跡日/苦いけど甘い。
たぶん、日吉くん視点。
エロではないけど、若干下品なネタです。
日吉くんが乙女すぎて、キモイかも。苦手な人はスルーしてください。
エロではないけど、若干下品なネタです。
日吉くんが乙女すぎて、キモイかも。苦手な人はスルーしてください。
金曜日の夜、日吉若は悩んでいた
普段のつり上がった目を両手で隠しながら、むぅっと弱々しく唸った
自室のシンッとした真ん中で水着の女性が大きく載った雑誌を目の前に座っていた
顔だけでなく耳や首まで赤くし、そっとページを閉じた
大きくため息をつき、時計を見るとベットに潜り込んだ
- 苦いけど甘い -
先月の2月の中頃、恋人たちのイベントがあった
最近では、友チョコなるものが流行っていて恋人限定のイベントでは無くなっていると色恋事に無知な日吉も知っていた
毎年幼なじみの鳳から手作りのケーキやクッキーをもらえるぐらいの日と意識していた
あいつも自分の誕生日にプレゼントとは…
日吉の家はクリスマスもないくらいだ、バレンタインなんてお菓子業者による催し物…祝ったことも待ち遠しく思ったこともない
なので、2年の始めから付き合っている恋人にも何をあげるでなく当日を迎えていた
いつも通り朝練が終わり着替え終えると先に準備ができていた鳳が「はい、これは日吉の」っと小さな包みを渡してくれた
「ありがとう」と伝えると柔らかい笑顔で「どーいたしましてっ」
普段は寝ているくせに、お菓子とかに敏感な芥川さんが背中にへばりついてきた
「なになにぃーソレ、おいしいの?」
「はい、手作りですよ、先輩も食べますか?沢山作ったんでどうぞ」
「手作りとかすげぇな鳳! マジありがとっ」
————なんて、普段通りの一日をスタートさせていたはずなのに、
どこで間違えたのか昼休みに誰もいない屋上で跡部さんからキレイに包まれた箱を受け取っていた
「………………」
「あ?なんだ?気にいらねぇのか?俺様がお前のために用意したんだぞ?」
「…はぁ」
驚きすぎて言葉が出ない。日吉がこう言った行事に頓着しないのは恋人である跡部も理解していると思っていた
まして、チョコレートを寄越せとは言われるかもしれないと思っていたが、自分がもらう立場だとは小指の爪ほども考えていなかった
呆けた顔をして跡部の方を見れば日吉の出方を待っているようだったので、「ありがとうございます」と形式通りの返事をした
それに満足したのかはわからないが、跡部は
「それなら、俺からの友チョコって言ってもいいし。お前がバレンタインを祝うはずがないと思ったからな、先手を打ったまで。俺からのプレゼントだ、喜んで食べろよ」
「………はい」
再度、気の抜けた返事をした日吉に対し、跡部は不適な笑みを見せた
先手を打ったという事はお返しを期待していることだろうっと翌日になって考えついた
14日はただ驚くばかりで午後の部活も普通に過ごし、家で箱を開けてびっくりした
そこには、黒い箱に銀色で日吉にもわかる有名なチョコのロゴマークがでてきたからだ
ロゴと同じ銀色のシールをはずし中を見るとキラキラと艶を纏ったチョコ、スポットライトなんて当たっていないのに光を集めたように輝いている
おいしそうだなっと思うよりも前に身体が堅くなる、明らかに高級、中学生である自分には手が届かない値段なのだろう事は容易に想像できた
結局、その日はチョコに手を付けることなく蓋を閉めた
さらに追い打ちを掛けたのが跡部が誰からもチョコレートを受け取っていないと言う噂が学内で持ちきりだった事
悩み始め、すでに3月目前。3年生の跡部は卒業を控え、学校で会えるのは数日
携帯電話なんて持っていない日吉にはリミットが迫っていた
それまでにお返しを考えておかなくては……
「……日吉、最近どうしたの?元気ないみたいだけど」
不安そうに大きな体をかがませのぞき込んできた鳳をいつもみたいに邪険にあしらう気にもならない日吉は小さく溜息をはいた
