跡日/回答出来ません
大学生日吉くんに高校生の跡部さん。
「勉強の時間です」と「先生、質問です」の続編になります。
非常に緩やかな歩みで進んでってます、焦れったい!(笑)
年齢逆転パロなので、苦手な方はスルーしてください。
- 回答出来ません -
家庭教師と、その教え子の関係を不本意ながら超えてしまってから一ヶ月が経つ。
別に好きとかって感情が無かったはずなのに跡部くんの押せ押せなアタック、それこそ、押し倒されたりして。挙げ句、追いやられての俺からの告白。
思い出しただけで恥ずかしさと悔しさが湧いてくる。
いや、実際、ぐちゃぐちゃと誤摩化すように言葉を濁しまくったはずだったのに跡部くんは満足げに笑って、「それじゃ、両想いですね」っと俺の言葉を一言にまとめてしまった。
流されるように、現状、お付き合いを始めた訳だが、会うのは家庭教師をするときだけ。
もともと、跡部くんは部活に一年生のくせに生徒会に入っていたりと多忙な生活を送っているから仕方が無い。
それに自分は恋愛ごとは初めてだし、淡白な性格で「もっと会いたい」や「束縛したい」って気もないので週に一度、二時間半会うのだけで充分だと思ってる。
会うと言っても勉強して少し世間話をする程度だが。普通の恋愛はもっと会ったり、長い時間を過ごしたいと思うのだろうか?
まぁ、そう思った時に行動すれば良い事だ。自分の生活もある、跡部君以外の家に家庭教師に出向いたりサークル活動だったり、もちろん、自分の勉強もしなくちゃいけないし。
でも、跡部くんはどう思ってるんだろう?
お互いの気持ちがわかるまでの跡部くんの押せ押せ攻撃に流されるように今の二人があるけど、そんなの無かったように前と変わらない。
ただの先生と生徒の時みたいな距離感に戻った。
跡部くんの真剣な横顔を見てぼんやりと考え事をしていると、目が合った。
会うと言っても家庭教師のアルバイト中、職務をまっとうしないとっと慌てて真面目な顔をして向き直る。
「日吉さん、疲れてるんですか?」
チラリと手元のノートを覗き込めば、きっちりと線の中に整列した文字。頭のいい彼には助言なんかしなくても、言われた場所まで答えを出して行ってしまうので殆ど教える事がない。
ありがたいような、ありがたくないような・・・。
「ごめん、少しぼんやりしてたみたい」
謝って、少しずり下がったメガネを押し上げた。照れ隠しみたいな行動だなっと考えたら余計に恥ずかしくなった。自分の中で跡部くんを意識してるのを感じて頬が赤くなったかもしれない。
「そう?顔赤いですよ?」
顔を覗き込まれて、自分ばかり意識してるみたいで顔を隠せなかった。
跡部くんと居ると普段落ち着いてる自分も何処かへいって、色んな自分が出てくる。意地っ張りなのも、その一つ。
「風邪ですか?」っと言われて「そうかな」っと適当な返事をして頬を擦った。
「それより、出来たみたいだね?」
話を切り替えて跡部くんの方を見ると「はい」と言われた。
予定通りの二時間半が終わって、話をする。付き合う前よりは断然長いが恋人らしい事は一つもない会話。
自分が気づいてないだけなのかと思ったけど、友人に聞いたら「本当に付き合ってんの?」っと疑問の目をされたぐらいだ。
今日も今度の跡部くんのテストの話になった。
「次のテスト用に、プリント作ってくるよ。範囲わかったらメールして?あと、部活も休みになって勉強わからなかったら、時間あうなら教えに行くから」
鞄の中に教材をしまいながら話かけたら、跡部くんが少し真剣な顔をして言った。
