跡日/やいちゃう
早めのバレンタイン話。
タイミングとかよくわからないです><
二人は付き合ってるけど周りには内緒です。
コンセプトはベタw
- やいちゃう -
彼は自然体で人を楽しませるのが得意。
それは俺だけでなく大多数を喜ばせてしまう。
彼の周りの笑顔を見て自分も嬉しいはずなのに、
悪い心が小さく疼いて、ちょっとだけ嫉妬する事に気づいた。
自分の欲深さに驚いて、悲しくもなった。
部活の無い放課後、学校の渡り廊下で彼とばったり会った。
手の中のハードカバーを撫でて、彼の手元の上質な本のタイトルを覗いた。
聞いたら図書館に行くと言うので自分も本を返しに向かう途中だったので一緒に歩いた。
「跡部さん、もうすぐバレンタインですね」
イベントごとなんて全く興味ないくせに、口について出た言葉に自分でビックリした。
彼も俺のそんな言動に驚いたようで普段よりも少しあどけない顔で俺の方を見た。
でも、すぐに嬉しそうに笑って「そうだな」っと含みを持たせたセリフを言った。
「ちょっと、なんですか。その顔は・・・」
「ふっ、気にするな。俺は本命からしか貰わないからな」
「はぁ?」っとトボケた振りをしたが彼には気持ちがバレていたみたいで悔しくて少しの間、黙り込んでしまった。
翌日の部室でジローさんが話かけてきた。
普段の彼なら眠たいと言いながらダラダラと制服に着替えているのに、
何か怒っているようで声が少し大きい。
「ちょっと〜、ひよ聞いてよ。跡部ったらさ、今年のバレンタイン何もやらないんだって−!」
自分は何を言っているんだと思った、バレンタインだからと言って何をすると言うのだろう?
疑問を浮かべていると助け舟を出したのは横で着替えていた長太郎だった。
「あ、日吉は去年来なかったから知らないんだっけ?跡部さん、バレンタインパーティーをいつもこのぐらいの時期に企画してるんだよ」
「そうそう、ちょー美味しいケーキとか並べてさ!楽しみにしてたのに!」
皆が喜ぶ事が大好きな跡部さんの事だ、そういった企画を毎年行っていてもおかしくない。
「へぇ」っと納得の声に被せるようにジローさんが不満の声を上げた。
「あいつ絶対、本命の子が出来たんだよ!特別が出来たからって、大事な友達をほっぽるなよなぁー」
特別っという言葉にジワリと頬が熱を持った。
鳳がジローさんを宥めつつ、器用に「風邪?」と聞いてきた。
赤くなった顔を隠すように口元を隠した。
嬉しかった。浅ましい独占欲を追いやる程の感情で溢れて胸が踊る。
帰り道にイベント装飾をされた店を覗いてみた。
でも、そこで自分の甘さを思い知る事になった。
ここ数年、バレンタインは恋人たちだけでなく友チョコなるものが流行っているとは言え、売り場には女性が詰め寄せている。
そんな所へ男の自分が気軽にいってチョコを買うなんて想像出来ない。
年の安定した紳士然とした人がいくのならまだしも、十代もそこそこの自分が開き直ってきらびやかな戦地へと踏み入れれるか・・・いや、出来ない。
売り場から少し離れた所から見ていても女性たちは嬉しそうにチョコを選んでいる。
自分なんかが居たら気分が冷めてしまうんじゃ?