渡り廊下から吹き抜ける風が身体を撫でていった、髪を乱し。気持ちも乱れたまま
「…溜息なんてついたら幸せが逃げるよ、なんかわかんないけど元気出して! 俺でよければ相談乗るよっ」
チロリと眉毛をハの字にして心配してくれるのはありがたいが、なんと言って良いものか…っと倦ねいていると後から聞き慣れた声がする
「それは恋の病やな」
「えっ、そうなの!?」
「…………」
「さしずめ、ホワイトデーのことで悩んでるんやろ?」
「………」
無言の日吉とニヤニヤとしたイヤラシい笑顔の押足を交互に見る鳳の頬は心なしか上気している
「もし……、もしそうだとしたら、どうすれば…その、喜んで……」
柄にもなく素直に相談した日吉は赤くなった顔を隠すように下を向いた
ここ何日も悩み続けて頭がおかしくなっていたとしか思えない
冷静になってみれば、押足に相談したことは悪魔に心を売ったにも等しいように感じる
あの時の押足は自分の勘が当たったからなのか嬉しそうだった
高級なチョコに見合うお返しを聞く、ついでに手持ちがないことを伝えれば、意味ありげにニヤリと笑い、低く響く声で耳元で囁かれた言葉がより日吉を苦しめるなんて、
「買えないなら日吉をあげればいい」
押足の発言によって出た答えに、日吉は再度頭を抱えた
その日も部活へ行き、気まぐれにやってきた宍戸に一冊の本を貸してくれとお願いをした
期日が迫り、藁にもすがりたい気分だった。だが、人選に抜かりはない…はず、
「あの、お願いがあるんです…」
「おぅ、なんだ?」
部室で運動しやすいTシャツを着る途中の宍戸は日吉の方を見た、珍しい日吉からのお願いに耳を傾ける
「あの……非常に言い辛いんですが…えっと…本を貸していただけませんか?」
話してるうちに後半は思っていたよりも小声になった
日吉を少し黙って観察したあと、パッと顔をかえて「……お前も男だなっ」笑った
「はぁ、すいません」
と、手渡された水着姿の女性が表紙の本を見てぎこちない笑顔を向けるのが精一杯だった
「今日はソレしかもってねぇけど、違うのが見たかったら言え、兄貴の所からパクってくるから、なっ!」
今年は14日は日曜日
都合良く両親と兄は13日不在と聞き、すでに13日からの跡部との予定は取り付けてある
普段を装って声をかけるはずだったのに、出だしから引き釣った声が出て恥ずかしかった
「あのっ、………13日から14日まで予定あいてますか?」
跡部は口端だけをキレイにあげて笑っていたのを思い出していた
「おい、日吉。聞いてるのか?」
跡部の呼びかけに、ぼんやりとしていた意識が戻ってくる、3月に入ったが少し寒い道を二人で歩いてるとこだった…
「あ、考え事してました…」
「そうか」
話を聞いていなかったのに今日の跡部は上機嫌だ、先ほど夕飯を近くの洋食屋で食べている時もだ
「おいしかったですか?」
「そうだな」
家に着くと跡部に一番風呂を勧め、その間に寝る準備をした
部屋にはベットがあるので一組分の布団を敷いているとちょうど湯から上がって戻ってきた
「良い湯だった」
「はい、それじゃすぐ戻るので適当に待っていてください」
返事を聞く前に逃げるように風呂場へ向かった
服を脱ぎ、温かい湯気に包まれた浴室で身体を洗う。これからどう言って切り出せばいいのか考えると気が焦る
あまり待たせるわけにもいかないのでサッと湯に浸かってから出た
やけくそ気味になんとかなる、と自分に言い聞かせ。髪の毛の水気がまだ残る状態で部屋に早足に戻った
あけた部屋に見えた状況に一瞬にして身体が冷えた
「あっ………何見てっ……!!」
日吉を見た跡部の手には先日宍戸から借りた雑誌があった、ペラペラと興味なさげにめくり、「お前もこういうの読むんだな…で、どの子が好みなんだ?」
……誤解だ、日吉は女の子が見たくて借りたんじゃない。練習をするために恥ずかしい思いをして借りてきた
