られちゃうよ」
「物じゃないんだから」
呆れたように言ったら下から手が伸びてきて、右頬を軽く抓られる。
「何ふんだよ」
「跡部はさ、そんな保守的にならないで攻めれば良いんだよ。俺が日吉可愛ぃ〜って言ってるの真似て、からかうみたいに可愛いって言ってるんじゃ駄目だ。もっとさ、別の言葉を言いたいって俺わかるの。読めちゃうの」
「そうか」
「もっとさ、もっと大胆なのがお前なの。だからさ・・・」

その声は交替の声によって聞こえなかった。
「ほら、交替だ」
頬の手を払って身体を起こす。鳳と日吉が休憩のために歩いてくる、俺たちとすれ違った。
横目で見た日吉に俺は心の中で、キレイだっと言った。
「もうっ!」とジローが手に持ったラケットで俺の尻を軽く叩いた。



end.
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