それ以上は近づけず、肩を落として家路を辿った。
ついに来たバレンタイン前日。
周りには彼との事を内緒にしているので跡部さんの家に遊びに行く事になった。
彼は潔く周りに付き合っている事を公表したいらしいが、人気者の彼を奪ってしまえば殆どの女子生徒の目の敵にされかねないと言わないで欲しいと頼み込んだからだ。
本当はそれ以上に照れくさいとか恥ずかしいと言う気持ちが有るのだが。
家のお手伝いさんに案内されて跡部さんの部屋を前に俺は唾を飲んだ。
何度来てもここの豪華さには怖じ気づいてしまう、小さくノックをすると返事が聞こえたので扉を開けた。
「跡部さん?」
「あぁ、待ってたんだぞ、いらっしゃい」
「お邪魔します」と頭を下げると彼の座っていたソファの横に来るように指示される。
目の前のテーブルにはポットとカップが置いてあって紅茶のいいにおいがする。
「いい、匂いですね」
素直な感想を零すと「あぁ」と言って横に置いてあった紙袋を俺に差し出した。
何ですか?なんて鈍感な自分でもわかる、チョコだ。
半ツヤのしっとりとした質感を感じさせる濃い茶色の紙袋でシンプルなのに角にロゴが上品に主張してくる。
そして、高そうだなっと怖じ気づく前に自分も手にしていた箱を差し出した。
袋と箱を交換してお互いに受け取った。
渡した事で緊張が溶けて深く息を吐いたら彼は嬉しそうな笑顔を向けていた。
見なくても頬が色づいてる事はわかった。
「早く、見てください」
照れを隠すためぶっきらぼうな声が出た、それさえも見透かしたように目が細められる。
「そうだな、お前の手作りだ」
「・・・・・・・ど、うして開ける前からわかるんですか?」
「だって、お前、左手の所少し赤いぞ。火傷でもしたのか?そんなに酷くはなさそうだが、作ったんだろ?」
正真正銘、箱の中身は自分が作ったチョコケーキだ。
手だって昨日焼いてる時にうっかり熱い型に触れてしまった時に出来たやつだ。
店で買う勇気が無くて母に頼んで作り方を聞きながら作った。
「・・・・不味くても食べてくださいよ」
恥ずかしくて手の中の袋を見た。
「あぁ、わかってる。一緒に食べよう」
喜んでくれている彼を見て嬉しくて自分も笑った。
翌日の部活で部活の仲間に練習で作ったカップケーキを配った。
どうせ余っていたし、鳳は誕生日だしジローさんや向日さんは喜んで食べてくれた。
俺がイベントもののお菓子をよこすなんて意外だっと最初は驚いた奴ばかりだったが、部活後の空腹にはちょうど良かったみたいだ。
バレンタインも、たまには良いかもしれないと見直した日吉の満足げな態度の裏に小さく嫉妬する跡部だった。
end.
日吉くん私にも手作りくださ・・・・。跡部さんに殺されるかも><
タイミングとかよくわからないです><
二人は付き合ってるけど周りには内緒です。
コンセプトはベタw
- やいちゃう -
彼は自然体で人を楽しませるのが得意。
それは俺だけでなく大多数を喜ばせてしまう。
彼の周りの笑顔を見て自分も嬉しいはずなのに、
悪い心が小さく疼いて、ちょっとだけ嫉妬する事に気づいた。
自分の欲深さに驚いて、悲しくもなった。
部活の無い放課後、学校の渡り廊下で彼とばったり会った。
手の中のハードカバーを撫でて、彼の手元の上質な本のタイトルを覗いた。
聞いたら図書館に行くと言うので自分も本を返しに向かう途中だったので一緒に歩いた。
「跡部さん、もうすぐバレンタインですね」
イベントごとなんて全く興味ないくせに、口について出た言葉に自分でビックリした。
彼も俺のそんな言動に驚いたようで普段よりも少しあどけない顔で俺の方を見た。
でも、すぐに嬉しそうに笑って「そうだな」っと含みを持たせたセリフを言った。
「ちょっと、なんですか。その顔は・・・」
「ふっ、気にするな。俺は本命からしか貰わないからな」
「はぁ?」っとトボケた振りをしたが彼には気持ちがバレていたみたいで悔しくて少しの間、黙り込んでしまった。
翌日の部室でジローさんが話かけてきた。
普段の彼なら眠たいと言いながらダラダラと制服に着替えているのに、
何か怒っているようで声が少し大きい。
「ちょっと〜、ひよ聞いてよ。跡部ったらさ、今年のバレンタイン何もやらないんだって−!」
自分は何を言っているんだと思った、バレンタインだからと言って何をすると言うのだろう?