何も言えず固まっていると、さっきまでの上機嫌を何処へ仕舞ったのか鋭い視線を向けられ目をそらした
黙って扉から踏み込めずにいると、ゆっくりとした動作で跡部に手を引かれた
されるがままにベットへ二人腰掛けた、下を向いて自分の合わさった手をぎゅっと握った
腰に手が回され、距離が縮んだ。何か伝えなければいけない気がして顔を上げたが先に切り出したのは跡部だった
「お前が何時もしてること、…見せろよ」っと股間をゆるく撫でられた
鈍い自分にも意味が分かった、恥ずかしいよりも情けなさに涙が出てきた
「ぅ、…ふっ……、」
息を殺して泣き始めた日吉に驚いたのか名前を呼ばれ顔をのぞき込まれた。長い前髪に手をかけられる
「日吉?」
何も返事できずにいると温かい腕に抱き込まれた、余計に情けなくて胸が痛んだ
「ごめん、意地悪した。雑誌に嫉妬しても仕方がないのに、お前だって男なのはわかるけど、アレの時に考えるのが俺じゃないのが悔しくて」
「……ち、ちがぅ…んです…。俺、まだ………なんです」
「まだ?」
「っ、精通…………」
出来ることなら知られたくなかった、中学2年にもなってまだなのは遅れてるみたいで…
身体を曲げより縮こまった日吉を隙間をなくすように強く抱きしめてくる
「あ、跡部さんが…くれたチョコにちゃんと、こ……答えたくてっ、お、したりさんが、…身体で返せばっ、……練習しようと思ったけど…何も出来なかった。う、っ…ごめんなさい」
何度も謝罪を口にして、嗚咽を飲み込んだ
「……ごめん、俺がプレッシャー掛け過ぎたみたいだな。でも、俺のために悩んでくれたのが嬉しいよ。ありがとう、……なぁ、俺の今一番ほしいもの、くれよ?」
何のことかわからなくくぐもった声で聞いた
「な、に……?」
抱きしめていた手の力がゆるみ、顔を上げると跡部が優しく笑って唇を指した
身体を起こし、いつもは声に出さない気持ちを柔らかい口づけと共に落とした
end.
気が向いたら続き書きます
精通はロマン。
普段のつり上がった目を両手で隠しながら、むぅっと弱々しく唸った
自室のシンッとした真ん中で水着の女性が大きく載った雑誌を目の前に座っていた
顔だけでなく耳や首まで赤くし、そっとページを閉じた
大きくため息をつき、時計を見るとベットに潜り込んだ
- 苦いけど甘い -
先月の2月の中頃、恋人たちのイベントがあった
最近では、友チョコなるものが流行っていて恋人限定のイベントでは無くなっていると色恋事に無知な日吉も知っていた
毎年幼なじみの鳳から手作りのケーキやクッキーをもらえるぐらいの日と意識していた
あいつも自分の誕生日にプレゼントとは…
日吉の家はクリスマスもないくらいだ、バレンタインなんてお菓子業者による催し物…祝ったことも待ち遠しく思ったこともない
なので、2年の始めから付き合っている恋人にも何をあげるでなく当日を迎えていた
いつも通り朝練が終わり着替え終えると先に準備ができていた鳳が「はい、これは日吉の」っと小さな包みを渡してくれた
「ありがとう」と伝えると柔らかい笑顔で「どーいたしましてっ」
普段は寝ているくせに、お菓子とかに敏感な芥川さんが背中にへばりついてきた
「なになにぃーソレ、おいしいの?」
「はい、手作りですよ、先輩も食べますか?沢山作ったんでどうぞ」
「手作りとかすげぇな鳳! マジありがとっ」
————なんて、普段通りの一日をスタートさせていたはずなのに、
どこで間違えたのか昼休みに誰もいない屋上で跡部さんからキレイに包まれた箱を受け取っていた
「………………」
「あ?なんだ?気にいらねぇのか?俺様がお前のために用意したんだぞ?」
「…はぁ」
驚きすぎて言葉が出ない。日吉がこう言った行事に頓着しないのは恋人である跡部も理解していると思っていた