「ね、日吉さん。次のテスト、成績よかったらご褒美くれる?」
なんともベタなお願い。彼からそんな頼み事をされるとは思っても居なかったので少し驚いた。でも、これも恋人ならではなのかもしれない。
自分の方から甘やかしてやったり出来ないから、むしろ良い事なのかも。
成績よかったらと言っても彼の成績はいつも良いので、結果も良い物が出せるに違いない。どんなお願いをされるのかはわからないけど、優しい子だから無茶なお願いはしてこないだろう。
簡単に「いいよ」っと約束した。
結果から言えば、跡部くんはいい成績をとった。
苦手分野を落とす事なく、もとから頭がいいのもあるが少しでも自分が彼を手助けできてたら良いな。
丸ばかりの数枚の答案用紙に「おめでとう、すごいじゃないの」っと言えば嬉しそうに顔を崩した跡部くん。
「ね、今日は約束聞いてくれるんでしょ?」
言うなり、椅子に座っていた彼がベットに腰掛けたのを見て少し緊張してしまった。前に一度押し倒された事もあるのでドキリとする。
自分の憶測が甘かったのか、高校だからって男な訳だ、そういった要望があるのも考えられたのに・・・。恋人ってどんな事するんだろうと思ってたはずなのに、自分が一番、先生と生徒の穏やかな関係に慣れて恋人のこの字も考えられなくなってたみたいだ。
「ここ来て」と彼の隣を指されて、ぎこちなく隣へ座った。
黙ってしまいそうになって「今日は勉強どうしようね」っと緊張がバレバレのセリフ。実際テストも終わって、授業も進んでないので少し予習をするぐらいなのに。
自分の想像に勝手に追いつめられて行く、無粋な思考に心拍数が派手に跳ね始める。
「いいだろ、今日ぐらい。テスト終わったんだし。」
「そうだね」
「で、いい成績だしご褒美さ、」
「・・・うん」
「手を、繋ぎたい」
「・・・・・・・・・は?」
まさかの提案に間抜けな顔を浮かべてるだろう。見つめてくる彼に変な想像が見透かされてしまいそうで違うドキドキが襲ってくる。
自分はなんて浅ましいんだろう。純粋に仲を育みたいと思う彼には顔向け出来ない。
恥ずかし過ぎて顔が熱い、とりあえず、約束を守るため手を差し出し、顔は目一杯横を向いた。
握られた手は温かかったが「首まで赤いぞ」っと指摘してくるのは意地悪だ。
「ね、もっとすごいお願いされると思った?緊張した?」
「・・・・・」
何も言葉が出てこない、正解だけど、認めるのも恥ずかしい。まだ顔を向ける事もできないので結局はその通りだと言ってるのと変わりがない。
「日吉さん、手、キレイだね」
キュッと力が強まり、引き寄せられて顔をさます事に気がいっていた俺は引っ張られるままに跡部くんに凭れる体勢に。
「ちょっ・・・・。」
驚いて口を開いたが、悪戯が成功して嬉しそうな笑顔を見たら何も言えなくなった。
「日吉さんさ、せっかく両想いになったのに。全然意識してくれないんだもん。でも、今の顔、可愛い」
可愛いなんて褒め言葉じゃないけど「バカだな」っと言うので精一杯。いまだ握られた指が優しく手の甲を撫でてくる。
自分も彼の手を握り返して、「今度デートしよう」と提案した。
デートなんてよくわかんないけど、もともとテスト後の今日は勉強なんてしないから、その分のアルバイト代で買った水族館のチケットをポケットから出して渡した。
今度は跡部くんが不意をつかれて驚いた顔をして、さっきとは違う笑顔を浮かべた。
そして、水族館で手を繋ごうと言われたが、実行されたかは内緒。
end.
本当なら跡部さんとキスぐらいまで進ませてやりたかったけど、ドキドキして幸せな二人も可愛いじゃないっと!
