古→キョン/嘘ついていい日
エイプリルフールネタじゃないですよ?な古キョン。
すこしモヤモヤしてる古泉くんです。ネガティブかな。
- 嘘ついていい日 -
ガチガチに嘘で固めた関係に安心していたのは僕だったのに。
気づいたら本当に好きになっていた・・・、たぶん。
僕はあなたが好きです。あ、そう。
この遣り取り。形式だけ、好きですよ友達ですよねっとアピールするだけ。実際のところ、僕は全く彼の事が好きじゃなかった。
自然体でそこに居る彼が憎いと思った事もある。
僕なんて凉宮さんの反応や、クラスの方々からの”優等生”って言われるように気を使いっぱなしなのに。
好きなように、自由気ままに振るまって。人が良いせいか、振り回される事も多々あるみたいだけど腹が立つ。
なんで、僕は普通じゃ駄目なんだろう。
機関に入ってアルバイトなんて誤摩化して。変なのと戦って。
小さいときの僕は戦うのなんてカラフルな5人組とか、バイクにまたがるバッタみたいな奴とかぐらいしか信じてなかったのに。
少し大きくなったら、そんな物は嘘で、現実には存在しない偽物のヒーローだって思ってたのに。
今現在、自分が偽物のヒーロだなんて当時の僕には想像もつかなかったろうな。
嘘で支えられる僕は簡単に嘘を吐く。
本当なら勉強なんて大嫌いだし、先生に用具を出してくれと頼まれたら内心では面倒で他の人に頼んで欲しいと思う。
笑いたくもなくても笑顔を貼付けて、大袈裟なリアクションと爽やかな男を演じる。
嘘、嘘、嘘。もう、本当の僕がわからない。本当と思っている僕が嘘で、嘘の僕が本当なのかもしれない。
イコールになりきらない僕はどうすれば良いんだ。
苦しいなって思う。別に世界がいつリセットされてもいい。
今の世界が三年前に作られたというなら、その三年前の僕に会いたい。
その時の僕は本当の僕かもしれない。すでに嘘の僕かもしれないけど。
「古泉?」
名前を呼ばれて、ぼんやりとしていたのに気づいた。彼だけじゃない、皆が僕を見ている。
凉宮さん以外のメンバーで部室でトランプをしていたんだった。
ジジ抜きしてたんだった。
僕の方に伸ばされたキョンくんの手に手元のカードを寄せる。
一枚抜かれたものが揃ったのか、一組のカードが裏返されたカードの山に加わる。
朝比奈さんが真剣な顔でキョンくんから引く一枚を選んでいる。すでに2枚まで減っている。
長門さんは既に上がっているのでジッと黙っている。
「あなた、何か困っているの?」
淡々とした感情の無い声が聞こえて、はじめ誰に話書けているのかわからなかった。
マネキンのように首を動かした先は僕で、困っているのか聞かれたのは僕だった。
「いえ、何もありませんよ?」
いつもの貼付けた笑顔を浮かべて朝比奈さんの手元からカードを引いた。
揃わない、クイーンが怒ったような顔で僕を見ている。
「長門、古泉だって悩みぐらいあるだろ、それが人に言いたくない時だってあるだろ。悩むのも困るのも普通だよ。それを打ち明けるか打ち明けないかもな」
誰だって悩みの一つ二つ・・・と、引き上げられたカード。
「あがり!」っと嬉しそうな声と長門さんの「そう」が重なった。
「朝比奈さん、頑張ってください。古泉なんて負かしてやってください」
「が、んばります。」
上目遣いで僕の表情を読むように向けられた朝比奈さんの目に映る僕は本物ですかと心の中で聞いた。
心の声が聞こえる訳もなく、運良くカードを引き当てた朝比奈さんが嬉しそうに笑った。
可愛らしい笑顔に「おめでとうございます」と笑い返した。
「僕あなたが好きです」
部室の片付けと鍵を職員室に返しに行って下駄箱で声をかけた。
僕の声に顔を上げた彼が、いつもの「あ、そう」でなくギコチナく目をそらして首元をかいた。
「おまえ、いつもと違う風にそんな事言うなよ」
いつもと同じように確認のために言ったつもりだった、友達ですよね?仲良くしましょうね?の確認。
浅はかだけど、安心のための嘘の言葉だったのに。
気づいたら僕はあなたの事が好きになっていたみたい。本当か嘘かもわからないけど、僕が気づかない本当の気持ちを見抜いたらしい彼。
「いつものバカみたいな態度で言わないと本気と取られるぞ、馬鹿。そういうのは女子に言え」
「・・・・・本気です」
僕の言葉に驚いて目を開いた彼が手に持っていた上履きを僕に投げつけて大きな声で「あっ、そうっ!」と言って逃げて行った。
たぶん普通とは違う、彼の照れ隠しだ。
end.