まして、チョコレートを寄越せとは言われるかもしれないと思っていたが、自分がもらう立場だとは小指の爪ほども考えていなかった
呆けた顔をして跡部の方を見れば日吉の出方を待っているようだったので、「ありがとうございます」と形式通りの返事をした
それに満足したのかはわからないが、跡部は
「それなら、俺からの友チョコって言ってもいいし。お前がバレンタインを祝うはずがないと思ったからな、先手を打ったまで。俺からのプレゼントだ、喜んで食べろよ」
「………はい」
再度、気の抜けた返事をした日吉に対し、跡部は不適な笑みを見せた
先手を打ったという事はお返しを期待していることだろうっと翌日になって考えついた
14日はただ驚くばかりで午後の部活も普通に過ごし、家で箱を開けてびっくりした
そこには、黒い箱に銀色で日吉にもわかる有名なチョコのロゴマークがでてきたからだ
ロゴと同じ銀色のシールをはずし中を見るとキラキラと艶を纏ったチョコ、スポットライトなんて当たっていないのに光を集めたように輝いている
おいしそうだなっと思うよりも前に身体が堅くなる、明らかに高級、中学生である自分には手が届かない値段なのだろう事は容易に想像できた
結局、その日はチョコに手を付けることなく蓋を閉めた
さらに追い打ちを掛けたのが跡部が誰からもチョコレートを受け取っていないと言う噂が学内で持ちきりだった事
悩み始め、すでに3月目前。3年生の跡部は卒業を控え、学校で会えるのは数日
携帯電話なんて持っていない日吉にはリミットが迫っていた
それまでにお返しを考えておかなくては……
「……日吉、最近どうしたの?元気ないみたいだけど」
不安そうに大きな体をかがませのぞき込んできた鳳をいつもみたいに邪険にあしらう気にもならない日吉は小さく溜息をはいた
渡り廊下から吹き抜ける風が身体を撫でていった、髪を乱し。気持ちも乱れたまま
「…溜息なんてついたら幸せが逃げるよ、なんかわかんないけど元気出して! 俺でよければ相談乗るよっ」
チロリと眉毛をハの字にして心配してくれるのはありがたいが、なんと言って良いものか…っと倦ねいていると後から聞き慣れた声がする
「それは恋の病やな」
「えっ、そうなの!?」
「…………」
「さしずめ、ホワイトデーのことで悩んでるんやろ?」
「………」
無言の日吉とニヤニヤとしたイヤラシい笑顔の押足を交互に見る鳳の頬は心なしか上気している
「もし……、もしそうだとしたら、どうすれば…その、喜んで……」
柄にもなく素直に相談した日吉は赤くなった顔を隠すように下を向いた
ここ何日も悩み続けて頭がおかしくなっていたとしか思えない
冷静になってみれば、押足に相談したことは悪魔に心を売ったにも等しいように感じる
あの時の押足は自分の勘が当たったからなのか嬉しそうだった
高級なチョコに見合うお返しを聞く、ついでに手持ちがないことを伝えれば、意味ありげにニヤリと笑い、低く響く声で耳元で囁かれた言葉がより日吉を苦しめるなんて、
「買えないなら日吉をあげればいい」
押足の発言によって出た答えに、日吉は再度頭を抱えた
その日も部活へ行き、気まぐれにやってきた宍戸に一冊の本を貸してくれとお願いをした
期日が迫り、藁にもすがりたい気分だった。だが、人選に抜かりはない…はず、
「あの、お願いがあるんです…」
「おぅ、なんだ?」
部室で運動しやすいTシャツを着る途中の宍戸は日吉の方を見た、珍しい日吉からのお願いに耳を傾ける
「あの……非常に言い辛いんですが…えっと…本を貸していただけませんか?」
話してるうちに後半は思っていたよりも小声になった
日吉を少し黙って観察したあと、パッと顔をかえて「……お前も男だなっ」笑った
「はぁ、すいません」
と、手渡された水着姿の女性が表紙の本を見てぎこちない笑顔を向けるのが精一杯だった
「今日はソレしかもってねぇけど、違うのが見たかったら言え、兄貴の所からパクってくるから、なっ!」