押して駄目なら引いてみろ、な、跡部さんにまんまと引っかかった日吉くんでした(笑)
「勉強の時間です」と「先生、質問です」の続編になります。
非常に緩やかな歩みで進んでってます、焦れったい!(笑)
年齢逆転パロなので、苦手な方はスルーしてください。
- 回答出来ません -
家庭教師と、その教え子の関係を不本意ながら超えてしまってから一ヶ月が経つ。
別に好きとかって感情が無かったはずなのに跡部くんの押せ押せなアタック、それこそ、押し倒されたりして。挙げ句、追いやられての俺からの告白。
思い出しただけで恥ずかしさと悔しさが湧いてくる。
いや、実際、ぐちゃぐちゃと誤摩化すように言葉を濁しまくったはずだったのに跡部くんは満足げに笑って、「それじゃ、両想いですね」っと俺の言葉を一言にまとめてしまった。
流されるように、現状、お付き合いを始めた訳だが、会うのは家庭教師をするときだけ。
もともと、跡部くんは部活に一年生のくせに生徒会に入っていたりと多忙な生活を送っているから仕方が無い。
それに自分は恋愛ごとは初めてだし、淡白な性格で「もっと会いたい」や「束縛したい」って気もないので週に一度、二時間半会うのだけで充分だと思ってる。
会うと言っても勉強して少し世間話をする程度だが。普通の恋愛はもっと会ったり、長い時間を過ごしたいと思うのだろうか?
まぁ、そう思った時に行動すれば良い事だ。自分の生活もある、跡部君以外の家に家庭教師に出向いたりサークル活動だったり、もちろん、自分の勉強もしなくちゃいけないし。
でも、跡部くんはどう思ってるんだろう?
お互いの気持ちがわかるまでの跡部くんの押せ押せ攻撃に流されるように今の二人があるけど、そんなの無かったように前と変わらない。
ただの先生と生徒の時みたいな距離感に戻った。
跡部くんの真剣な横顔を見てぼんやりと考え事をしていると、目が合った。
会うと言っても家庭教師のアルバイト中、職務をまっとうしないとっと慌てて真面目な顔をして向き直る。
「日吉さん、疲れてるんですか?」
チラリと手元のノートを覗き込めば、きっちりと線の中に整列した文字。頭のいい彼には助言なんかしなくても、言われた場所まで答えを出して行ってしまうので殆ど教える事がない。
ありがたいような、ありがたくないような・・・。
「ごめん、少しぼんやりしてたみたい」
謝って、少しずり下がったメガネを押し上げた。照れ隠しみたいな行動だなっと考えたら余計に恥ずかしくなった。自分の中で跡部くんを意識してるのを感じて頬が赤くなったかもしれない。
「そう?顔赤いですよ?」
顔を覗き込まれて、自分ばかり意識してるみたいで顔を隠せなかった。
跡部くんと居ると普段落ち着いてる自分も何処かへいって、色んな自分が出てくる。意地っ張りなのも、その一つ。
「風邪ですか?」っと言われて「そうかな」っと適当な返事をして頬を擦った。
「それより、出来たみたいだね?」
話を切り替えて跡部くんの方を見ると「はい」と言われた。
予定通りの二時間半が終わって、話をする。付き合う前よりは断然長いが恋人らしい事は一つもない会話。
自分が気づいてないだけなのかと思ったけど、友人に聞いたら「本当に付き合ってんの?」っと疑問の目をされたぐらいだ。
今日も今度の跡部くんのテストの話になった。
「次のテスト用に、プリント作ってくるよ。範囲わかったらメールして?あと、部活も休みになって勉強わからなかったら、時間あうなら教えに行くから」
鞄の中に教材をしまいながら話かけたら、跡部くんが少し真剣な顔をして言った。
「ね、日吉さん。次のテスト、成績よかったらご褒美くれる?」
なんともベタなお願い。彼からそんな頼み事をされるとは思っても居なかったので少し驚いた。でも、これも恋人ならではなのかもしれない。