照れて怒るキョンくんは可愛い。これは本当。
すこしモヤモヤしてる古泉くんです。ネガティブかな。
- 嘘ついていい日 -
ガチガチに嘘で固めた関係に安心していたのは僕だったのに。
気づいたら本当に好きになっていた・・・、たぶん。
僕はあなたが好きです。あ、そう。
この遣り取り。形式だけ、好きですよ友達ですよねっとアピールするだけ。実際のところ、僕は全く彼の事が好きじゃなかった。
自然体でそこに居る彼が憎いと思った事もある。
僕なんて凉宮さんの反応や、クラスの方々からの”優等生”って言われるように気を使いっぱなしなのに。
好きなように、自由気ままに振るまって。人が良いせいか、振り回される事も多々あるみたいだけど腹が立つ。
なんで、僕は普通じゃ駄目なんだろう。
機関に入ってアルバイトなんて誤摩化して。変なのと戦って。
小さいときの僕は戦うのなんてカラフルな5人組とか、バイクにまたがるバッタみたいな奴とかぐらいしか信じてなかったのに。
少し大きくなったら、そんな物は嘘で、現実には存在しない偽物のヒーローだって思ってたのに。
今現在、自分が偽物のヒーロだなんて当時の僕には想像もつかなかったろうな。
嘘で支えられる僕は簡単に嘘を吐く。
本当なら勉強なんて大嫌いだし、先生に用具を出してくれと頼まれたら内心では面倒で他の人に頼んで欲しいと思う。
笑いたくもなくても笑顔を貼付けて、大袈裟なリアクションと爽やかな男を演じる。
嘘、嘘、嘘。もう、本当の僕がわからない。本当と思っている僕が嘘で、嘘の僕が本当なのかもしれない。
イコールになりきらない僕はどうすれば良いんだ。
苦しいなって思う。別に世界がいつリセットされてもいい。
今の世界が三年前に作られたというなら、その三年前の僕に会いたい。
その時の僕は本当の僕かもしれない。すでに嘘の僕かもしれないけど。
「古泉?」
名前を呼ばれて、ぼんやりとしていたのに気づいた。彼だけじゃない、皆が僕を見ている。
凉宮さん以外のメンバーで部室でトランプをしていたんだった。
ジジ抜きしてたんだった。
僕の方に伸ばされたキョンくんの手に手元のカードを寄せる。
一枚抜かれたものが揃ったのか、一組のカードが裏返されたカードの山に加わる。
朝比奈さんが真剣な顔でキョンくんから引く一枚を選んでいる。すでに2枚まで減っている。
長門さんは既に上がっているのでジッと黙っている。
「あなた、何か困っているの?」
淡々とした感情の無い声が聞こえて、はじめ誰に話書けているのかわからなかった。
マネキンのように首を動かした先は僕で、困っているのか聞かれたのは僕だった。
「いえ、何もありませんよ?」
いつもの貼付けた笑顔を浮かべて朝比奈さんの手元からカードを引いた。
揃わない、クイーンが怒ったような顔で僕を見ている。
「長門、古泉だって悩みぐらいあるだろ、それが人に言いたくない時だってあるだろ。悩むのも困るのも普通だよ。それを打ち明けるか打ち明けないかもな」
誰だって悩みの一つ二つ・・・と、引き上げられたカード。
「あがり!」っと嬉しそうな声と長門さんの「そう」が重なった。
「朝比奈さん、頑張ってください。古泉なんて負かしてやってください」
「が、んばります。」
上目遣いで僕の表情を読むように向けられた朝比奈さんの目に映る僕は本物ですかと心の中で聞いた。
心の声が聞こえる訳もなく、運良くカードを引き当てた朝比奈さんが嬉しそうに笑った。
可愛らしい笑顔に「おめでとうございます」と笑い返した。
「僕あなたが好きです」
部室の片付けと鍵を職員室に返しに行って下駄箱で声をかけた。
僕の声に顔を上げた彼が、いつもの「あ、そう」でなくギコチナく目をそらして首元をかいた。
「おまえ、いつもと違う風にそんな事言うなよ」
いつもと同じように確認のために言ったつもりだった、友達ですよね?仲良くしましょうね?の確認。
浅はかだけど、安心のための嘘の言葉だったのに。
気づいたら僕はあなたの事が好きになっていたみたい。本当か嘘かもわからないけど、僕が気づかない本当の気持ちを見抜いたらしい彼。
「いつものバカみたいな態度で言わないと本気と取られるぞ、馬鹿。そういうのは女子に言え」
「・・・・・本気です」
僕の言葉に驚いて目を開いた彼が手に持っていた上履きを僕に投げつけて大きな声で「あっ、そうっ!」と言って逃げて行った。
たぶん普通とは違う、彼の照れ隠しだ。
end.
照れて怒るキョンくんは可愛い。これは本当。
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