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古キョン/かたち

突然始まって突然終わる。
古泉くん→キョンくんな話。
キョンくんが古泉くんのことをどう思ってるかは分からない。


- かたち -


明日、今日が消滅します。
明日になれば昨日が消えたことも理解出来ない僕たちが、消えたことも忘れて生活をしているでしょう。

古泉は遠い目をして言った。
俺が目の前に居るのに全く映さない。
だからと言って俺のうしろに広がる部室からの空や校舎も見ていないんだろうな。
光の反射しない穴のような瞳を見て何故だか泣きそうになった。
今日一日が無くなることは、どれほど尊いものなのだろう。
俺には分からない。
だって、毎日変わらない日々を暮らしているから。
土日に何処かに出かけたりするぐらいで一週間のスケジュールは繰り返されるばかり。
今日も明日も変わらない。
「一日ぐらい良いじゃないか」と、零れそうになった言葉も古泉を見ると何も言えなくなった。
放課後の音がする。
生徒たちの声が遠くに聞こえる。
夕暮れが俺たち二人を照らす。あんなにも温かい色の光を浴びているのに古泉の目は深い闇しか映さないのか。
いつもはうるさいぐらい「凉宮さん」に従え、自由にしてやれと言うのに。
凉宮信者のときのお前の方が元気だ、うざいけど。
返す言葉も分からない、沈黙に絶えかねた俺が逃げようと机の学生鞄を掴んだのを知っていたかのタイミングで掴まれる。
びくりと緊張が走り、喉が引きつった。
顔を上げると何も見ていないはずの古泉の目がこっちを向いている。
「僕が、こわいですか?」
そうだ、とも。違う、とも言えない。
身体は強張ってるけど、気持ちはなんと言えば良いのか分からない。
言葉がわからない、自分の知らない言葉でしか表現し得ないんだろうと思う。
頭の悪い自分を呪った。
俺が黙っていると黒い目が閉じられてゆっくりとキスを落とした。

何時間かあとに今日は消えるんです。
だから、僕の過ちも消えます。明日には忘れていつも通りの関係です。
だから許してください。
今日だけです、明日にはあなたに対する気持ちも全部、全部忘れますから、
だから、・・・。

だから、だからと言い訳をする古泉の肩を抱き寄せ、暗転。



end.
言い訳でキョンくんを落とす。
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