自分の方から甘やかしてやったり出来ないから、むしろ良い事なのかも。
成績よかったらと言っても彼の成績はいつも良いので、結果も良い物が出せるに違いない。どんなお願いをされるのかはわからないけど、優しい子だから無茶なお願いはしてこないだろう。
簡単に「いいよ」っと約束した。
結果から言えば、跡部くんはいい成績をとった。
苦手分野を落とす事なく、もとから頭がいいのもあるが少しでも自分が彼を手助けできてたら良いな。
丸ばかりの数枚の答案用紙に「おめでとう、すごいじゃないの」っと言えば嬉しそうに顔を崩した跡部くん。
「ね、今日は約束聞いてくれるんでしょ?」
言うなり、椅子に座っていた彼がベットに腰掛けたのを見て少し緊張してしまった。前に一度押し倒された事もあるのでドキリとする。
自分の憶測が甘かったのか、高校だからって男な訳だ、そういった要望があるのも考えられたのに・・・。恋人ってどんな事するんだろうと思ってたはずなのに、自分が一番、先生と生徒の穏やかな関係に慣れて恋人のこの字も考えられなくなってたみたいだ。
「ここ来て」と彼の隣を指されて、ぎこちなく隣へ座った。
黙ってしまいそうになって「今日は勉強どうしようね」っと緊張がバレバレのセリフ。実際テストも終わって、授業も進んでないので少し予習をするぐらいなのに。
自分の想像に勝手に追いつめられて行く、無粋な思考に心拍数が派手に跳ね始める。
「いいだろ、今日ぐらい。テスト終わったんだし。」
「そうだね」
「で、いい成績だしご褒美さ、」
「・・・うん」
「手を、繋ぎたい」
「・・・・・・・・・は?」
まさかの提案に間抜けな顔を浮かべてるだろう。見つめてくる彼に変な想像が見透かされてしまいそうで違うドキドキが襲ってくる。
自分はなんて浅ましいんだろう。純粋に仲を育みたいと思う彼には顔向け出来ない。
恥ずかし過ぎて顔が熱い、とりあえず、約束を守るため手を差し出し、顔は目一杯横を向いた。
握られた手は温かかったが「首まで赤いぞ」っと指摘してくるのは意地悪だ。
「ね、もっとすごいお願いされると思った?緊張した?」
「・・・・・」
何も言葉が出てこない、正解だけど、認めるのも恥ずかしい。まだ顔を向ける事もできないので結局はその通りだと言ってるのと変わりがない。
「日吉さん、手、キレイだね」
キュッと力が強まり、引き寄せられて顔をさます事に気がいっていた俺は引っ張られるままに跡部くんに凭れる体勢に。
「ちょっ・・・・。」
驚いて口を開いたが、悪戯が成功して嬉しそうな笑顔を見たら何も言えなくなった。
「日吉さんさ、せっかく両想いになったのに。全然意識してくれないんだもん。でも、今の顔、可愛い」
可愛いなんて褒め言葉じゃないけど「バカだな」っと言うので精一杯。いまだ握られた指が優しく手の甲を撫でてくる。
自分も彼の手を握り返して、「今度デートしよう」と提案した。
デートなんてよくわかんないけど、もともとテスト後の今日は勉強なんてしないから、その分のアルバイト代で買った水族館のチケットをポケットから出して渡した。
今度は跡部くんが不意をつかれて驚いた顔をして、さっきとは違う笑顔を浮かべた。
そして、水族館で手を繋ごうと言われたが、実行されたかは内緒。
end.
本当なら跡部さんとキスぐらいまで進ませてやりたかったけど、ドキドキして幸せな二人も可愛いじゃないっと!
押して駄目なら引いてみろ、な、跡部さんにまんまと引っかかった日吉くんでした(笑)
PR
この記事にコメントする
カウンター
カテゴリー
プロフィール
HN
ナオ太。
連絡先
kuroyagi_yuubin☆yahoo.co.jp
(☆→@に変更)
(☆→@に変更)