今年は14日は日曜日
都合良く両親と兄は13日不在と聞き、すでに13日からの跡部との予定は取り付けてある
普段を装って声をかけるはずだったのに、出だしから引き釣った声が出て恥ずかしかった
「あのっ、………13日から14日まで予定あいてますか?」
跡部は口端だけをキレイにあげて笑っていたのを思い出していた
「おい、日吉。聞いてるのか?」
跡部の呼びかけに、ぼんやりとしていた意識が戻ってくる、3月に入ったが少し寒い道を二人で歩いてるとこだった…
「あ、考え事してました…」
「そうか」
話を聞いていなかったのに今日の跡部は上機嫌だ、先ほど夕飯を近くの洋食屋で食べている時もだ
「おいしかったですか?」
「そうだな」
家に着くと跡部に一番風呂を勧め、その間に寝る準備をした
部屋にはベットがあるので一組分の布団を敷いているとちょうど湯から上がって戻ってきた
「良い湯だった」
「はい、それじゃすぐ戻るので適当に待っていてください」
返事を聞く前に逃げるように風呂場へ向かった
服を脱ぎ、温かい湯気に包まれた浴室で身体を洗う。これからどう言って切り出せばいいのか考えると気が焦る
あまり待たせるわけにもいかないのでサッと湯に浸かってから出た
やけくそ気味になんとかなる、と自分に言い聞かせ。髪の毛の水気がまだ残る状態で部屋に早足に戻った
あけた部屋に見えた状況に一瞬にして身体が冷えた
「あっ………何見てっ……!!」
日吉を見た跡部の手には先日宍戸から借りた雑誌があった、ペラペラと興味なさげにめくり、「お前もこういうの読むんだな…で、どの子が好みなんだ?」
……誤解だ、日吉は女の子が見たくて借りたんじゃない。練習をするために恥ずかしい思いをして借りてきた
何も言えず固まっていると、さっきまでの上機嫌を何処へ仕舞ったのか鋭い視線を向けられ目をそらした
黙って扉から踏み込めずにいると、ゆっくりとした動作で跡部に手を引かれた
されるがままにベットへ二人腰掛けた、下を向いて自分の合わさった手をぎゅっと握った
腰に手が回され、距離が縮んだ。何か伝えなければいけない気がして顔を上げたが先に切り出したのは跡部だった
「お前が何時もしてること、…見せろよ」っと股間をゆるく撫でられた
鈍い自分にも意味が分かった、恥ずかしいよりも情けなさに涙が出てきた
「ぅ、…ふっ……、」
息を殺して泣き始めた日吉に驚いたのか名前を呼ばれ顔をのぞき込まれた。長い前髪に手をかけられる
「日吉?」
何も返事できずにいると温かい腕に抱き込まれた、余計に情けなくて胸が痛んだ
「ごめん、意地悪した。雑誌に嫉妬しても仕方がないのに、お前だって男なのはわかるけど、アレの時に考えるのが俺じゃないのが悔しくて」
「……ち、ちがぅ…んです…。俺、まだ………なんです」
「まだ?」
「っ、精通…………」
出来ることなら知られたくなかった、中学2年にもなってまだなのは遅れてるみたいで…
身体を曲げより縮こまった日吉を隙間をなくすように強く抱きしめてくる
「あ、跡部さんが…くれたチョコにちゃんと、こ……答えたくてっ、お、したりさんが、…身体で返せばっ、……練習しようと思ったけど…何も出来なかった。う、っ…ごめんなさい」
何度も謝罪を口にして、嗚咽を飲み込んだ
「……ごめん、俺がプレッシャー掛け過ぎたみたいだな。でも、俺のために悩んでくれたのが嬉しいよ。ありがとう、……なぁ、俺の今一番ほしいもの、くれよ?」
何のことかわからなくくぐもった声で聞いた
「な、に……?」
抱きしめていた手の力がゆるみ、顔を上げると跡部が優しく笑って唇を指した
身体を起こし、いつもは声に出さない気持ちを柔らかい口づけと共に落とした
end.
気が向いたら続き書きます
精通はロマン。
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