古キョン/はなび
冬の花火はキレイと言うけど、実際やった事無いな。
そんな二人の話(?)。
意味ないです。
- はなび -
「なぁ、花火、しようか」
彼はそう言って、財布の中身を確かめた。
冬の空の下、お互いにマフラーに顔を埋めて歩いてた。
僕の家でダラダラ過ごして夕飯も適当に食べた。
と、言うよりインスタントラーメン食べようとしたら彼に怒られた。
「育ち盛りだぞ」って。
「その割には僕の方が成長してるみたいですね」と笑って言えば軽い蹴りが飛んできた。
ごちゃごちゃ言ってる間に簡単に材料を取り出して彼が作ってくれた。
少し甘めの親子丼はおいしかった。
その後トランプをして過ごして、時計の長い針がご飯の時から一周半した所で彼が「コンビニ行こうぜ」
どうやら、小腹が好いてきたらしい。
そもそも、彼は深夜テレビをリアルタイムで見るために僕の家に泊まりにきていた。
口実なんて、なんでもいい。
僕らは二人で過ごせる時間が嬉しいから無理なこじつけにも笑顔でこたえたまで。
上着とマフラー、それと手袋をして外に出た。
重い扉を閉めて、鍵をかける。
一番近いコンビニまで10分もかからない。
道のりをゆっくりと歩いた。
「おかし、何買いましょうね?」
「んー、辛い奴食べたいな。親子丼の味付け少し甘かったし」
「そうですか?僕はとても美味しかったですよ」
「お前の言葉は、お世辞なのか本心なのか判別がつかん」
「失礼な、本心ですよ。美味しかったです」
「そうかい、舌がお子ちゃまなんだな」
ご機嫌な顔を浮かべた彼に実際の事なので文句は言わなかった。
僕は割と子供味が好きだから。
「あなたの手作りだから、余計に美味しかったです」
「そりゃどうも、お前も自炊する癖付けろよ。カップ麺ばっかじゃよくねーよ」
知ってるか?塩分とかがだなぁと饒舌に話しだす。
彼がそこまで健康に・・・・「お菓子は良いんですか?」
「お菓子は良いんだ」
きっぱりと言い切り、吐き出した白い息とともに上を向いて「なぁ、花火、しようか」
「え?」
「だから、花火。冬の花火は空気が澄んでるからキレイって言うだろ」
今の話でいきなり飛び出した花火の存在は季節感で考えても充分変だ。
笑って「店に置いてたら」
時計は既に10時を回っている。
コンビニは眠るのを忘れたように光を発している。
暗がりに慣れた目が眩しさに瞬きを繰り返し、カゴを持った彼のうしろに続いた。
当たり前だが、店内をぐるりと回っても花火は置いていなかった。
急に詰まらなそうな顔をして小さく息を吐いた彼は、無言で冷蔵庫から飲み物を取り出した。
「お前は、何飲む?」
「え、じゃぁ、これにします」
新商品の炭酸飲料を取り出し、棚を沿うようにデザートコーナーでチーズケーキを手にした彼。
透明ケースの中には二つ並んで三角が四角く収まっていた。
「辛いのが食べたかったんじゃないですか?」
「うるせぇ、花火のかわりだ」
「そうですね」
同意ともつかない曖昧な相づちを打って一緒に何個かのお菓子を選んだ。
レジをすませ、外に出て「花火、残念でしたね。夏になったら忘れずに冬の分取っておきましょう」と笑った。
「うん」と、珍しく彼から手を繋がれたのでギュッと握り返した。
end.
来年の約束。
そんな二人の話(?)。
意味ないです。
- はなび -
「なぁ、花火、しようか」
彼はそう言って、財布の中身を確かめた。
冬の空の下、お互いにマフラーに顔を埋めて歩いてた。
僕の家でダラダラ過ごして夕飯も適当に食べた。
と、言うよりインスタントラーメン食べようとしたら彼に怒られた。
「育ち盛りだぞ」って。
「その割には僕の方が成長してるみたいですね」と笑って言えば軽い蹴りが飛んできた。
ごちゃごちゃ言ってる間に簡単に材料を取り出して彼が作ってくれた。
少し甘めの親子丼はおいしかった。
その後トランプをして過ごして、時計の長い針がご飯の時から一周半した所で彼が「コンビニ行こうぜ」
どうやら、小腹が好いてきたらしい。
そもそも、彼は深夜テレビをリアルタイムで見るために僕の家に泊まりにきていた。
口実なんて、なんでもいい。
僕らは二人で過ごせる時間が嬉しいから無理なこじつけにも笑顔でこたえたまで。
上着とマフラー、それと手袋をして外に出た。
重い扉を閉めて、鍵をかける。
一番近いコンビニまで10分もかからない。
道のりをゆっくりと歩いた。
「おかし、何買いましょうね?」
「んー、辛い奴食べたいな。親子丼の味付け少し甘かったし」
「そうですか?僕はとても美味しかったですよ」
「お前の言葉は、お世辞なのか本心なのか判別がつかん」
「失礼な、本心ですよ。美味しかったです」
「そうかい、舌がお子ちゃまなんだな」
ご機嫌な顔を浮かべた彼に実際の事なので文句は言わなかった。
僕は割と子供味が好きだから。
「あなたの手作りだから、余計に美味しかったです」
「そりゃどうも、お前も自炊する癖付けろよ。カップ麺ばっかじゃよくねーよ」
知ってるか?塩分とかがだなぁと饒舌に話しだす。
彼がそこまで健康に・・・・「お菓子は良いんですか?」
「お菓子は良いんだ」
きっぱりと言い切り、吐き出した白い息とともに上を向いて「なぁ、花火、しようか」
「え?」
「だから、花火。冬の花火は空気が澄んでるからキレイって言うだろ」
今の話でいきなり飛び出した花火の存在は季節感で考えても充分変だ。
笑って「店に置いてたら」
時計は既に10時を回っている。
コンビニは眠るのを忘れたように光を発している。
暗がりに慣れた目が眩しさに瞬きを繰り返し、カゴを持った彼のうしろに続いた。
当たり前だが、店内をぐるりと回っても花火は置いていなかった。
急に詰まらなそうな顔をして小さく息を吐いた彼は、無言で冷蔵庫から飲み物を取り出した。
「お前は、何飲む?」
「え、じゃぁ、これにします」
新商品の炭酸飲料を取り出し、棚を沿うようにデザートコーナーでチーズケーキを手にした彼。
透明ケースの中には二つ並んで三角が四角く収まっていた。
「辛いのが食べたかったんじゃないですか?」
「うるせぇ、花火のかわりだ」
「そうですね」
同意ともつかない曖昧な相づちを打って一緒に何個かのお菓子を選んだ。
レジをすませ、外に出て「花火、残念でしたね。夏になったら忘れずに冬の分取っておきましょう」と笑った。
「うん」と、珍しく彼から手を繋がれたのでギュッと握り返した。
end.
来年の約束。
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