疑問を浮かべていると助け舟を出したのは横で着替えていた長太郎だった。
「あ、日吉は去年来なかったから知らないんだっけ?跡部さん、バレンタインパーティーをいつもこのぐらいの時期に企画してるんだよ」
「そうそう、ちょー美味しいケーキとか並べてさ!楽しみにしてたのに!」
皆が喜ぶ事が大好きな跡部さんの事だ、そういった企画を毎年行っていてもおかしくない。
「へぇ」っと納得の声に被せるようにジローさんが不満の声を上げた。
「あいつ絶対、本命の子が出来たんだよ!特別が出来たからって、大事な友達をほっぽるなよなぁー」
特別っという言葉にジワリと頬が熱を持った。
鳳がジローさんを宥めつつ、器用に「風邪?」と聞いてきた。
赤くなった顔を隠すように口元を隠した。
嬉しかった。浅ましい独占欲を追いやる程の感情で溢れて胸が踊る。
帰り道にイベント装飾をされた店を覗いてみた。
でも、そこで自分の甘さを思い知る事になった。
ここ数年、バレンタインは恋人たちだけでなく友チョコなるものが流行っているとは言え、売り場には女性が詰め寄せている。
そんな所へ男の自分が気軽にいってチョコを買うなんて想像出来ない。
年の安定した紳士然とした人がいくのならまだしも、十代もそこそこの自分が開き直ってきらびやかな戦地へと踏み入れれるか・・・いや、出来ない。
売り場から少し離れた所から見ていても女性たちは嬉しそうにチョコを選んでいる。
自分なんかが居たら気分が冷めてしまうんじゃ?
それ以上は近づけず、肩を落として家路を辿った。
ついに来たバレンタイン前日。
周りには彼との事を内緒にしているので跡部さんの家に遊びに行く事になった。
彼は潔く周りに付き合っている事を公表したいらしいが、人気者の彼を奪ってしまえば殆どの女子生徒の目の敵にされかねないと言わないで欲しいと頼み込んだからだ。
本当はそれ以上に照れくさいとか恥ずかしいと言う気持ちが有るのだが。
家のお手伝いさんに案内されて跡部さんの部屋を前に俺は唾を飲んだ。
何度来てもここの豪華さには怖じ気づいてしまう、小さくノックをすると返事が聞こえたので扉を開けた。
「跡部さん?」
「あぁ、待ってたんだぞ、いらっしゃい」
「お邪魔します」と頭を下げると彼の座っていたソファの横に来るように指示される。
目の前のテーブルにはポットとカップが置いてあって紅茶のいいにおいがする。
「いい、匂いですね」
素直な感想を零すと「あぁ」と言って横に置いてあった紙袋を俺に差し出した。
何ですか?なんて鈍感な自分でもわかる、チョコだ。
半ツヤのしっとりとした質感を感じさせる濃い茶色の紙袋でシンプルなのに角にロゴが上品に主張してくる。
そして、高そうだなっと怖じ気づく前に自分も手にしていた箱を差し出した。
袋と箱を交換してお互いに受け取った。
渡した事で緊張が溶けて深く息を吐いたら彼は嬉しそうな笑顔を向けていた。
見なくても頬が色づいてる事はわかった。
「早く、見てください」
照れを隠すためぶっきらぼうな声が出た、それさえも見透かしたように目が細められる。
「そうだな、お前の手作りだ」
「・・・・・・・ど、うして開ける前からわかるんですか?」
「だって、お前、左手の所少し赤いぞ。火傷でもしたのか?そんなに酷くはなさそうだが、作ったんだろ?」
正真正銘、箱の中身は自分が作ったチョコケーキだ。
手だって昨日焼いてる時にうっかり熱い型に触れてしまった時に出来たやつだ。
店で買う勇気が無くて母に頼んで作り方を聞きながら作った。
「・・・・不味くても食べてくださいよ」
恥ずかしくて手の中の袋を見た。
「あぁ、わかってる。一緒に食べよう」
喜んでくれている彼を見て嬉しくて自分も笑った。
翌日の部活で部活の仲間に練習で作ったカップケーキを配った。
どうせ余っていたし、鳳は誕生日だしジローさんや向日さんは喜んで食べてくれた。
俺がイベントもののお菓子をよこすなんて意外だっと最初は驚いた奴ばかりだったが、部活後の空腹にはちょうど良かったみたいだ。
バレンタインも、たまには良いかもしれないと見直した日吉の満足げな態度の裏に小さく嫉妬する跡部だった。
end.
日吉くん私にも手作りくださ・・・・。跡部さんに殺されるかも><
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